日本株は小幅に4日続伸、水産や小売など内需上げ-円強含みが重し

更新日時
  • 中国GDP統計は市場予想と一致で安心感
  • 日経平均の日中値幅は78円止まり、売買代金2兆円割れ続く

19日の東京株式相場は小幅に4日続伸。好業績観測のマルハニチロなど水産株が買われ、小売や不動産株など内需セクター、証券や銀行株も堅調だった。中国経済統計が予想並みだったことも投資家心理面でプラス。半面、鉱業株のほか、為替の円強含みで輸送用機器など輸出株の一角は安い。

  TOPIXの終値は前日比0.63ポイント(0.04%)高の1357.20、日経平均株価は35円30銭(0.2%)高の1万6998円91銭。

  大和住銀投信投資顧問・経済調査部の門司総一郎部長は、「中国のGDP統計は市場のコンセンサス並みだったが、一部投資家は中国経済を懸念していた。その点からすると、投資家には一定の安心感を与えた」とみていた。日本株の動きは乏しいが、「日経平均の緩やかな上昇トレンドは変わっていない」と言う。

東証外観

Photographer: Yuriko Nakao/Bloomberg

  日本時間午前11時に中国の経済統計が相次ぎ発表され、7-9月の国内総生産(GDP)は前年同期比6.7%増と、事前予想と一致した。9月の小売売上高は前年同月比10.7%増、工業生産は6.1%増だった。

  前日終値を挟んでもみ合っていた午前の日経平均は、中国統計後にやや堅調さを増し、11日以来の一時1万7000円を回復した。ただし、その後の上値は重く、午後終盤に再度上昇基調となったが、結局終値では1万7000円を維持できなかった。

  上値抑制要因の1つが為替動向だ。きょうのドル・円は一時1ドル=103円60銭台と、前日の日本株終値時点103円99銭からドル安・円高に振れる場面があった。また、引き続き日米企業決算の見極め姿勢、米大統領選挙を控える事情も株価の上値追いムードを削いでいる。

  東海東京調査センターの長田清英シニアグローバルストラテジストは、「決算を発表した米S&P500種採用57社の8割超がEPSが予想を上回りながら、米国株の反応が鈍いのは大統領選が要因」と分析。米国時間19日に開かれる大統領選候補者の第3回テレビ討論会で、「クリントン氏優勢となれば、不透明感が和らぎ、米国株は高値を目指す可能性がある」と指摘した。11月8日の本選を前にした民主、共和両党候補の直接対決は今回が最後だ。

  また、セゾン投信の瀬下哲雄ポートフォリオマネジャーは、「過去2週間程度でみると円は対ドルでやや下落傾向だが、他通貨にはさほど円安になっていない」とし、「7-9月期が業績の底になるとの見方は楽観的で、輸出関連は引き続き厳しいだろう。 新興国経済は回復しつつあるとはいえ、まだ力強さはなく、米国景気も何とか持っている」と話していた。

  東証1部の売買高は15億6110万株、売買代金は1兆6632億円、代金の2兆円割れは12営業日連続。値上がり銘柄数は1197、値下がりは624。日経平均の高安差は78.20円と、7日(74.9円)以来の狭さだった。

  • 東証1部33業種は水産・農林、小売、不動産、証券・商品先物取引、その他金融、建設、金属製品、陸運、精密機器、銀行など21業種が上昇。鉱業や保険、海運、輸送用機器、非鉄金属、医薬品、電機など12業種は下落。上昇率トップの水産では、上期営業利益が2倍増と19日付の日本経済新聞で報じられたマルハニチロが大幅高。

  • 売買代金上位では、日産自動車のゴーン社長が会長に就任すると一部で報じられた三菱自動車が午後に急伸。ジャパンディスプレイやファナック、野村ホールディングス、クボタ、ブイ・テクノロジー、東宝、イオンも高い。半面、東芝やソニー、日立製作所、トクヤマ、第一三共、国際石油開発帝石、田辺三菱製薬は安い。
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