みずほFG:エクイティ業務を強化、第2ステージへ-野村に照準

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みずほフィナンシャルグループは、個人や富裕層など非機関投資家向けや執行(エグゼキューション)業務を中心にエクイティ関連ビジネスを強化する。日本株のリサーチや営業部門での積極的な採用により事業基盤の構築が進んだことから第2弾に着手、一層の業務拡大を目指す。

  みずほは新たに非機関投資家層に着目、個人や富裕層のほか、地方銀行、地方優良企業のオーナーなどを顧客とするビジネスを強化する。また電子取引など株式のエグゼキューション業務も拡充していく方針だ。みずほ証券の長手洋平グローバル・パンアジア・エクイティヘッドが明らかにした。

  みずほは銀行・証券・信託のグループ全体で株式業務の拡大に取り組んでおり、競合相手として国内証券最大手の野村ホールディングスに照準を合わせている。みずほ証では「毎月採用」により過去1年で45人を超えるアナリストやセールスを起用してきたが、新規顧客開拓や執行能力の向上で野村を追い上げる。リテール業務では、米メリルリンチやモルガン・スタンレーが過去に日本に進出したが撤退している。

みずほ証券の支店

みずほ証券の支店

  長手氏はブルームバーグ・ニュースの取材に対し、これまで「リサーチと営業、コーポレートアクセスを強化し、業界でもトップクラスの基盤ができた」と語った。その上で今後は「非機関投資家ビジネスの拡大、エグゼキューションのプラットホーム強化とグローバル化が第2ステージとして重要になってくる」と述べた。

野村との差別化

  みずほ証はエクイティ強化の第2ステージに先立ち、競合他社から幹部を採用した。7月にはUBSグループに17年間勤めてきた宇田川宙氏をエクイティ本部の副本部長に起用したほか、10月には野村で27年間のキャリアを持つ渡邉譲司氏をアジア太平洋のエクイティエグゼキューションのグローバルヘッドに抜擢した。

  宇田川副本部長はインタビューで、野村の本支店数159を上回る270の拠点網(みずほ証104店舗・みずほ銀行内166営業所)などを活用し、若年層や富裕層を新規顧客として開拓していく方針を示した。こうした非機関投資家からの「収益拡大のインパクトはかなり大きいものがあるだろう」と見通している。

  6月末時点のみずほのリテール預かり資産の合計は約25兆7000億円と野村の95兆3000億円3分の1に満たないが、資産は拡大傾向にある。リテールと事業法人からの現金・有価証券などの資産導入額は、みずほは昨年度が1兆6580億円のプラスで野村の480億円を大きく上回った。

  宇田川副本部長は「マイナス金利という状況なので、銀行とのネットワークが非常に大事になってくる」と指摘。預金を含めた貯蓄性の金融商品ではほとんど金利が付かない中、銀行から証券への資産移行が加速してくるとの見方を示した上で、「銀行とのパイプが野村との差別化」だと語った。

TVスポットCM

  みずほ証は現在、若手人気俳優3人がビジネスマンに扮(ふん)するテレビ広告を行っている。9月に開始した15秒スポットCMは3人組がみずほ証の店舗へ相談に行くシーンで、株式アナリストランキング3年連続1位を強調する内容。同社のランキングは2011年が8位で12年が9位、13年は4位と順位を上げてきた。

  みずほは非機関投資家を取り込むためリサーチ力をアピールする方針だ。アナリストリポートにイラストなどを加え個人にも分かりやすいダイジェスト版にして提供することなどを検討している。このほか、アナリストによる支店でのセミナーを増やしたり、リテール顧客が発行体の経営陣にアクセスする機会を設ける案もある。   

  国内の富裕層向けに投資助言するコマツ・ポートフォリオ・アドバイザーズの小松徹社長は個人など非機関投資家の取り込みについて「それは重要だ。安定収益をもたらす」と指摘。「今年に入りヘッジファンドが一部閉鎖するなど機関投資家は減ってきている」とし、一方で「リテールは今のうちに新規の顧客を開拓しておけば、市場が好転したときとても大きな収入源になる」と述べた。

アルゴリズム、AI

  日本株業務では一部外資系に撤退や縮小の動きがあるものの、拡大を模索する国内外の証券会社の間では競争が繰り広げられている。JPモルガン・チェースはヘッジファンド向けビジネスの強化でシニアレベルの採用を実施。シティグループでもモルガン・スタンレーから同業務の共同責任者に加藤崇昭氏を18日付で起用した。

  みずほ証の渡邉グローバルヘッドは株式執行サービスについて、ここ数年機関投資家からの注文が増えている電子取引のプラットホームをさらに強化し、アルゴリズムのパフォーマンスを向上させる意向を示した。このほか、人口知能(AI)も使用した株式売買システムを年内にも提供する計画。投資や提携など、現在プラットホーム拡大の具体策を精査中だとし、戦略の詳細については言及を避けた。

  みずほ証の長手シニアエグゼクティブは、同社は「野村と比べ株式の預かり資産や株式関連収益が小さい」ものの、「大きくキャッチアップする余地がある」とし、大手銀行グループのメリットを生かしエクイティ業務のさらなる強化に力を入れていく考えを示した。

英語記事: Mizuho Seeks to Challenge Nomura as Japan’s Top Equity Firm (1)

(第3、13段落に過去の外資の動きや執行業務について追加しました.)
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