かんぽ生命:ヘッジ外債と株増やし、ヘッジファンド開始も-下期

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かんぽ生命保険は2016年度下半期に、低金利な運用環境のため、円金利資産での運用は抑制し、リスク性資産の残高を拡大する。為替リスクを回避(ヘッジ)した外国債券と国内外株式を積み増し、海外クレジットやバンクローンなどの投資を拡大する。また、下期から株式の自家運用を始める。

  同社の奈良知明執行役兼運用企画部長は26日の記者説明で「これまで保守的、安全な運用を行っていたので、今後もリスク性資産拡大の余地はある」との認識を示した。現状の低金利環境が継続すれば、リスク性資産は今年度末には1年前倒しで10%の保有割合に到達する見込みだ。

  円金利資産については、金利水準を注視しつつ、必要最低限の投資に留め、残高は減少を計画。国内金利は「日銀がイールドカーブコントロールの実施を決めたことで当面は現状の水準で推移」すると予想している。

  ヘッジ付き外債は、海外クレジットの投資拡大などにより、残高は増加の見込み。ただ、日米金利差の拡大でヘッジコストが上昇しており機動的に残高を調整する。オープン外債は、為替が円高に振れることがあれば残高増加も検討するが、横ばいの見通し。米国金利については「利上げベースはごく緩やかとの見通しで長期金利は上がりにくい展開が続く」とみている。

  国内外株式の残高は増加を見込むが、割安局面で投資する姿勢で機動的に対応する。国内株式は、円高の影響が懸念されるものの、「日銀買い入れなど政策的支援があり底堅く推移」と予想。米国株については「利上げの影響は限定的だが既に高い水準にあり頭の重い展開」との見方を示した。

  為替については「米国の利上げペースは緩やかにとどまるものの、日欧の追加緩和も限定的とみて概ね現状の水準で推移」と想定している。

オルタナティブ

  オルタナティブ(代替投資)は、上期はバンクローン投資を開始するなど、残高を増加させており、下期も引き続き増加を見込む。奈良氏は「PE、ヘッジファンドなどは現在体制整備中だが、機会あれば、下期中に投資開始を検討する」と述べた。提携先の第一生命保険との間で、インフラデットへの共同投資を見込んでいる。

  同社は、資産運用の多様化と体制の強化に取り組んでおり、今年7月にオルタナティブ運用責任者として春名貴之執行役員兼運用開発部長が就任。今年度中に海外クレジット・オルタナティブ分野で、出向含め20名程度を採用する方針だ。また、奈良氏は、資産運用に関する社員数を現在の130人から、「新規分野の専門人材の採用を行い、16年度末には140人体制にしたい」と話した。

  記者説明に同席した春名氏は、PE、ヘッジファンド、不動産、インフラのうち、「どれかを優先するというより、市場環境、投資案件の状況を見つつ、体制整備を照らし合わせながら決定していく」との考えを示した。また、ヘッジファンドの投資割合については、「全体の資産を見た中で、分散効果が得られる規模感を考えている」と話し、米国を中心とした海外の運用者の比率が高くなると述べた。

  

(第7段落を加筆しました.)
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