10月20日の海外株式・債券・為替・商品市場

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欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は 次の通り。

◎NY外為:ユーロが下落、ECBはQE拡大や縮小を協議せず

  20日のニューヨーク外国為替市場ではユーロが下落。ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁の発言を受けて荒い値動きになった。ユーロは対ドルでいったん上昇した後、6月24日以来の安値に沈んだ。

  ドラギ総裁は量的緩和(QE)プログラムの延長あるいはテーパリング(段階的縮小)について協議しなかったことを明らかにした。これにより政策変更は早くとも12月になる見通しだ。

  オッペンハイマーファンズのグローバル・マルチアセット・グループの運用担当者、アレッシオ・デロンジス氏は「対ドルでユーロの上値余地はあまりないと思う」と発言。ユーロを「年初からアンダーウエートにしてきた」と述べた上で、ドラギ総裁のコメントを受けてもそのポジションは変わっていないと語った。

  今月に入ってユーロは対ドルで2.7%安と、四半期としては過去最小の取引レンジだった7ー9月期の静けさを破った。ドイツ銀行とトロント・ドミニオン銀行はユーロが年末までに下げが加速すると予想している。

  ニューヨーク時間午後5時現在、ユーロは対ドルで0.4%安の1ユーロ=1.0929ドル。一時は0.6%上昇する場面もあった。対円では0.1%安の1ユーロ=113円61銭。ドルは対円で0.5%高の1ドル=103円95銭。

  ECBのQEプログラムはインフレと経済成長を促進する狙いがある。景気刺激に向けた金融緩和は自国通貨安につながる傾向があり、輸出価格の低下と個人消費価格の上昇によりぜい弱な経済に恩恵を与える可能性もある。ドラギ総裁はQEプログラムを唐突に停止する可能性は低いとの認識を示した。ECBは予想通り、政策金利を維持し、債券購入計画を変更しなかった。

  クレディ・アグリコルの法人・投資銀行部門でG10通貨戦略責任者を務めるバレンティン・マリノフ氏(ロンドン在勤)は「非常に荒い値動きだった。ドラギ総裁がこの日、話さなかった事柄が原因で、2017年より後の資産購入プログラム延長をめぐりECBがどの程度、傾斜しているかについて市場は疑問を抱き始めている」と語った。
原題:Euro Falls After Draghi Says No Discussion of QE Boost or Taper(抜粋)

◎米国株:小幅安、企業決算に失望-ベライゾンやeベイが安い

  20日の米国株は小幅安。eベイやベライゾン・コミュニケーションズなどが発表した決算が失望を誘った。ヘルスケア関連銘柄やアメリカン・エキスプレスは上昇した。

  この日は企業決算や欧州中央銀行(ECB)の緩和維持、前日夜の米大統領選候補者によるテレビ討論会といった複数の材料が手掛かりとなった。朝方発表された住宅統計では住宅が引き続き成長を押し上げる可能性が示唆された。ニューヨーク原油先物市場ではウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物が反落したが、世界銀行が原油価格見通しを上方修正したことが手掛かりとなり、エネルギー株は小幅安にとどまった。

  S&P500種株価指数は前日比0.1%下落して2141.34。ダウ工業株30種平均は40.27ドル(0.2 %)安の18162.35ドルだった。ナスダック総合指数は0.1%下落した。

  インスティネットのエグゼクティブディレクター、フランク・カッペレリ氏は「相場は節目となる支持線に近づいており、トレーダーはこの先上昇する前に買いを入れるか、それとも一段と下落する前に手放そうか、手掛かりを模索している」と続けた。

  アメリカン・エキスプレスは上昇。同社は通期の1株利益見通しを上方修正した。玩具メーカー、マテルも決算内容が好感され値上がりした。

  eベイは下落。10-12月(第4四半期)の売上高と利益は、アナリストの予想平均に届かない可能性がある。ベライゾンも安い。携帯電話サービス月決め契約の新規契約者数はアナリスト予想を下回った。

