米金融当局、高めの金利に傾斜へ-次期大統領が財政刺激強化なら

  • 長期にわたる低金利持続を前提としてきた金融市場には困難も
  • クリントン、トランプ両氏ともインフラへの政府支出拡大を公約

11月の米大統領選の勝者が、就任後に現在よりもっと景気刺激的な財政政策を追求するなら、米金融当局はそうでない場合に比べ、金利を一層高めに引き上げる方向に傾斜するだろう。

  そのような措置が講じられれば、金融当局が担っている経済下支えの責務の一端を肩代わりしてもらえるとして、連邦準備制度の当局者は歓迎すると考えられる。ただ当局者は、財政赤字の拡大がもたらす追加的な需要を相殺するため、金融政策を通じた刺激の程度を弱める意向を示唆している。

  それというのも、米経済は既に生産能力いっぱいに近い状態にあり、現状では追加のてこ入れは不要なためだ。

米連邦準備制度ビル

Photographer: Andrew Harrer/Bloomberg

  ボストン連銀のローゼングレン総裁は15日のインタビューで、「もっと拡大的な財政政策が講じられるなら、われわれはそれほど拡張的な金融政策を必要としない」と語った。

  しかし、金融政策から財政政策へのそのようなバトンの受け渡しは、「より長期にわたる低金利持続の見通しに沈静化され魅了された」金融市場にとって困難をもたらす可能性もあると、パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)の世界経済アドバイザー、ヨアヒム・フェルズ氏は論じる。

対議会で問題も

  また、経済成長のペース加速に向けた議会側の取り組みに食い違った行動を取っていると議員らが受け止めれば、米金融当局は何らかの政治的問題に見舞われる恐れもある。

  大統領選では民主党候補のヒラリー・クリントン前国務長官、共和党候補ドナルド・トランプ氏のいずれも、自身が当選の場合、インフラへの政府支出の拡大を目指す方針を表明している。

  ゴールドマン・サックス・グループのエコノミスト、デービッド・メリクル、アレック・フィリップス両氏によれば、追加の財政刺激策は年間最大1000億ドル(約10兆4000億円)と、国内総生産(GDP)の約0.5%に相当する規模となる可能性がある。

  両氏は先月の顧客向けリポートで、こうした財政刺激策が実現すれば、米金融当局はそうでないケースよりも、利上げの回数を1回ないし2回増やすかもしれないとの分析を示した。

原題:Fed Inclined to Raise Rates If Next President Pumps Up Budget(抜粋)

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