債券相場は上昇。財務省がこの日実施した流動性供給入札はしっかりとした結果と受け止められ、買い圧力が掛かった。

  20日の現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物の344回債利回りは、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値と同水準のマイナス0.06%で取引を開始。午後は流動性供給入札の結果を受けて買いが優勢となり、1ベーシスポイント(bp)低いマイナス0.07%と5日以来の水準に低下している。前日は新発債として1年ぶりに取引が成立しなかった。

  SBI証券の道家映二チーフ債券ストラテジストは、「本当の意味で日銀のイールドカーブ・コントロールがうまくいって、市場が金利の変動が小さくなると思えば、長いところにお金が流れてくるのでフラットニングするのではないか」と説明。「レンジ観が定まっていないので、金利が下がりすぎると手が止まり、ちょっと上がるとすぐまた買いが入ってしまうような感じになっている」と話す。

  新発20年物の158回債利回りは0.5bp低下の0.385%、新発30年物52回債利回りは0.5bp高い0.505%を付けた後、0.50%に戻している。

  長期国債先物市場で中心限月12月物は、前日比2銭高の151円87銭で取引を開始した後は一時2銭安まで水準を切り下げた。午後に入ると買い優勢の展開となり、8銭高の151円93銭まで上昇。結局は3銭高の151円88銭で終えた。

  みずほ証券の山内聡史マーケットアナリストは、「昨日と同じで上にも下にも行かない動意に欠ける展開が続いている」と指摘。「日銀がある程度カーブを操作している中で、値幅が動きづらい」とし、「取引もだんだん細っていくのではないか」とみる。

  日本相互証券が仲介する19日の業者間取引で、10年物の344回債の売買が成立しなかった。新発10年物が1日を通して取引が成立しなかったのは2015年9月24日以来。日銀が10年債利回りをゼロ%程度で推移するよう操作する金融政策の枠組みを導入したことで、売買低迷が一段と鮮明となっている。

  三菱UFJモルガン・スタンレー証券の稲留克俊シニア債券ストラテジストは、「連休の谷間だった前回の取引未成立時よりも、今回の閑散状態はより深刻に見える。イールドカーブ・コントロール政策によって値動きが限られ、海外勢を含む債券投資家による値幅狙いの売買動機はこれまで以上にさらに弱まる方向」と説明。「日銀の追加緩和観測も浮上しなくなっており、新規の売買手掛かりも少ない」とみている。

流動性供給入札

財務省
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Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  財務省が午後発表した残存期間5年超から15.5年以下を対象とした流動性供給入札(発行額5000億円程度)の結果は、募入最大利回り較差がマイナス0.011%、募入平均利回り較差はマイナス0.015%となった。

  大和証券の小野木啓子シニアJGBストラテジストは、「残存期間15年から20年ゾーンはキャリーやロールダウンから見て魅力的。そうした需要も含めて、入札結果は思った以上にしっかりだった」と話した。

過去の流動性供給入札の結果はこちらをご覧ください。

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