ドル・円が104円前半から反落、株安や白井発言で-ユーロ3月来安値

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  • 3日ぶり高値104円20銭から一時103円75銭まで下落する場面も
  • 複合的な要因で落ちてしまった感じ-マネースクウェア・ジャパン

21日の東京外国為替市場ではドル・円相場が反落。ドルの堅調地合いが続く中、1ドル=104円台前半までドル買い・円売りが進んだが、午後には日本株の下落や白井さゆり前日本銀行審議委員の発言を手掛かりに円買い圧力が強まった。

  午後4時35分現在のドル・円は前日比0.1%安の103円88銭で、一時103円75銭まで下落する場面が見られた。午前は対ユーロを中心にドル買い優勢の流れが続き、正午にかけて104円20銭と3営業日ぶりの高値を付けていた。

  マネースクウェア・ジャパン営業本部法人部長の工藤隆氏は、ドル・円は輸出の売り観測で104円台前半で上値を抑えられていたところ、株価の下落や白井発言など「複合的な要因で落ちてしまった感じ」と説明。ただ、「きのうも103円台前半で海外勢の買いが出ていたもようで、きょうも下値ではこうした買いが期待される」とし、「ここからあまり下がるとはみていない」と話した。

  白井前日銀審議委員は都内で記者会見し、日銀の新たな金融政策の枠組みが総需要、物価、インフレ期待高める効果は限定で、概念的には「金融引き締め的」だと述べた。

  東京株式相場は6日ぶりに反落。午前は底堅く推移していたが、午後の取引後半にかけて下落基調となった。午後2時7分ごろには鳥取県中部で震度6弱の地震が発生した。

  SMBC信託銀行金融商品開発部のシニアマネジャー、シモン・ピアンフェティ氏は、「最近マグニチュード6以上の地震のニュースに対するアルゴの反応はかなり速い」と指摘。「地震が発生すると円が買われ、日経平均は売られる。円高は日本の投資家によるレパトリ(自国への資金回帰)を示し、経済的な悪影響から日本株は売られる」と話した。
  
  日銀の黒田東彦総裁は午前に衆院財務金融委員会で答弁し、長期国債買い入れ額のめどの80兆円にも「一定の幅がある」とし、80兆円が70兆、60兆円になってもマネタリーベースは増えると述べた。午後には全国信用組合大会であいさつし、金融情勢も十分踏まえて2%の物価目標実現するために最も適切なイールドカーブの形成を促していくと話した。

  ユーロは続落。欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁の会見後に売られた前日の海外市場の流れが続き、対ドルで1ユーロ=1.0896ドルと3月以来の安値を付けた。

  IG証券の石川順一シニアFXストラテジストは、「ドラギ総裁はQE(量的緩和)延長も議論しなかったと述べたが、12月時点でもう一度見直すとも発言しており、Brexit(英国の欧州連合離脱)ショックなどの影響を考えると先手打って緩和強化してくる可能性は高い」と指摘。一方、米金融当局からは12月利上げに向けて地ならし発言が相次いでおり、「米独利回り格差が拡大することによって資金がユーロからドルにシフトしていく結果、ユーロ・ドルは下落する」と語った。

  ドラギ総裁は20日の記者会見で、同日の政策委員会で債券購入プログラムの延長もテーパリング(縮小)も協議しなかったと述べ、「債券購入を唐突に終了する可能性は低いと思う」と語った。

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