日産自、グループ販売1000万台でビッグ3射程-三菱自に出資完了

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  • ゴーンCEOが三菱自会長を兼務、三菱自の益子会長は社長を継続
  • 三菱自は相乗効果で収益拡大へ-営業利益率は19年度に2%以上向上

日産自動車は燃費不正問題があった三菱自動車への出資約2374億円を完了したと発表した。東南アジア事業やピックアップトラックに強みを持つ三菱自を傘下に収め、日産・ルノー連合の世界販売は約1000万台規模に拡大し、トヨタ自動車など上位3グループに迫る。

  20日の発表資料によると、日産自は三菱自の第三者割当増資を引き受け、発行済株数で約34%の筆頭株主となった。日産自のカルロス・ゴーン最高経営責任者(CEO)は三菱自の会長を兼務して経営再建を監督し、三菱自の益子修会長兼社長は社長に留任する予定としている。三菱自が12月14日に開催予定の臨時株主総会を経て就任する。

カルロス・ゴーン氏

Photographer: Marlene Awaad/Bloomberg

  三菱自は日産自から戦略、業務、経営上の支援を受け、共同購買でのコスト削減や車両プラットホームの共通化など相乗効果により収益が拡大し、営業利益率は2017-19年度に1%、2%、2%以上、それぞれ向上するとした。日産自は三菱自との提携で、相乗効果が17年度に約240億円、18年度以降は年間約600億円まで拡大すると予想している。

  不正問題が相次いだ三菱自のガバナンス確保へ向け、日産自は出資を機にゴーン氏以外で3人の幹部を取締役として送り込むほか、日産自のチーフ・パフォーマンス・オフィサーのトレバー・マン氏が三菱自の最高執行責任者(COO)に就任する計画も明らかにした。

  ゴーン氏は発表会見で、三菱自の会長として益子氏にアドバイスし、支援していく考えを示した。益子氏については、責任をとって何度も辞めたいとの話があったが、残っていただきたいと要請したことを明らかにした。

  益子氏は、日産ルノー連合の仲間入りを果たせたので今後はルノーとの間でも相乗効果の可能性について検討を進めていくと話した。三菱自もルノー製のディーゼルエンジンの採用も考えられると述べた。

提携成功のポイントは迅速な移行

  IHSオートモーティブのマーク・フルソープ氏によると、三菱自はピックアップトラックに強みを持っており、日産自にとってはその設計ノウハウと生産能力を手に入れられることが資本提携の最大のメリットだと指摘。提携を成功させる重要なポイントは、「いかに早く三菱自をルノー・日産のプラットホームに移行させられるかだ」とし、今後のピックアップトラックの設計に関しては「三菱自側の貢献が大きくなるだろう」と述べた。

  三菱自をめぐっては、燃費試験で不正行為があったことが4月に発覚し、対象となった軽自動車の生産・販売を一時停止したほか、その後の再測定でも不正行為を繰り返していたことが明らかになり、国内販売が落ち込んでいた。両社は5月に資本業務提携に向けた協議・検討で基本合意していた。

  ブルームバーグのデータによると、日産・ルノー連合の昨年の自動車販売は約822万台と世界4位だった。ゴーン氏は20日の発表資料で、日産・ルノー連合が拡大して16年度の年間販売が1000万台規模になるとコメント。これはトヨタ、独フォルクスワーゲン、米ゼネラル・モーターズの上位3グループに匹敵する規模だ。

  国内自動車業界の再編をめぐっては、トヨタが今月、スズキと業務提携に向けた検討を開始すると発表し、環境や安全、情報技術などの業務提携を検討していく。

  三菱自は19日、今年度の純損失予想を2400億円に下方修正すると発表。為替やリコール費用などで追加の費用が発生し、従来予想の1450億円から赤字幅が拡大するとしていた。

  一方、ゴーン氏は三菱自の役員人事を受けて、日産自の役員人事も発表。11月1日付で、CCOの西川廣人氏が共同CEOとなり、後任のCCOに山内康裕が就任する。CPOのトレバー・マン氏が三菱自のCOOに就任予定のため、後任のCPOにはホセ・ムニョス氏を充てる。

(日産自の役員人事情報を最終段落に追加.)
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