欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は 次の通り。

◎NY外為:ユーロ、対ドルで3カ月ぶり安値-ドイツ銀は一段安予想

  19日のニューヨーク外国為替市場ではユーロが下落。対ドルでほぼ3カ月ぶりの安値を付けた。ドイツ銀行はユーロの一段安を予想している。

  ドイツ銀は年末までにユーロが1ユーロ=1.05ドルに下落すると予想している。ブルームバーグが実施したアナリスト調査では予想中央値は1.10ドル。市場は20日に開催される欧州中央銀行(ECB)定例政策委員会で金融緩和策の先行きに関してなんらかの示唆があるかどうかに注目している。年初からはECBの金融緩和にかかわらず、ユーロは上昇している。

  ドイツ銀の外国為替調査の共同世界責任者、アラン・ラスキン氏(ニューヨーク在勤)はブルームバーグテレビジョンで、「われわれは1.05ドルを予想している。狭いレンジの中にあることを考えると、大胆な予想のように思える。しかし、たとえばイタリアの12月の国民投票で憲法改正案が否決され、米金融当局がその後に利上げを実施すれば、2営業日で届き得るレンジで、1.05ドルには比較的容易に達することができる」と話した。

  ユーロは対ドルで年初来で堅調に推移している。ECBが景気刺激策の限界に達しつつあるとの見方が背景にある。これにより、政策金利を維持している米金融当局との政策のかい離が縮小し、ドルは主要通貨に対して軟調となっている。

  ニューヨーク時間午後5時現在、ユーロは対ドルで0.1%安の1ユーロ=1.0974ドル。対円では0.5%安の1ユーロ=113円51銭。ドルは対円で0.4%安の1ドル=103円44銭。

  トロント・ドミニオン銀行の通貨戦略欧州責任者、ネッド・ランペルティン氏(ロンドン在勤)ら同行のアナリストはリポートで、ユーロが年末にかけて軟化する可能性があると指摘した。しかし、短期的には「ECBのテーパリングが具体的な脅威になれば上昇する可能性がある」との見方を示した。

  ブルームバーグが10月7ー14日にエコノミスト50人を対象に実施した調査では、ECBは2017年下半期まで資産購入の段階的な縮小を始めないと予想された。
原題:World’s Fourth-Biggest Currency Trader Sees Euro Decline Ahead(抜粋)

◎米国株:S&P500は2週ぶりの続伸、原油高でエネルギー株上昇

19日の米国株は上昇。S&P500種株価指数は2週間ぶりの続伸となった。企業決算が予想を上回っていることや原油高が手掛かりとなった。エネルギー株や金融株が高い。

  この日のニューヨーク原油先物市場ではウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物が続伸、1年3カ月ぶり高値を付けた。米エネルギー省発表の原油在庫が予想外に減少したことが買いを誘った。

  S&P500種株価指数は前日比0.2%上昇して2144.29。ダウ工業株30種平均は40.68ドル(0.2%)高の18202.62ドルだった。ナスダック総合指数は0.1%未満の上げだった。

  ジョーンズトレーディング・インスティテューショナル・サービシズのグローバル市場ストラテジスト、ユーセフ・アッバシ氏は「株式市場はこれまで先導役を欠いてきたため、今、われわれは金融株やエネルギー株に注目している」と述べた。

  モルガン・スタンレーやハリバートンはいずれも上昇。決算内容が市場予想を上回ったことが好感された。USバンコープも決算を手掛かりに買われた。ローンや手数料ベースの事業拡大が業績に寄与した。

  半導体のインテルは第4四半期の売上高予想が失望を誘い大幅安。たばこのレイノルズ・アメリカンは四半期利益が市場予想を下回ったことから売られた。

  トレーダーの間では11月の連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げされる可能性は低いとの見方が広がっている。12月の利上げについては63%が織り込まれているが、これは1週間前の68%から低下した。

