米銀ウェルズ・ファーゴの行員らが数百万の口座を顧客に無断で開設した問題で、個人情報を利用する「なりすまし」犯罪が行われていなかったかをめぐり、米カリフォルニア州の司法当局が捜査に着手した。

  カリフォルニア州のハリス司法長官は、2011年5月から15年7月にかけて口座を無断で開設した行員らの氏名の提供を求める捜索令状を5日出した。令状は、詳細なやりとりや同行の手数料体系、これらの口座に関係する顧客の損失の見積もりも明らかにするよう求めている。

ウェルズ・ファーゴのロゴ
ウェルズ・ファーゴのロゴ
Photographer: John Taggart/Bloomberg

  捜索令状の添付ファイルによれば、銀行口座だけでなく、与信枠やクレジットカード、モーゲージ、ウェルスマネジメントの口座に関係する個人情報の無断使用と「なりすまし」に行員らが関与し、州の刑法に違反した疑いがロサンゼルス当局の調査で発覚した。

  ウェルズ・ファーゴの広報担当マーク・フォーク氏は「提出を求められた情報の提供に協力している」と電子メールで配布した発表文で説明。ハリス司法長官の広報を担当するクリスティン・フォード氏は、捜索令状に関するコメントを控えている。

   ウェルズ・ファーゴをめぐっては、ニューヨークとサンフランシス コの連邦検察当局が刑事捜査を開始したと事情に詳しい関係者の1人が既に明らかにしていた。この関係者によると、捜査当局は米司法省の指針に基づき、会社組織だけでなく個人が不正行為を行った疑いについても調べを進めることになるという。

異例の刑事捜査

  元連邦検事のウィリアム・ポータノバ氏は、銀行からの記録入手を目的に捜索令状が出されるのは典型的だとしながらも、ウェルズ・ファーゴほどの大企業がなりすまし犯罪で捜査されることは異例だと指摘する。

  ポータノバ氏は「他の誰かの個人情報を使って銀行口座を開けば犯罪であり、それだけだ。カリフォルニア州の刑法に抵触し、軽罪あるいは重罪として禁錮刑が科される可能性がある」と説明。その上で「ホワイトカラー犯罪捜査の将来についていえば、良い兆候だ。正直なところ、大企業の多くは大き過ぎてつぶせないだけでなく、大き過ぎて捜査対象にできないと考えられてきた」と語った。

原題:Wells Fargo Probed for Identity Theft Over Fake Accounts (1)(抜粋)

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