  S&P500種採用企業のうち5分の1がこれまでに決算を発表した。ブルームバーグがまとめたデータによれば、利益が予想を上回ったのは83%だった。アナリストの見通しでは同株価指数採用企業全体では1.4%減益となっている。  
原題:U.S. Stocks Fall Amid Earnings as Energy Shares Slip With Crude(抜粋)

◎米国債:イールドカーブが平坦化-ECB総裁のハト派寄り発言で

  20日の米国債市場ではイールドカーブが平坦化。30年債のパフォーマンスが、より期間の短い債券を上回った。欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は、同中銀が量的緩和(QE)プログラムによる債券購入をまずテーパリング(縮小)することなく唐突に停止することは恐らくないと述べた。ECBの政策委員会はQEプログラムの延長について協議しなかった。

  5年債と30年債の利回り格差(イールドカーブ)は縮小し、ここ1週間で最も平坦化した。ECBはこの日、政策金利と量的緩和プログラムの現状維持を発表。資産購入規模は月額800億ユーロで据え置かれた。ブルームバーグの調査に答えたエコノミスト全員の予想通りだった。この日はドイツでも30年債が上昇した。

  TDセキュリティーズの世界金利戦略責任者プリヤ・ミスラ氏は「ハト派寄りの決定だ。ECBが3月に唐突に終了させることはない」とし、「米国債は世界の国債に追随している。特に長期債はそうだ」と続けた。

  ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間午後5時現在、10年債利回りは1ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇し1.76%。同年債(表面利率1.5%、2026年8月償還)価格は97 22/32に下落した。

  5年債と30年債の利回り格差は約1.25ポイントに縮小した。

  ドラギ総裁は、政策委員会はテーパリングについても量的緩和の終了時期についても協議しなかったと説明。次回の12月会合では同月明らかになる最新の経済予測と、債券不足回避に向けた選択肢についての内部検証結果が判断の一助となるだろうと指摘した。

  キャンター・フィッツジェラルドの金利ストラテジスト、ジャスティン・レデラー氏は「ECBが緩和姿勢を維持するのには理由がある。われわれは、一層の明確さを求めて12月会合に目を向けている」と述べた。

  米財務省が実施した30年物インフレ連動債(TIPS)入札(発行額50億ドル)では、最高落札利回りは0.666%となった。
原題:Treasury Yield Curve Flattens as Draghi Downplays Altering QE(抜粋)

◎NY金:反落、12月利上げの確率が高まる-貴金属は軒並み下落

  20日のニューヨーク金先物相場は反落。ニューヨーク連銀のダドリー総裁は19日夜、年内の利上げを予想しているとあらためて述べた。12月の利上げ確率は69.2%と、前日の64.3%から上昇した。

  RJOフューチャーズ(シカゴ)のシニア・マーケット・ストラテジスト、ボブ・ヘイバーコーン氏は電話インタビューで、「金属市場には今、12月の会合が近づいて、それを通過するまでは積極的になり過ぎることに消極的な雰囲気がある」と述べた。

  ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物12月限は前日比0.2%安の1オンス=1267.50ドルで終了。

  銀先物12月限は0.6%下げて17.549ドル。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のプラチナとパラジウムも下落した。
原題:Investors Shun Gold Miners as Odds of December Rate Hike Rise(抜粋)

◎NY原油:反落、ロシア増産発言やナイジェリアの値引きで

  20日のニューヨーク原油先物市場ではウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物が反落。ロシア最大の石油会社が同国は増産が可能との見解を示したほか、ナイジェリアが原油価格を引き下げたことが売りを誘った。

  TDセキュリティーズのグローバル商品戦略責任者、バート・メレク氏はロシアの発言について、「このニュースがテクニカルトレーダーや他のファンドの持ち高解消を誘った可能性がある」と指摘。「現時点でさまざまな当事者から聞こえてくることは確定したものではない。交渉を前にした立場の表明だと考えるべきだ」と述べた。

  ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物11月限は前日比1.17ドル(2.3%)安い1バレル=50.43ドルで終了。同限月はこの日が最終取引日だった。中心限月の12月限は1.19ドル安の50.63ドルで終えた。ロンドンICEの北海ブレント原油12月限は1.29ドル下げて51.38ドル。
原題:Oil Slides From 15-Month High on Russia Comments, Nigeria Prices(抜粋)