  米国の利上げ方向を見極める上で注目される経済統計の中で、この日は米住宅着工件数が発表された。米商務省によると、9月の住宅着工件数は予想外の減少。着工件数の先行指標となる住宅着工許可件数は予想以上に増加した。

  米連邦準備制度理事会(FRB)が公表した地区連銀経済報告(ベージュブック)によれば、「見通しは大半がポジティブで、幾つかの 地区では非常に緩慢ないし緩やかなペースでの成長が続くと見込んでい る」と記述された。

  この日のシカゴ・オプション取引所(CBOE)ボラティリティ指数(VIX)は5.7%低下した。
原題:Currency Volatility Fails to Ruffle Equities as S&P 500 Advances(抜粋)
  

◎米国債:下落、サウジアラビアの大規模な国債発行が重し

  19日の米国債相場は下落。サウジアラビアによる175億ドル規模の国債発行が米国債に重しとなった。今回のサウジアラビアの国債発行は、新興国としては過去最大規模。

  10年債利回りは上昇。サウジアラビアは、原油値下がりで悪化した財政を支えるためドル建て債を発行。また企業ではウェルズ・ファーゴやモンデリーズなどが起債し、このままいけば今週の米企業による起債規模はここ1カ月で最大となる。

  ノムラ・セキュリティーズの米金利調査責任者、ジョージ・ゴンキャルベス氏は「債券の大規模な新規発行がある状況では常に、クラウディングアウトが起きる可能性はある」とし、「米国債市場にとってプラスにならないことは確かだ」と続けた。

  ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間午後5時現在、10年債利回りは前日比1ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の1.74%。同年債(表面利率1.5%、2026年8月償還)価格は97 26/32。  

  今回のサウジの国債発行は、4月のアルゼンチン(165億ドル)を上回り、途上国として過去最大。

  大規模な国債・社債発行は、より高い利回りを求める米債券投資家を米国債から引き離す可能性があるだけでなく、債券の発行方法の仕組みを通じても米国債に重しとなる公算がある。ドル建て債の発行体は、利回り上昇に備えたいわゆるレートロックを行うことがよくある。債券が発行されれば、このレートロックは解除される。

  フェデラルファンド(FF)先物市場が示唆する12月までの米利上げ確率は約64%。この算出は利上げ後の実効FF金利が0.625%になるとの仮定に基づく。

  米連邦準備制度理事会(FRB)が19日公表した地区連銀経済報告(ベージュブック)によれば、米経済は8月遅くから10月初めにかけて安定した成長ペースを維持。労働市場はタイトで賃金の上昇圧力が出始めており、大半で前向きな見通しが示された。

  5年債と30年債の利回り格差は約1.28ポイントと、6月以降での最大付近。
原題:Treasuries Decline as Record Saudi Bond Sale Weighs on U.S. Debt(抜粋)

◎NY金:3日続伸、2週間ぶり高値-利上げは緩やかとの見方でドル安

  19日のニューヨーク金先物相場は3営業日続伸し、2週間ぶりの高値となった。ドルの下落を背景に金連動型上場投資信託(ETF)の買いが活発になった。米国の利上げは緩やかなペースになるとの観測が広がっている。

  ハイ・リッジ・フューチャーズ(シカゴ)の金属取引担当ディレクタ ー、デービッド・メーガー氏は電話インタビューで、「金利高への警戒がやや一服している」と指摘。「今はドルが売られる中、若干の持ち直しがみられる」と述べた。

  ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物12月限は前日比0.6%高の1オンス=1269.90ドルで終了。3日以来の高値をつけた。3日続伸は9月22日以降で最長。

  銀先物は0.1%上げて17.663ドル。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のプラチナとパラジウムは下落した。
原題:Gold Hits Two-Week High as Dollar Weakens on Rate Speculation(抜粋)

◎NY原油:続伸、予想外の在庫減少とOPEC減産期待で

  19日のニューヨーク原油先物市場ではウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物が続伸。1年3カ月ぶり高値を付けた。米エネルギー省発表の原油在庫が予想外に減少したことが買いを誘った。サウジアラビアのファリハ・エネルギー産業鉱物資源相は多くの国が石油輸出国機構(OPEC)の減産に積極的に協調するとの考えを示した。

