1300兆円に上る日米欧3中銀のバランスシート、膨らみ続ける

  • 世界全体で1人当たり1700ドル相当の刺激策を講じている計算
  • 金融危機対応の手段から常態に変質-財政刺激支援との指摘も

米連邦準備制度、欧州中央銀行(ECB)、日本銀行のバランスシートは現在、計12兆7000億ドル(約1317兆円)に上る。これは、世界全体で1人当たり1700ドル相当の刺激策をこれら3中銀だけで講じている計算となる。

  最初は金融危機への対応として、その後は持続的な低成長と低インフレに対処するために膨らみ続けた3中銀のバランスシートは国債保有などで構成され、世界の1年間の生産の約17%に匹敵し、なおも拡大している。

  借り入れコスト押し下げのために国債を購入・保有し、その結果得られた資金を国庫に納付することで、イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長、ドラギECB総裁、黒田東彦日銀総裁は事実上、危機対応を起点とする支援をずっと将来まで延長しようと、政治サイドと協力していることになる。

  BNPパリバ・インベストメント・パートナーズのエコノミスト、リチャード・バーウェル氏(ロンドン在勤)は「中銀総裁が財務相の腕をつかんで、『よく聴いてほしい。決して売却はしない』と話すというわけではない」と指摘。「ただ、バランスシートが予見し得る将来も大きいままだと市場が推測するなら、こっそりお金をばらまくのも同然だ」と付け加えた。

  金融メルトダウンや戦時以外はバランスシートをスリムに保ち、金利を主要な政策手段とすべきだというのが金融政策の以前の信条だったが、それが暗黙の形で放棄されたのが新たな風景だ。

  過去最高水準にある債務残高や低成長、低インフレ、低水準の実質金利を背景に中銀による多額のバランスシート保持を支持する人々は、それが大いに必要とされている財政刺激策を容易にするだろうと主張。ノーベル経済学賞受賞者のジョセフ・スティグリッツ米コロンビア大学教授は、中銀自体が「さらなる財政政策の実施を求めており」、その実現の取り組みを後押しすべきだとしている。

原題:Yellen & Co.’s $13 Trillion Stimulus Gift That Keeps On Giving(抜粋)

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