米タイムワーナー買収実現に懐疑論、株価はAT&T提示額19%下回る

  • 854億ドル規模の買収をめぐる規制上のリスクを株価は反映
  • レーヒー上院議員は司法委員会での公聴会開催を呼び掛け

米メディア企業タイムワーナーの株価は米AT&Tから提示された買収価格を19%下回る水準にある。これは、854億ドル(約8兆9000億円)の買収合意が米当局の厳しい審査に直面し、実現が難しいとの投資家の見方を映しているようだ。

  タイムワーナー株は24日、前週末比3.1%安の86.74ドルで終了。ケーブルテレビ局のHBOや映画会社ワーナー・ブラザーズを傘下に置くタイムワーナーの買収でAT&Tが支払いに同意した現金・株式で1株当たり107.50ドルの条件を大きく下回った。AT&T株は1.7%安の36.86ドル。

  レコン・アナリティクスのアナリスト、ロジャー・エントナー氏は、投資家が連邦政府・議会のある「ワシントンで悪いことが起こると予想している。投資家は買収の実現に懐疑的だ」と指摘した。

米議事堂

Photographer: Joshua Roberts/Bloomberg

  政治家や競合会社は既に懸念を表明。共和党の大統領選候補ドナルド・トランプ氏は週末、当選した場合に買収の阻止を目指すと発言。民主党では、副大統領候補のティム・ケーン上院議員やアル・フランケン上院議員らが懸念を示したほか、上院司法委員会の同党筆頭理事、パトリック・レーヒー議員が同委で「遅滞なく」公聴会を開催すべきだと語った。

  AT&Tとタイムワーナーは直接競合してはいないが、買収を批判する人々はAT&Tが既に有料テレビサービスで米国最大の提供者であるため、メディア業界で過剰な支配力集中を招くと指摘する。AT&Tは有料テレビや携帯電話、ブロードバンド・サービスで合計1億人余りの顧客を抱える。

  2年前にタイムワーナー買収を試みた21世紀フォックスと、ウォルト・ディズニーは別々の発表文で、AT&Tによる買収計画を当局が十分厳しく審査すべきだとの見解を示した。

原題:Time Warner Deal Skeptics Keep Shares 19% Below AT&T Terms (1)(抜粋)

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