ドル・円は104円前半、大統領選前で上値も積極的に追いにくいとの声

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  • 朝方に104円40銭までドル高・円安が進行後、103円93銭まで下落
  • 円ロング解消されればドル・円は108円程度まで上昇-野村証

17日の東京外国為替市場でドル・円相場は、1ドル=104円台前半で推移している。米利上げ観測などを背景に前週末からのドル買いの流れが継続したものの、11月の米大統領選を控え取引に慎重な見方も多く、上値は限定的だった。

  午後4時28分現在のドル・円相場は前週末比0.1%安の104円03銭前後。早朝に104円40銭までドルが対円で上昇した後、一時は103円93銭まで下落した。その後は再び104円台を回復したものの、小動きに終始した。

  三菱UFJモルガン・スタンレー証券の植野大作チーフ為替ストラテジストは、12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)に関連して、相場は「12月に利上げを再開するとの見方から下値は堅い」と指摘。一方で、「大統領選前で上値も積極的に追いにくい。実需の売りで上値は重い」と言い、輸出企業の売りが相場の重しとの見方を示した。

  前週末のドル・円は103円60銭台から一時104円48銭までドル高・円安が進んだ。9月の米小売売上高が過去3カ月で最大の増加となったことを受けて、年内の利上げ観測が高まった。ブルームバーグがフェデラルファンド金利先物を基に算出した12月利上げの予想確率は約66%と、9月27日時点での確率約50%から上昇した。

  イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長は14日の講演で、利上げについて引き続き慎重に検討すると示唆。「高圧経済」をしばらく維持することによって「グレートリセッション」で打撃を受けた成長トレンドの一部を修復するというのは「説得力のある見解」だと述べた。ただ、緩和的な政策スタンスを長期にわたって維持し過ぎた場合、恩恵以上に代償を伴う恐れがあるとも指摘した。

  野村証券の池田雄之輔チーフ為替ストラテジストは、「ファンダメンタルズ的に米大統領選におけるトランプリスクが後退しつつあることや、中国の景気が底堅く消費者物価指数が上振れたことが米利上げを後押しする材料と目される中で、円ロングの解消が続いていく公算が大きい」と指摘。「ここ2週間円ロングが解消され、4割程度減る中で、ドル・円は100円半ばから103円半ばまで上昇。残りの6割が解消される前提で算出すると、108円程度ということになる」と語った。

トランプ氏

MARY SCHWALM/AFP/Getty Images

  三菱UFJモルガン・スタンレー証の植野氏は、「米大統領選挙観戦ムードでドル・円は方向感が出にくい。上値の重さと下値の堅さが共存して手を出しにくい。ヘッジファンドや為替トレーダーなどは、値動きの良い英ポンドやカナダドル・豪ドルなどの方に関心が移っている」と話した。

                         

  主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポ ット指数は同時刻現在、ほぼ横ばいの1204.90。13日には一時1207.23まで上昇し、3月16日以来の高水準を付けた。  

  ユーロ・ドル相場は同時刻現在、前日比0.1%高の1ユーロ=1.0987ドル前後。前週末14日の海外市場では1.1058ドルから1.0971ドルまでドル高・ユーロ安が進んだ。

  ポンド・ドルは0.1%安の1ポンド=1.2180ドル前後。一時は1.2127ドルと12日以来の安値まで下げた。イングランド銀行(英中央銀行)のカーニー総裁は14日、インフレのオーバーシュートをある程度許容する姿勢を示した。

  三菱UFJモルガン・スタンレー証の植野氏は、「ハードブレグジット観測で英ポンドが売られている。来年3月までには英国のEU離脱交渉が始まり、難航が見込まれているほか、欧州では銀行問題も抱えている。ユーロやポンドといった欧州通貨はしんどそう」と述べた。

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