金満への近道は「偽装離婚」-中国住宅価格高騰で規制逃れ広がる

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  • 裕福になるチャンスを逃したくないと元夫のツァイさん
  • 上海などの1級都市では今年1-9月の新築住宅価格が30%上昇

中国の上海市に住むツァイ夫妻は2月に離婚した。別れた理由は乗り越えられない性格の不一致ではない。不動産市場のバブルだ。

  衣料店を営んでいるツァイさんたちはすでに所有する3つの物件に加え、360万元(約5500万円)の賃貸用住宅を購入したかった。だが同市当局は不動産バブル対策として、不動産保有世帯に対する購入規制を始めていた。だから離婚に踏み切った。

北京市内を歩くカップル

Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

  法的なトラブルが生じる可能性を排除したいとして完全な氏名を公表しないことで取材に応じた元夫のツァイさんは、「離婚したことについて心配するかって? 僕たちはずっと夫婦だ。この住宅を買わなかったら、リッチになるチャンスを逃すことになる」と話した。

  中国の不動産価格は今年、急上昇している。熱狂的な買い手が当局の追加規制前に行動しようとしており、こうした「偽装離婚」の動機付けとなっている。中国が21日発表した最新の住宅価格統計によれば、北京や上海といった価格高騰が続いた一部の都市ではある程度の落ち着きが示されたが、9月の新築住宅価格は7年で最大の上昇となった。

  中国国家統計局は声明で、1級都市と一部の2級都市で打ち出された焦点を絞った措置を受けて、不動産市場は10月に入り「明らかに沈静化している」との分析を示した。

「セーフヘイブン」

  ただUBSグループや交通銀行のアナリストらは、金融政策引き締めの兆しがないため、不動産規制の効果は短期的に終わる公算が大きいとみている。交通銀の上海在勤アナリスト、シア・タン氏は「不動産規制は最初の2、3カ月、効果を示すだろうが、『セーフヘイブン(安全な避難先)』資産を求める長期的な余剰資本が大都市の不動産に流れ込む可能性が引き続き高い」と指摘した。

  ブルームバーグの集計データによると、上海などの1級都市では今年1-9月の新築住宅価格が平均で30%上昇、より小規模な2級都市では13%値上がりした。

  ここ20年間に及ぶ不動産価格上昇が証明しているとして、ツァイさんは「不動産購入で損することはないということだけは知っている」と述べた。

原題:Fake Divorce Is Path to Riches in China’s Hot Real Estate Market(抜粋)

(最終段落にツァイさんの発言を追加して更新します.)
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