◎欧州株:上昇、ユーロ圏の銀行株が高い-ECB総裁発言を好感

  20日の欧州株式市場では、域内の主要株価指数がほぼ全て値上がりした。欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁の発言を手掛かりに、銀行株を中心に買いが膨らんだ。

  ユーロ圏の銀行株で構成されるユーロ・ストックス銀行株指数は5営業日続伸し、この日は2.1%上昇。1月以降、ECB定例委員会が開催された日はほぼ上げている。ドラギ総裁は政策発表後の記者会見で、資産購入を唐突に停止することはないと発言し、その期間を延長する可能性を示唆した。ECBが購入対象とする銘柄の条件を緩和するとの観測を手掛かりに、同指数の今月の上昇率は他業種の約4倍となっている。

  BGCパートナーズ(ロンドン)の市場ストラテジスト、マイケル・イングラム氏は「弊社では12月に動きがあると見込んでおり、これに沿う形となっている」とし、「ECBが日本銀行に追随して焦点を利回り曲線に移し、銀行の収益を手助けするとの期待が依然ある」と語った。

  ユーロ圏の主要銘柄で構成されるユーロ・ストックス50指数は0.7%上昇し、9月8日以来の高値で引けた。ユーロ・ストックス銀行株指数は英国が欧州連合(EU)離脱を決定する前の水準まで1.2%に迫った。この日は、スペインのサンタンデール銀行とバンコ・ビルバオ・ビスカヤ・アルヘンタリア(BBVA)が上げを主導。ドイツ銀行は3.8%高となった。

  一方、フランスの広告会社パブリシス・グループが5.7%下落。第3四半期売上高がアナリスト予想に届かなかった。同業の英WPPは3.6%下げた。ドイツのGEAグループは20%安と、2001年以降で最もきつい値下がりとなった。

  国別ではスペインのIBEX35指数が1.2%高と、域内の主要株価指数の中で上昇率が首位。ドイツのDAX指数は0.5%上昇し3日続伸。仏CAC40指数は0.4%、英FTSE100指数は0.1%それぞれ上げた。一方、スイスのSMI指数は0.3%安。通期売上高予想を引き下げたネスレが同指数を押し下げた。
原題:Brexit Drop Almost Forgotten for Euro-Area Bank Shares After ECB(抜粋)

◎欧州債:ドイツ債が4日続伸-ECBは緩和延長や縮小を協議せず

  20日の欧州債市場ではドイツ国債が4日続伸。欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁がこの日の定例政策委員会で量的緩和策の延長やテーパリング(段階的縮小)について協議されなかったことを明らかにした。

  ブルーベイ・アセット・マネジメント(ロンドン)のパートナー兼ファンドマネジャー、マーク・ダウディング氏は「ドラギ総裁は発言を最小限にしようと試みていたようだ」とし、「市場の反応は緩和拡大についての論議がなかったことにやや失望したことを示唆している。だが、ドラギ総裁がその他すべてのことをあいまいにし、焦点を12月会合に移そうとしたことで相場の動きは限定的になった」と語った。

  ECBが政策金利を据え置き、資産購入プログラムの維持を決定。ドラギ総裁はその後の記者会見で発言した。ブルームバーグがまとめたエコノミスト調査では、70人全員が預金金利がマイナス0.4%で据え置かれると予想。ECBは月額800億ユーロの資産購入プログラムの現状維持した。別の調査では、ECBが12月会合で同購入プログラムの期間を延長すると見込まれている。

  ロンドン時間午後4時30分現在、ドイツ10年債利回りは前日比3ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の0.003%。一時は4bp上昇したが、ここ2週間で初めてゼロを下回り、マイナス0.001%まで下げる場面もあった。同国債(ゼロクーポン、2026年8月償還)価格は0.261上げ99.97。
原題:German Bonds Rise 4th Day as Draghi Gives Few Clues on Stimulus(抜粋)

(NY外為、米国債を更新します.)
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