  コンサルティング会社エナジー・アスペクツ(ロンドン)の石油担当チーフアナリスト、アムリタ・セン氏は「在庫は大幅な減少だ」と指摘。米国への輸入が大きく減少しているとし、「加えて、OPECの減産が実現されれば、年末までに60ドルに上昇し得るというのが当社の見方だ」と述べた。

  ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物11月限は前日比1.31ドル(1.3%)高い1バレル=51.60ドルで終了。同限月は20日が最終取引日となる。ロンドンICEの北海ブレント原油12月限は99セント(1.9%)上げて52.67ドル。
原題:Oil Surges to 15-Month High on U.S. Supply Drop, OPEC Optimism(抜粋)

◎欧州株:続伸、業績好感でカルフールなど高い-ECBも注目

  19日の欧州株式相場は上昇し、指標のストックス欧州600指数はここ2週間で初の2日続伸を果たした。予想を上回る企業決算が好感され、買い優勢となった。

  ドイツのザランドが利益率見通しを上方修正し、フランスのカルフールの売上高が予想を上回ったことを背景に、両社が小売株の上げを主導した。オランダの半導体製造装置メーカー、ASMLホールディングは2.2%上昇。第4四半期の利益見通しがアナリスト予想を上回った。このほかユーロ安を手掛かりに自動車株が買われ、石油・ガス銘柄も値上がりした。

  ストックス600指数は前日比0.3%高の343.64で終了。一時は0.4%安となっていた。構成銘柄の今年の利益は4.5%減少するとアナリストらは見込んでいるものの、これまでに発表された7-9月期決算は一定の楽観をもたらしている。投資家らは金融政策の方向について手掛かりを得るため、20日の欧州中央銀行(ECB)定例政策委員会にも注目している。

  ノルデア・インベストメント・ファンズ(ルクセンブルク)のマクロストラテジスト、ウィトルド・バーク氏は「決算が支援材料だが、大きな動きは明日のECB会合まで起きないだろう」とし、「金利の動きは実際に株式に大きな影響を及ぼし、米国市場との相関性も強い。個人的には最終需要が上向く兆候が増すのを待ち望んでいる」と語った。
原題:Earnings Optimism Lifts European Stocks as Carrefour, ASMLClimb(抜粋)

◎欧州債:ポルトガル債続伸、独債とのスプレッド縮小

  19日の欧州債市場ではポルトガル10年債が5営業日続伸。ドイツ債
に対する利回り上乗せ幅(スプレッド)は縮小し、1カ月ぶりの小ささ
となった。週末にはポルトガルの格付け見直しが予定されるものの、同
国債に対するセンチメントは落ち着いている様子だ。

  ポルトガルに投資適格級を唯一付与している格付け会社DBRSは
同国の格付け見直しを21日に明らかにする。DBRSからも格下げされ
れば、同国債は欧州中央銀行(ECB)の購入対象銘柄から外れる。

  ラボバンク・インターナショナルの金利ストラテジスト、リン・グ
レアムテーラー氏(ロンドン在勤)は、債券市場では織り込んでいたポ
ルトガル格下げを「やや修正する動きがあった」と述べた上で、「ソブ
リン債アナリストらが公にしている発言を分析すると、格下げの公算は
小さい。DBRSはかなりの長期的視点で捉える傾向があるため
で、2017年予算も前向きに評価する声が聞かれている」と続けた。

  ロンドン時間午後3時25分現在、ポルトガル10年債利回りは前日比
5ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の3.19%。同国債
(表面利率2.875%、2026年7月償還)価格は0.425上げ97.365。

  ドイツ10年債に対するスプレッドは316bpと、9月13日以降で最
小となった。
原題:Bond Traders Confident Portugal Will Retain All-ImportantRating(抜粋)

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