銀行は英国のEU離脱で「パスポート制度」失う可能性-英当局者

更新日時
  • 英政府は単一市場へのアクセスで「新たなモデル」検討-ガルニエ氏
  • 浮上している代替システムは銀行に「十分に良い」内容とは言えず

世界の銀行は恐らく、英国の欧州連合(EU)離脱後にEU域内で自由に金融商品やサービスを提供できる「パスポート制度」の権利を失うだろうと、英国際通商省のマーク・ガルニエ政務次官がインタビューで述べた。

ロンドンの金融街

Photographer: Chris Ratcliffe/Bloomberg

  パスポート制度は、ロンドンに拠点を置く銀行や保険会社などにEU域内で自由にサービスを提供することを認めるもの。ガルニエ氏は英国のEU離脱後も同制度が継続される可能性は低いと指摘。浮上している代替システムは銀行にとって「十分に良い」内容とは言えないだろうと付け加えた。

  金融サービス担当の政府の特使を務めるガルニエ氏はブルームバーグ・ニュースの電話取材に対し、現状と実質同等かつより良い代替システムであれば、ロンドンに拠点を置く銀行にうまく機能するかもしれないと指摘。EU当局が将来講じる規制を全て受け入れざるを得なくなり得ることが難点だとしながらも、「そのハイブリッド版を作ることができ、現状と実質同等のより良いバージョンやパスポート制度の別バージョンを整えられるのなら、その実現を目指す。既存の箱に収めようとはしていない。新しいモデルの創造を目指している」と述べた。

  この発言の真意について、現在のパスポート制度は継続されない公算で、何か別のシステムに置き換わるという意味かと問われると、ガルニエ氏は「その通りだ」と答えた。

  同氏の言う同等システムとは、英国とEUの金融規制が両立可能な場合にロンドンに拠点を置く銀行が単一市場での営業を継続できるというもの。ガルニエ氏はこのシステムが「必ずしもうまくいくとは思えない」とも述べ、その理由については、30日前までの通知でこのステータスを取り下げることが可能なため、多くの国際的金融機関が疑念を抱く公算を挙げた。

  金融業は英国内総生産(GDP)の約1割に貢献する重要な動力。業界幹部らは、ロンドンから欧州の顧客にサービスを提供できる合意をメイ英首相とEU離脱交渉担当者が確保できない場合、英国外への人員配置転換も辞さない構えを示している。

  ガルニエ氏はどのような形で合意をまとめるのか「強硬で拙速な」プランは策定されていないと強調した。交渉は3月末までに開始される予定で、ロンドンの金融街シティーから企業が大量流出する事態を回避するため政府に一段の明確な指針を示すよう求める圧力が強まっている。

  
原題:Banks Likely to Lose Passporting With Brexit, U.K. Official Says(抜粋)

(第3段落以降にガルニエ氏の発言を追加して更新します.)
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