債券下落、中長期債売り重し-投資家の活発な動き見込みづらいとの声

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  • 先物は6銭安の151円82銭で終了、長期金利マイナス0.06%に上昇
  • インフレ観変わる可能性、さらに買い進む感じでない-三井住友AM

債券相場は下落。欧州中央銀行(ECB)による早期量的緩和縮小への懸念が後退したことなどを手掛かりに買いが先行した後、日本銀行が実施した国債買い入れで中長期ゾーンの需給の緩みが示されたことなどから売りが優勢となった。超長期ゾーンも来週に20年債入札を控えて、上値が重くなった。

  21日の長期国債先物市場で中心限月12月物は、前日比2銭高の151円90銭で取引を開始し、いったん151円93銭まで上昇。午後に入ると水準を切り下げ、結局は6銭安の151円82銭で引けた。

  岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジストは、「今週は日銀買い入れオペや国債入札の結果を見ながらの推移となった」と指摘。来週の債券相場については、「翌週に日米の金融政策会合も控えており、今週と同様に来週も投資家の活発な動きは見込みづらい」とみる。

  現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物の344回債利回りは、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値と横ばいのマイナス0.07%で開始し、その後は1ベーシスポイント(bp)高いマイナス0.06%に上昇した。新発2年物の369回債利回りは1.5bp高いマイナス0.255%、新発5年物の129回債利回りは2bp高いマイナス0.195%を付けた。

  新発20年物の158回債利回りは0.5bp低い0.38%で取引された。新発30年物の52回債利回りは1bp低い0.49%で開始後、0.50%に売られている。

  日銀がこの日実施した今月7回目となる長期国債買い入れオペの結果によると、残存期間「5年超10年以下」の応札倍率が3.62倍と前回から上昇した。「1年以下」は4.40倍と小幅低下し、「物価連動債」も低下した。

日銀の長期国債買い入れオペの結果はこちらをご覧下さい。

  来週は25日に20年利付国債の価格競争入札が予定されている。メリルリンチ日本証券の大崎秀一チーフ金利ストラテジストは「20年債入札の結果が強ければ、10年債利回りはマイナス0.10%に迫る動きになり、弱ければマイナス0.05%をちょっと上回る可能性がある」と話した。

  三井住友アセットマネジメントの深代潤グローバル戦略運用グループヘッドは「ECBのテーパリング懸念が若干和らぐ一方、米景気指標はまだら模様だが12月利上げ観測を揺るがすほどではない。その中で、日本の債券市場は動意に乏しく、思い切り盛り下がっている状況だ」と述べた。「原油価格が1バレル当たり50ドルを超えてインフレ観も少し変わってくる可能性もある。ここからさらに買い進む感じではない」と述べた。

  前日の国内債市場では、流動性供給入札の結果が強めとなり、買いが優勢となった。新発10年債利回りはマイナス0.07%と約2週間ぶり水準まで下げた。野村証券の松沢中チーフストラテジストは、「昨日の流動性供給入札の好調を見ると、少なくとも超長期債主導で売り進む雰囲気ではない。焦点は短中期ゾーンだ」とみていた。

ドラギECB総裁

Photographer: Krisztian Bocsi/Bloomberg

テーパリング縮小観測

  ドラギECB総裁は20日、同中銀が量的緩和(QE)プログラムでの購入をまずテーパリング(縮小)することなく唐突に停止することは恐らくないだろうとし、終了時期とされている2017年3月以降まで延長する公算が大きいことを示唆した。

  野村証の松沢氏は、「ECB会合ではQEの期間延長もテーパリングも話し合われなかった。この会合結果に対する評価は分かれており、会合後に金利は上下に振れたが、最終的にはテーパリングの議論が具体化していなかったことを重視したもよう」と説明。「米債もECB会合直後は買われていたが、徐々に失速。ベアフラット化しており、再び米利上げが意識されたようだ」と指摘した。

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