日本株続伸、円安と日電産決算で業績懸念が後退-輸出、金融中心買い

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  • 米国の製造業PMIが上昇、年内の米利上げ観測広がる
  • JR九州が1部に新規上場、初値は公開価格比19%高

25日の東京株式相場は続伸し、日経平均株価は半年ぶりの高値を更新した。為替の円安推移と日本電産の好決算を受け、企業業績に対する懸念が一段と和らいだ。輸送用機器や電機など輸出株が上げ、米国の長期金利が上昇傾向にあるなど事業環境の好転期待から銀行をはじめ、金融株も高い。

  TOPIXの終値は前日比9.71ポイント(0.7%)高の1377.32、日経平均株価は130円83銭(0.8%)高の1万7365円25銭。日経平均は終値で4月25日以来の高値。

  三井住友アセットマネジメントの市川雅浩シニアストラテジストは、「利上げ観測が高まっても米国株が堅調に推移していることから、市場が米経済への自信を深めている様子がうかがえる」と言う。グローバルに投資資金が株式などリスク資産にシフトしやすく、「為替がドル高・円安方向にじりじりと進み、日本株が買われやすい状況が続きそう」との見方を示した。

東証

Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

  きょうのドル・円はおおむね1ドル=104円40銭台で推移、前日の日本株終値時点103円87銭からドル高・円安方向に振れた。米国で24日に発表されたマークイット・エコノミクスの10月の製造業購買担当者指数(PMI)が2015年以来の水準に上昇し、年内の米利上げ観測が広がったことが背景にある。金利先物が織り込む12月までの米利上げ確率は71%と、1週間前の66%から上昇した。

  カブドットコム証券の河合達憲投資ストラテジストは、「米国で景気回復に応じた良い金利上昇が起き、日米金利差の拡大がドル高・円安を促している」とみる。

  企業業績に対する懸念も後退した。精密小型モーターの日電産が24日に発表した4-9月期(上期)決算は、円高の影響で売上高は4%減ったが、営業利益は16%増の690億円と過去最高を更新。17年3月期計画を1300億円から1350億円に上方修正した。大和証券投資戦略部の石黒英之シニアストラテジストは、驚くほど良い数字であり、「第1四半期が底で、第2四半期に利益が回復してきている企業は多い」と言う。日電産は、10-12月期以降の為替前提を1ドル=105円から100円に変更した。

  きょうの日本株は、円安と企業業績に対する懸念後退で朝方から買いが優勢。前引けにかけやや伸び悩む場面もあったが、午後の取引で日経平均は一時147円高の1万7381円まで上げ幅を広げた。輸出株と並び、終日堅調だったのが銀行株。米長期金利の上昇基調に加え、「来週の日本銀行の金融政策決定会合では、政策変更なしが有力で、しばらくマイナス金利の深掘りはないとの見方が金融株を支えている」と三井住友アセットの市川氏は話していた。

  このほか、東証1部にきょう新規株式公開(IPO)したJR九州の初値は公開価格の2600円を19%上回る3100円。初値を基にした時価総額は4960億円と鉄道会社では京成電鉄を上回り、東武鉄道や名古屋鉄道に次ぐ規模となった。一時3120円まで上げ、上場初日の終値は2990円。

  東証1部の売買高は17億6222万株、売買代金は2兆1160億円。値上がり銘柄数は1243、値下がりは585。

  • 東証1部33業種はその他製品、輸送用機器、その他金融、銀行、ゴム製品、電気・ガス、証券・商品先物取引、電機、パルプ・紙、繊維など26業種が上昇。鉱業や鉄鋼、海運、石油・石炭製品など7業種は下落。鉱業や石油は、前日のニューヨーク原油先物が0.7%安と反落したことが嫌気された。

  • 売買代金上位では日電産のほか、三菱UFJフィナンシャル・グループ、三菱自動車、マツダ、ホンダ、塩野義製薬、大成建設、シマノ、三井住友トラスト・ホールディングス、TDKが高い。半面、業績計画の減額で今期無配となるIHIは急落。エムスリーやJFEホールディングス、新日鉄住金、JSRも売られた。
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