ドルが104円後半に上昇、米利上げ観測で-日銀総裁発言受け一時反落

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  • 104円70銭から104円30銭まで反落した後、午後に持ち直す
  • 105円は今日ではない、ビッグイベント多いので待機-みずほ証

27日の東京外国為替市場では、ドル・円相場が1ドル=104円台後半に上昇。日本銀行の黒田東彦総裁の発言や株価の軟調が重しとなる場面も見られたが、年内の米利上げ観測がドルを支えた。

  午後4時15分現在のドル・円は前日比0.2%高の104円64銭。前日の海外市場の流れを引き継ぎ、朝方に一時104円70銭までドル買いが進んだが、25日に付けた約3カ月ぶり高値(104円87銭)には届かず、正午すぎに104円30銭まで売られた。もっとも、下値も限定的で午後の取引終盤には日中高値付近まで持ち直した。

  みずほ証券投資情報部の鈴木健吾チーフFXストラテジストは、中国や原油、米国経済、米大統領選挙に向けた不透明感がだいぶ晴れてきて、テクニカル的にも一年近いドル・円の下落トレンドの転換が明確になってきたと指摘。その上で、「105円は今日ではなく、明日の米GDP(国内総生産)から米大統領選まで2週間くらいはビッグイベントが多いので、そこでいつでも付けられるということで今日は待機」と話した。

  ブルームバーグがまとめたエコノミスト調査によると、28日発表の米国の7-9月の実質GDPは前期比年率2.5%増と4-6月の同1.4%増から伸びが加速すると予想されている。27日には9月の耐久財受注や先週分の新規失業保険申請件数などが発表される。

  米金利先物市場動向に基づくブルームバーグの算出では、年内の米利上げの予想確率は26日時点で73%。1週間前は64%だった。11月1、2日の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げの確率は17%で変わらず。1日には日銀の金融政策決定会合の結果も発表されるが、ブルームバーグ調査では圧倒的多数が現状維持を予想している。

  上田ハーロー外貨保証金事業部の小野直人氏は、105円ちょうど近辺には輸出企業のドル売り注文や週末期限の大きめのオプションがあり、同水準回復も「ひと苦労しそう」と指摘。もっとも、米耐久財受注の結果を受けて、GDPに対する期待感が強まれば、「金利の上振れとともに105円台回復は予想以上に早いかもしれない」と予想した。  

  米国債はアジア27日の時間外取引で続落。2年債利回りは一時0.88%台に上昇し、米10年債利回りは1.8%台を付けた。

  黒田日銀総裁は参院財政金融委員会で、超長期の金利が現在よりも多少上昇してもおかしくはなく、直ちに引き下げに動く必要性もないとの考えを示した。また、長期金利をゼロ%に維持するために、長期国債の保有残高を年間80兆円増やす必要がなくなる可能性はあると述べた。

  外為オンライン情報サービス室の佐藤正和顧問は、朝方は引き続き105円を目指している感じがあったが、日本株が再び下げ始めたのにつられた部分もあるだろうと、ドル・円が一時104円台前半まで下げた理由を説明。FXプライムbyGMOの柳沢浩チーフアナリストは、「黒田総裁の発言で80兆円増やす必要がなくなる可能性があるという部分が材料視されたのかもしれない」と語った。

  27日の東京株式相場は安く始まった後、一時プラスに転じたが、午前の引けにかけて軟調となり、午後もマイナス圏を中心に推移した。

  一方、欧州ではこの日、英国の7-9月のGDPが発表される。ブルームバーグ調査では、欧州連合(EU)離脱選択後の英経済は前期比年率0.3%増と、4-6月の同0.7%増から1年ぶりの低成長に鈍化したと予想されている。

  ポンドは1ポンド=1.22ドル台半ばから1.22ドル台前半まで軟化。上田ハーローの小野氏は、25日のカーニー英中銀総裁の議会証言を受けて、11月の追加緩和期待がしぼんだ契機を踏まえれば、「GDPが緩和派をさらに萎縮させるのか、それとも次回会合への期待をつなぎとめるのか注目される」と指摘している。

  ユーロ・ドルは1ユーロ=1.0900ドル前後でもみ合い。ユーロ・円は1ユーロ=113円台後半まで一時弱含んだが、その後114円台前半へ持ち直した。

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