10月21日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は 次の通り。

◎NY外為:ユーロ下落、3月来安値-QEめぐる懸念和らぐ

  21日のニューヨーク外国為替市場ではユーロが下落。3月以来の安値となった。欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁が20日、量的緩和(QE)プログラムを唐突に停止することは恐らくないだろうと発言したことを受け、金融緩和策が終了予定の期日以降も続けられるとの確信が強まった。

  ユーロは週間ベースで3週連続の下落。ドラギ総裁によれば、政策委員会は今回の会合でプログラムの延長もテーパリングも協議しなかった。ユーロは今月に入って約3%下落している。

  パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)は、ECBが12月に追加緩和を実施し、インフレが「2%へと戻る確固たる軌道」に乗らない限り、緩和策を解除しないとの見方を示した。

  みずほ銀行の通貨ストラテジスト、シリーン・ハラジュリ氏(ニューヨーク在勤)はECBが緩和策を拡大するとの期待で、「ユーロは弱くなっている」と指摘。「ECB会合の余波だ。テーパリングは検討されていないとするドラギ総裁のメッセージはかなり明確だった」と述べた。

  ニューヨーク時間午後5時現在、ユーロは対ドルで前日比0.4%安の1ユーロ=1.0884ドル。一時はECBが過去最低水準への利下げを実施した3月10日以来の安値をつけた。週間では0.8%の下落。ユーロは対円では前日比0.6%安の1ユーロ=112円95銭。ドルは対円で0.1%下げて1ドル=103円80銭。

  ドル高の再開もユーロを圧迫した。米金融当局は12月に利上げを実施するとの観測が強まっている。実際に利上げとなれば、ECBとの政策のかい離は拡大する。

  オーストラリア・ニュージーランド銀行では、ユーロが今後数カ月に1.05ドルを割り込むと予想している。米金利上昇見通しに加え、イタリアの憲法改正の是非を問う国民投票、およびオランダとフランス、ドイツの総選挙などの政治リスクが理由。ドイツ銀行とTDも、年末にかけてユーロ安の勢いが増すと見込んでいる。
原題:Euro Falls to Lowest Since March as Draghi Eases Nerves on QE(抜粋)

◎米国株:ほぼ変わらず、買収が決算めぐる懸念を和らげる

  21日の米国株はほぼ変わらず。一時はドルの上昇が企業利益を損ねる恐れがあるとして売りが先行していたが、企業買収に関する情報を手掛かりに消費財銘柄が上昇したほかマイクロソフトが最高値を更新した。

  レイノルズ・アメリカンは上昇。ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BAT)が出資先のレイノルズの未保有株を470億ドルで買い取る提案を行ったと発表した。タイム・ワーナーも上昇。
AT&Tによる買収に合意する可能性があるとの見方が背景。ゼネラル・エレクトリック(GE)とアドバンスト・マイクロ・デバイシズ(AMD)は下落。業績見通しが嫌気された。

  S&P500種株価指数は0.2ポイント安の2141.16 。ダウ工業株30種平均は16.64ドル(0.1%)安の18145.71ドルで終わった。ナスダック総合指数は0.3%上昇した。

  USバンク・プライベート・クライアント・リザーブのビル・ノーシー最高投資責任者(CIO)は「決算発表時期に入り、企業増益への回帰が示されるだろう」と述べた上で、「しかしその一方で、ドルの強い上昇も見られる。ドル上昇や株価の動向には注視する必要があるだろう」と続けた。

  S&P500種採用企業のうちこの日は9社が決算を発表した。今決算シーズンに入り、これまで5分の1超が決算を発表している。ブルームバーグがまとめたデータによれば、利益が予想を上回ったのは81%だった。アナリスト見通しでは、同株価指数構成銘柄全体で0.4%の減益となっている。2週間前は1.6%減益が予想されていた。

  ペイパル・ホールディングスは最高値に上昇。業績見通しが好感された。マクドナルドも高い。四半期の売上高が市場予想を上回った。英国やカナダなど海外市場が好調だった。
原題:U.S. Stocks Little Changed as Deal Talk Offsets Earnings Worry(抜粋)

◎米国債:5年債と30年債の利回り格差が3日連続で縮小

  国債市場では今週、世界的にイールドカーブが平坦化した。バンク・オブ・アメリカ(BofA)は、米金融政策が米国のイールドカーブを一段とスティープ化させることに懐疑的な見方を示している。

  21日の米国債市場では5年債と30年債の利回り格差が3日連続で縮小。日本やドイツと同様にイールドカーブの平たん化が続いている。20日には30年債のパフォーマンスが、より期間の短い債券を上回った。欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁が、同中銀が量的緩和(QE)プログラムによる債券購入をまずテーパリングすることなく唐突に停止することは恐らくないと述べた。  

  BofAメリルリンチのストラテジスト、シャイアム・ラジャン氏は20日付のリポートで「米金融政策が、米国のイールドカーブを現在の水準から一層スティープ化させることには極めて懐疑的だ」と指摘した。

  ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間午後5時現在、30年債利回りは前日比2ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の2.48%。同年債(表面利率2.25%、2046年8月償還)価格は95 2/32に上昇。

