日本株4日ぶり反落、決算選別顕著に-株主還元のオリックス買われる

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  • きょうの為替は一時1ドル=104円30銭まで円が強含む場面
  • 東証1部売買代金、2兆円割れも前日比はやや増加

27日の東京株式相場は4営業日ぶりに反落。一部報道で業績懸念が広がった海運株が安く、電機や精密機器など輸出株の一角も軟調。決算発表シーズンの開始で選別の動きも徐々に活発化し、日立化成などの下げも目立った。

  一方、オリックス、大京が急伸するなど株主還元姿勢を示した銘柄が大きく買われ、業種別ではその他金融株のほか、陸運や不動産株などが堅調で、株価指数の下げは小幅にとどまった。

  TOPIXの終値は前日比0.69ポイント(0.04%)安の1382.01、日経平均株価は55円42銭(0.3%)安の1万7336円42銭。

  ニッセイ基礎研究所の井出真吾チーフ株式ストラテジストは、「決算の下方修正を市場が十分に織り込んだのかどうか、決めあぐねていることが日本株の方向感のなさにつながっている」と指摘。また、ドル・円は1ドル=105円を戻りのめどとみる向きが多く、この水準に近づくと円が反発しやすく、日本株の上値を抑えているとの見方も示した。

東証アローズ

Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

  この日の日本株は小安く始まった後、午前の取引ではプラス圏に浮上する場面もあったが、午後の日経平均は軟調推移。一時下げ幅は100円を超えた。上値を抑制したのがテクニカル指標からみた過熱感だ。前日までの3日続伸で、日経平均の過去12日間の上下動から過熱感を計るサイコロジカルラインは75%、東証1部の騰落レシオは140%超と過熱示唆のレベルにあった。

  ソシエテジェネラル証券の杉原龍馬株式営業部長は、「欧米株市場も軟調な中、株価水準の高い日本株が独歩高するには材料不足」と言う。国内投資家は、「1万7400円超えると持っていたポジションが楽になり、現物に売りが出た」とみていた。

  ただし、主要企業の決算発表シーズン入りで相場全般を売り込む動きは限られ、株価指数の下げも限定的。午前に一時1ドル=104円30銭までドル安・円高方向に振れた為替が、午後は104円台半ばまで戻したことも投資家心理の悪化を抑制。証券ジャパンの大谷正之調査情報部長は、米国では雇用環境が良好なほか、消費も年末に盛り上がると期待され、「ドル高・円安基調が続く公算は大きい」としている。また、ニッセイ基礎研の井手氏は「日本銀行のETF買いの思惑が広がった」との見方も示していた。

  決算を受けた個別銘柄の反応も活発になってきた。修正した通期利益計画が市場予想を下回ったキヤノンや富士通ゼネラルが売られ、業績計画の減額と野村証券の投資判断引き下げを受けた日立化の下げも大きかった。業種別下落率でトップの海運は、27日付の日本経済新聞で業況の厳しさが報じられた。これに対し、オリックスは急伸。クレディ・スイス証券は第2四半期純利益は想定以上でポジティブと評価、自社株買いの実施も好感された。期末配当増額の大京も急騰。

  東証1部の売買高は17億120万株、売買代金は1兆9449億円。代金は前日に比べ7%増えた。値上がり銘柄数は909、値下がりは927。

  • 東証1部33業種は海運、空運、精密機器、化学、医薬品、電気・ガス、卸売、サービス、小売、電機など19業種が下落。その他金融や証券・商品先物取引、不動産、石油・石炭製品、陸運、鉱業、食料品、銀行など14業種は上昇。

  • 売買代金上位では、キヤノンやLINE、三菱商事、富士通ゼネ、日立化成、楽天、リコーが安く、バイオジェンの免疫疾患治療剤の開発中止を材料に田辺三菱製薬は急落。半面、オリックスのほか、7-9月期利益が市場予想上回った富士通は大幅高。任天堂や三菱地所、野村ホールディングス、メリルリンチ日本証券が投資判断を上げたJR東海も高い。
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