フィリピン大統領がきょう来日、安倍首相と首脳会談へ

更新日時
  • 北京で「米国にさよなら」発言、 米は懸念
  • 日本政府は比との南シナ海問題などで協力関係維持を期待

フィリピンのドゥテルテ大統領が25日から27日の予定で来日する。北京で先週行った講演で米国に対し「さよならと言うべき時だ」と発言した同大統領。米国ではその言動に懸念が広がっているが、日本政府は南シナ海問題などでの協力関係は維持したい考えだ。

  ドゥテルテ氏の訪日は6月の大統領就任後初めて。19日の中国訪問でのスピーチで「外交政策は今、中国に向かって方向を変えている」と説明し、「米国の干渉はもうたくさんだ」と言明。読売新聞が25日付朝刊で報じたインタビューでも米軍のフィリピンでの活動を中止したい考えを明言したが、安倍晋三首相とは海洋安全保障などについて協議する考えを示した。

中国を訪問したドゥテルテ大統領

photographer:Pool/Getty images

  元外交官で立命館大学の宮家邦彦客員教授は、今回の訪日でこれまでのような言動を続けることはドゥテルテ氏自身にとっても良くないと説得する最高の機会になるとみる。「大統領は米国の言うことは聞かないもしれないが、日本の言うことは聞くかもしれない」という。

  ドゥテルテ氏は滞在中、安倍首相との会談、晩さん会のほか、経済団体との昼食会、フィリピン経済フォーラムでの講演などを予定している。天皇陛下とは27日午後に会見する。菅義偉官房長官は25日午後の記者会見で、今回の訪日を「両国の絆とパートナーシップを一層深めるという大変有意義な機会としたい」と述べた。

南シナ海

  日本政府は、南シナ海の領有権をめぐる中国の主張は認められないとしたハーグ仲裁裁判所の判断を支持してきた。ただ、ドゥテルテ氏は読売新聞などのインタビューで、中国の習近平国家主席に対し、仲裁裁判所の判断に法的拘束力があると指摘しながらも、今は話さないと伝えたことを明らかにしている。

  安倍首相とドゥテルテ大統領は9月6日、ラオス・ビエンチャンで会談し、海上自衛隊の練習機TC-90の移転やフィリピンの沿岸警備隊強化に対する円借款供与などで合意。今回の首脳会談でも巡視船供与など安全保障関係やインフラ整備などで二国間関係を強化する方針だ。

  米シンクタンク、スティムソン・センターの東アジアプログラム担当シニアアソシエーツ、辰巳由紀氏は、ドゥテルテ氏は米国との共同軍事演習は中国の刺激を恐れて拒否するかもしれないが、日本による沿岸警備の支援は長期的に不可欠になる可能性があると指摘する。

  菅官房長官は25日午後の記者会見で、「ドゥテルテ政権を重視し、インフラ整備、海洋安全保障、ミンダナオ支援などを含むフィリピンの発展を積極的に今後とも支援していきたい」と語った。米比関係については「何も心配していない」と述べた。南シナ海問題に関しては同日午前の会見で、政府として「これまで一貫して法の支配の貫徹を求め、支持してきており、関係国との協力を強めていくと共に、外交を通じた平和的解決を追求していきたい」と語った。

(第4、8段落の菅官房長官の発言を更新します.)
    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE