トランプ氏の税制改革案、長期的には雇用にマイナスか-エコノミスト

  • 逆にクリントン氏の案は短期的にはマイナスでも長期的にプラス
  • ペンシルベニア大ウォートン校のエコノミストらが分析

米大統領選の共和党候補ドナルド・トランプ氏の税制改革案は、短期的には景気を押し上げ得るが、長期的には10年間で雇用創出を69万人余り減らす可能性があることがエコノミストの分析で明らかになった。民主党候補のヒラリー・クリントン氏の税制案は逆に、当初は景気を冷え込ませるが、後に経済を活性化させる見込みだという。

  ペンシルベニア大ウォートン・スクールのエコノミストとコンピューターエンジニアは同分析リポートで、このように景気への効果が異なるのは、主として連邦債務への影響が違うからだと説明した。トランプ氏が法人税と個人所得税の減税を提案しているのに対し、クリントン氏は高所得者層への増税を唱えている。ただ同分析は両候補の歳出案は考慮していない。

遊説中のトランプ氏

Photographer: Luke Sharrett/Bloomberg

  同リポートの概要によると、トランプ氏の税制改革案は「ごく短期的」には成長と雇用をより強く刺激するものの、「債務が拡大するため経済効果は10年以内に現行政策とクリントン氏の案の双方に劣ることになる」見通し。同分析グループのディレクター、ケント・スメターズ氏は、トランプ氏の案がうまく行くかどうかは「途中で大幅な歳出削減を見いだせるかに大きくかかっている」と分析した上で、「最悪のシナリオ」ではトランプ案により米雇用創出が遅れ、2027年までに雇用創出が最大69万2000人減る可能性があると試算した。

  同リポートの作成にはアーバン・ブルッキングズ・タックス・ポリシー・センターも携わった。トランプ氏陣営に同リポートに関してコメントを求めたが返答はなかった。クリントン氏のシニア政策アドバイザー、ジェーコブ・リーベンルフト氏は電子メールで送付した発表資料で、この新たな分析はトランプ氏の計画が経済の足かせになることを示すとしながらも、「しかしこの分析は両候補の税制案しか考慮していないため、経済ビジョンの真に決定的な違いを示していない」と指摘した。

原題:Trump Tax Plan Seen Adding Jobs, Then Erasing Them Long-Term (1)(抜粋)

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