20日の東京株式相場は5日続伸し、日経平均株価は半年ぶりの高値。原油続伸や欧米株高など海外市場の安定でリスク選好の買いが広がり、米国大統領選の討論会における民主党クリントン候補の優勢も安心感につながった。不動産など内需株、銀行や証券など金融株中心に幅広い業種が高い。

  TOPIXの終値は前日比13.60ポイント(1%)高の1370.80、日経平均株価は236円59銭(1.4%)高の1万7235円50銭とともに高値引け。TOPIXは5月31日以来、日経平均は4月27日以来の水準に戻した。

  三井住友アセットマネジメントの石山仁チーフストラテジストは、今回の米大統領選のテレビ討論会は共和党のトランプ候補も健闘したが、「クリントン氏優位の流れは変わらなかった。トランプリスクが剥落し、リスク許容度が高まる中で日本株が上昇した」とみていた。クリントン大統領の誕生なら米国の政策に大きな変化はなく、「不透明感が和らぐ。安全資産に向かっていた資金がリスクオンへ動き出す可能性がある」と言う。

東証
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Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

  日本時間午前10時から米大統領選候補者の第3回テレビ討論会が行われ、米CNNが伝えた世論調査の結果によると、クリントン氏の勝利と回答した視聴者比率が52%、トランプ氏勝利の回答は39%にとどまった。11月本選前の直接対決はこれが最後になる。丸三証券の牛尾貴投資情報部長は、午前の日本株上昇も討論会での「クリントン候補優勢を先取りするような形だった」と振り返る。

  きょうの日本株は前日の原油高や欧米株の堅調に対し、海外時間に為替が円高方向に振れたため、強弱材料が交錯する中で主要指数は小動きで開始。午前9時半すぎから先物主導で上昇基調を強めると、午後はじり高となった。ドル・円相場も早朝の1ドル=103円30銭台に対し、午後は同70銭台まで円が弱含んだ。

  買い優勢の底流にあったのが海外原油価格の続伸や欧米の企業業績、株価堅調など海外市場の落ち着きだ。19日のニューヨーク原油先物は、予想外の米原油在庫の減少と石油輸出国機構(OPEC)の協調減産に対する期待感などを材料に1年3カ月ぶり高値を付けた。同日の米国株はエネルギー株、好決算を発表したモルガン・スタンレーなど金融株が買われ、S&P500種株価指数が小幅に続伸。ストックス欧州600指数も、好業績株主導で小幅に上げた。

  大和証券投資戦略部の石黒英之シニアストラテジストは、「原油相場が上昇基調を強めているため、物価上昇期待から米長期金利には上昇圧力がかかりやすく、過度な円高懸念は後退している」と指摘。日本株も値持ちが良くなっており、「日経平均が1万7000円を固める動きになれば、投資家は持たざるリスクを意識する」と話していた。

  TOPIX、日経平均とも6月安値後の戻り高値を更新し、TOPIXは9月6日以来の5日続伸、日経平均の5日続伸は7月19日(6連騰)以来だ。東証1部の売買高は18億5108万株、売買代金は2兆826億円、代金は13営業日ぶりに2兆円の大台を上回った。値上がり銘柄数は1446、値下がりは414。

  • 東証1部33業種は不動産、証券・商品先物取引、ゴム製品、銀行、その他製品、倉庫・運輸、鉄鋼、電気・ガス、建設、保険など32業種が上昇。下落は繊維1業種のみ。

  • 売買代金上位では、新型ゲーム機「NX」の予告ビデオ公開を控え任天堂が高い。ファーストリテイリングや三井不動産、野村ホールディングス、三菱地所、JR東日本、住友不動産、大和ハウス工業も買われ、モバイルゲームの詳細発表を材料にガンホー・オンライン・エンターテイメントは午後に急騰した。半面、日本電産や花王、第一三共、ブイ・テクノロジーは安い。ドイツ企業の黒鉛電極事業を買収するとの報道を受けた昭和電工は午後に急落。
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