ゴーン氏、日産自CEO職を共同体制に-出資完了の三菱自会長兼務で

  • 共同CEOに西川CCOを起用、グループ相乗効果で収益拡大目指す
  • 日産・ルノー連合の世界販売は1000万台規模に、ビッグ3に迫る

日産自動車は燃費不正問題があった三菱自動車への出資を20日に完了して傘下に収めた。これを受けて、両社はそれぞれ新経営体制を発表、日産自のカルロス・ゴーン最高経営責任者(CEO)が三菱自の再建を会長として支援する。日産・ルノー連合は世界販売で約1000万台規模に拡大し、トヨタ自動車など上位3グループに迫る。

  両社が20日に発表した首脳人事によると、三菱自の企業統治(ガバナンス)確保へ向け、日産自のゴーン氏が三菱自の会長を兼務するほか、日産自が3人の幹部を三菱自に取締役として送り込み、さらに日産自のチーフ・パフォーマンス・オフィサー(CPO)のトレバー・マン氏が三菱自の最高執行責任者(COO)に就任する。三菱自の益子修会長兼社長は社長に留任する。日産自では、チーフ・コンペティティブ・オフィサー(CCO)の西川廣人氏が共同CEOとなり、後任のCCOに山内康裕副社長が就任する。

ゴーン氏と益子氏、20日の共同会見

Photographer: Yuya Shino/Bloomberg

  ゴーン氏は21日に横浜市内で報道陣に対して、西川氏を共同CEOに起用する理由につて、自身が「三菱自のために使う時間が増えるため、日産自のことを集中して見る人物が必要だった」と述べた。ゴーン氏は仏ルノーのCEOも兼務している。20日の発表会見では、三菱自の会長として益子氏にアドバイスし、支援していく考えを示していた。

  20日の発表資料によると、日産自は三菱自の第三者割当増資を約2374億円で引き受け、発行済株数で約34%の筆頭株主となった。三菱自は日産自から戦略、業務、経営上の支援を受け、共同購買でのコスト削減や車両プラットホームの共通化など相乗効果により収益が拡大し、営業利益率は2017-19年度に1%、2%、2%以上、それぞれ向上するとした。日産自は三菱自との提携で、相乗効果が17年度に約240億円、18年度以降は年間約600億円まで拡大すると予想している。

  益子氏は20日の会見で、日産ルノー連合の仲間入りを果たせたので今後はルノーとの間でも相乗効果の可能性について検討を進めていくと話した。三菱自もルノー製のディーゼルエンジンの採用も考えられると述べた。

  三菱自をめぐっては、燃費試験で不正行為があったことが4月に発覚し、対象となった軽自動車の生産・販売を一時停止したほか、その後の再測定でも不正行為を繰り返していたことが明らかになり、国内販売が落ち込んでいた。両社は5月に資本業務提携に向けた協議・検討で基本合意していた。

かつては日産自の経営を再建

  ゴーン氏は、かつて経営危機にあった日産自を人員削減や工場閉鎖などで復活させている。1999年に収益が悪化していた日産自の経営再建に乗り出し、99年度には6844億円の赤字だったが、1年後に3311億円の黒字に転換した。

  ブルームバーグのデータによると、日産・ルノー連合の昨年の自動車販売は約822万台と世界4位だった。ゴーン氏は20日の発表資料で、日産・ルノー連合が拡大して16年度の年間販売が1000万台規模になるとコメント。これはトヨタ、独フォルクスワーゲン、米ゼネラル・モーターズの上位3グループに匹敵する規模だ。

  国内自動車業界の再編をめぐっては、トヨタが今月、スズキと業務提携に向けた検討を開始すると発表し、環境や安全、情報技術などの業務提携を検討していく。

  日産自と三菱自の株価は21日午前終値で、それぞれ前日比1.3%高の1025.5円、同4.9%高の562円だった。

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