  5年債と30年債の利回り格差は約1.24ポイントに縮小。終値ベースではここ1週間で最小となった。

  債券市場のインフレ期待指標である10年ブレークイーブンレート(米10年債と同年限インフレ連動債との利回り差)は2日連続で縮小し、約1.68ポイント。

  ソシエテ・ジェネラルの米金利戦略責任者、スバドラ・ラジャパ氏(ニューヨーク在勤)は「全ての中央銀行がインフレ期待の押し上げに向けて最善を尽くそうとしている」とし、「緩和的な金融政策に加え、インフレ黙認をいとわない姿勢は、金融当局者らがコミットメントを示す上で活用できる戦略かもしれない」と述べた。

  金利先物市場が示唆する12月までの利上げ確率は約68%と、9月末時点の59%から上昇。この算出は利上げ後の実効フェデラルファンド(FF)金利が0.625%になるとの仮定に基づく。
原題:Global Yield Curves Flatten as BofA Says Wager on More to Come(抜粋)

◎NY金:ほぼ横ばい、パラジウムは需要減退懸念で7月来安値

  21日のニューヨーク貴金属市場ではパラジウム先物が約3カ月ぶりの安値に下落。自動車の公害防止装置に使われるパラジウムの投資および現物需要が弱まる兆しがみられる。金先物相場はほぼ変わらず。

  RJOフューチャーズ(シカゴ)のシニアマーケットストラテジスト、フィル・ストライブル氏は電話インタビューで、「需要が低下し始めている」と指摘。「米国の金利が上がるのに伴い、自動車ローンの金利も上昇する。恐らく自動車販売は減少するだろう」と述べた。

  ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のパラジウム先物12月限は前日比1.9%安の1オンス=620.75ドルで終了。一時は615.10ドルと、中心限月としては7月12日以来の安値をつけた。プラチナ先物は0.3%下落。

  ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物12月限は0.1%未満上げて1オンス=1267.70ドル。銀先物は0.3%値下がり。
原題:Palladium Slumps to Lowest in Three Months Amid Demand Concerns(抜粋)

◎NY原油:反発、産油国減産の詳細合意に注目

  21日のニューヨーク原油先物市場ではウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物が反発。産油国が減産の詳細で合意するかどうかに注目が集まっている。ロシアのエネルギー相は来年の同国の原油生産量が過去最高に達する可能性があると述べた。

  BNPパリバの商品調査責任者、ハリー・チリンギリアン氏 (ロンドン在勤)は電話インタビューで、「アルジェ会合後に産油国から数多くの発言があるため、相場は需給要因にあまり左右されていない」と指摘。「状況がもっとはっきりし、ウィーンで開催される会議でニュースが出てくるまで様子見が続くだろう。その後は石油輸出国機構(OPEC)が減産合意を実際に履行するかどうかを見極めることになる」と述べた。

  ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物12月限は前日比22セント(0.4%)高い1バレル=50.85ドルで終了。ロンドンICEの北海ブレント原油12月限は40セント高の51.78ドル。
原題:Oil Holds Above $50 in New York as Market Waits for Output Deal(抜粋)

◎欧州株:変わらず-決算まちまち、「臆測で買い、事実で売れ」

  21日の欧州株式相場はほぼ変わらず。企業決算がまちまちの内容だったことを受け、前日までの勢い失った。

  ドイツの企業向けソフトウエア会社SAPは3.4%上昇。利益と売上高の見通しを引き上げたことが買い材料。一方、赤字となったスウェーデンの通信機器メーカー、エリクソンは5.9%安。売上高見通しを下方修正した独自動車メーカーのダイムラーは2.1%下落。

  英たばこ会社ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BAT)は一時の上げを消し、2.9%安で終了。米レイノルズ・アメリカの未保有株取得を目指すBATの提案が不十分とみなされる恐れがあるとの報道が嫌気された。英高級ブランドのバーバリー・グループは3.1%上昇。同社との合併を米コーチが検討していると伝えられたのが買いにつながった。

   ストックス600指数は前日比変わらずの344.29で終了。今週の上昇率は1.3%となった。

  CMCマーケッツ(ロンドン)の市場アナリスト、ジャスパー・ローラー氏は、企業利益について「国際的に展開している業種以外では、大きく伸びる可能性はそれほどない」とし、「短期的に金融緩和が拡大すれば、欧州株にとっては好材料だが、強気相場へのきっかけとはならないだろう。『臆測で買い、事実で売れ』という相場つきだ」と語った。
原題:European Stock Rally Loses Steam on Mixed Earnings as Week Ends(抜粋)

◎欧州債:ドイツ国債が週間ベースで上昇-緩和延長との観測で

  21日の欧州債市場ではドイツ国債がほぼ変わらずだったものの、週間ベースで今月初の上昇を確保した。欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁が20日の記者会見で、同日の政策委員会で債券購入プログラムのテーパリング(縮小)に関する協議がなかったと明らかにしたことを受け、同プログラムが延長されるとの観測が高まった。

  DZバンク(フランクフルト)の市場ストラテジスト、ダニエル・レンツ氏は、ドラギ総裁は「テーパリングをめぐる議論を落ち着かせる」目的を十分達成したとし、「プログラムが2017年3月以降も続き、その後の買い入れ規模がどうなるか臆測するのは時期尚早だと示唆した。これに市場が反応し、利回りが落ち着きつつある」と語った。

  ロンドン時間午後5時現在、欧州債の指標とされるドイツ10年債利回りは前日比ほぼ変わらずの0.006%。週間ベースでは5ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)下げた。同国債(ゼロクーポン、2026年8月償還)価格は99.944。
原題:German Bonds Post Weekly Gain as Draghi Sparks Longer-QE Wagers(抜粋)

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