【日本株週間展望】続伸、米経済は緩やかに回復-円高リスクも後退

  • 輸出関連株をけん引役に日経平均は1万7000円台半ばへ
  • 7-9月決算が本格化、業績悪化は織り込み済みで大きな下げはなし

10月4週(24-28日)の日本株は続伸となる見通し。米国経済の緩やかな回復を受けた年内利上げ観測の高まりがドル高・円安をもたらし、輸送用機器や電機、機械など輸出関連株を押し上げる。本格化する企業の四半期決算の発表で通期業績予想の下方修正が増えても、最近は為替相場が安定しており下期業績改善への期待につながりそうだ。

  米国では25日に消費者信頼感指数、26日に新築住宅販売件数、27日に耐久財受注、28日に実質国内総生産(GDP)など経済指標の発表が続く。ブルームバーグがまとめた7-9月実質GDPのエコノミスト予想中央値は前期比年率2.5%増となっており、予想通り2%成長を回復すれば年内利上げ期待を押し上げるとみられる。日米の金利差拡大が為替市場でのドル高・円安期待を強めるほか、米大統領選挙でのクリントン候補優位により米国の政策転換リスクが薄れ、日本株にも買い安心感が広がりそう。原油価格が年初の1バレル=20ドル台から50ドル台に上昇し、ロシアなど新興国経済に対する懸念が弱まったことも好材料だ。

任天堂上期決算は26日

Photographer: Chris Ratcliffe/Bloomberg

  国内では26日に任天堂やキヤノン、27日に富士通や野村ホールディングス、28日には日立製作所やコマツなどが決算を発表する。為替の想定レートを円高方向に変更して通期の業績見通しを下方修正する企業が増えることは株価の下押し要因だが、想定レートが実勢水準に近づくことで為替要因による一段の業績減額リスクは低下する。米国の利上げ観測を手掛かりにドル・円相場は10月に入って1ドル=104円を挟んで安定した動きとなっており、業績下方修正でも市場心理の悪化は限定される。

  日経平均株価は1万7000円台前半から半ばでの推移が見込まれる。直近の相場急騰の反動で利益確定売りが膨らむ場面が想定されるが、市場心理は改善しており、下がれば買い遅れた投資家の買いが入り相場を支えそうだ。第3週の日経平均は前週末比2%高の1万7184円59銭と反発。為替相場の安定や原油価格の堅調で投資マインドが好転するなか、米大統領選の討論会でクリントン候補の優位が伝わると一時は4月28日以来の高値を記録した。
 

  • ≪市場関係者の見方≫

しんきんアセットマネジメント投信の鈴木和仁シニアストラテジスト
  「米GDPは2%台半ばの強い数字が見込まれており、年内利上げ期待を通じたドル高・円安で買い安心感がある。米国の年内利上げ確率が70%近くまで上昇しても、景気回復への自信から米国株は高値圏を維持しており、日本株の地合いも良好だ。日経平均は週間で1万7000円台前半から半ばの推移を予想している。企業決算をにらんで上げピッチの加速までは見込めないが、下押し局面では出遅れ銘柄への買いが入って支えられる」

アムンディ・ジャパンの浜崎優市場経済調査部長
  「株価は通期業績見通しの下方修正を織り込んでおり、むしろ最近の為替安定で下期以降の業績回復期待が高まる。米経済は年内利上げを許容できる強さを維持しており、日米金利差拡大に加え米大統領選候補の討論会を終えていわゆるトランプリスクも後退し、1ドル=100円割れは遠のいた。原油高でロシアなど新興国経済の不安も解消しグローバルな投資資金はリスク選好、海外投資家の日本株投資スタンスが買いに転じ市場心理も改善している。相場は小幅ながら上昇が続くだろう」

レオス・キャピタルワークスの岡田雄大トレーディング部長
  「日経平均はレンジの高値圏にあり、積極的に買う投資主体がいない。需給面で大きな売り手はいないものの、トリガーがないと買いにくい。本格化する企業決算に注目しており、外需企業が業績計画を引き下げた場合に市場がどう反応するのか見極めたい。過剰反応するならセンチメント改善が遅れている証拠。一方、米大統領選でクリントン候補が優勢であることや、欧州中央銀行(ECB)の金融緩和姿勢などはプラス材料で売りにくさもある」

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