【今週の債券】20年入札後に金利低下、生保や年金の需要強いとの声も

  • 20年入札結果強ければ長期金利マイナス0.10%接近も-メリル日本証
  • 長期金利の予想レンジはマイナス0.10%~マイナス0.03%

今週の債券市場では長期金利の低下が予想されている。20年物国債入札では生命保険会社や年金基金などの投資家から一定の需要が見込まれており、入札終了後に期間の長いゾーンを中心に低下圧力が掛かる見通し。

財務省前を走るランナー

Photographer: Michael Caronna/Bloomberg News

  ブルームバーグが前週末に市場参加者5人から聞いた新発10年物国債利回りの今週の予想レンジは、全体でマイナス0.10%~マイナス0.03%となった。

  前週は序盤にマイナス0.05%と1週間ぶり高水準を付けたが、その後、流動性供給入札が順調な結果になるとマイナス0.07%と今月上旬の水準まで下げた。もっとも、2ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)の推移にとどまり、日本銀行が先月導入した「長短金利操作(イールドカーブコントロール)」の効果が発揮されている。

  新発20年債利回りは先週に0.38%から0.395%、新発30年債利回りは0.49%から0.51%と、いずれも2bp以下での推移となった。

予想レンジと相場見通し

*T
◎岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジスト
先物12月物=151円60銭-152円10銭
新発10年物国債利回り=マイナス0.09%~マイナス0.04%
  「20年債入札については、プラス利回りが確保できる超長期債には生保や年金資金を中心に幅広い投資家からの需要が見込める。また、投資家の押し目買い姿勢が確認されており、相場の下値不安は小さい。日銀の追加緩和の見方は大きく後退しているものの、米連邦公開市場委員会(FOMC)や米大統領選も控えている上、ユーロ圏でも金融政策に不透明感が出ている。良好な需給環境が相場を支えるものの、利回りの低下余地は限られそうだ」

◎三井住友アセットマネジメントの深代潤グローバル戦略運用グループヘッド
先物12月物=151円70銭-152円10銭
10年物国債利回り=マイナス0.09%~マイナス0.04%
  「金利が低い中で20年債はかろうじて投資家需要がそれなりにあるゾーン。20年債入札では利回りが0.4%を割り込む現状で需要がどれくらいあるのかを確認したい。生命保険の下期運用計画は大きな変化は考えにくいが、最終投資家がどう考えているかの手掛かりになる。28日には国内経済指標の発表が相次ぐ。消費者物価指数(CPI)が底を打つかが焦点だ。そろそろ底打ちして少なくとも年末、年度末に向けて持ち直してこないと、日銀見通しの前提が崩れてくる」

◎メリルリンチ日本証券の大崎秀一チーフ金利ストラテジスト
先物12月物=151円50銭-152円10銭
新発10年物国債利回り=マイナス0.10%~マイナス0.04%
  「20年債入札の結果が強ければ、10年債利回りはマイナス0.10%に迫る動きになり、弱ければマイナス0.05%をちょっと上回る可能性があるとみている。20年債入札については、ボラティリティの低下を好感すれば、10年ゾーンに近いデュレーションでのプラス金利ということで、キャリーを取りに行く動きも見込まれる。一方、スティープ化への警戒がある中、デュレーションリスクを取りに行くことに対する警戒感もある。結果の良し悪しは両サイドにある」

◎アムンディ・ジャパンの浜崎優市場経済調査部長
先物12月物=151円50銭-152円00銭
新発10年物国債利回り=マイナス0.08%~マイナス0.03%
  「環境面では長期金利は横ばいからやや上昇方向とみている。足元ではリスク資産に資金が行きやすい市場センチメントとなっており、株高・若干円安気味。長期金利は新枠組み導入後に一時下限を試しマイナス0.10%に接近したが、その手前の水準で反転し、マイナス0.05%まで戻した。長短金利操作がにらみを効かせているのもあるが、外部環境がマイナス0.10%を付けさせなかったのではないか。月末にかけて経済指標が発表されるが、それで大きく動くこともないだろう」

◎JPモルガン証券の山脇貴史チーフ債券ストラテジスト
先物12月物=151円75銭-152円05銭
新発10年物国債利回り=マイナス0.08%~マイナス0.05%
  「20年債利回りの0.4%、30年債利回りの0.5%くらいの目線ができているので、そこを大きくブレークするような動きにはならないとみている。積極的に日本国債自体を動かそうという向きがかなり減っているほか、日銀トレードすらなくなっており、ボラティリティがかなり低い状況が続いてしまうような気がする。20年債入札は多少注目されるものの、1、2bp程度の動きにとどまる可能性がある」
*T

今週の主なイベント

25日20年物国債入札発行額1兆1000億円程度
27日2年物国債入札発行額2兆3000億円程度
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