【今週の債券】長期金利低下か、オペ3回見込みで-スティープ化警戒

  • 投資家の押し目買いや日銀買いオペで底堅さが目立つ展開-岡三証
  • 長期金利の予想レンジはマイナス0.10%~マイナス0.02%

今週の債券市場では長期金利が低下すると予想されている。日本銀行の長期国債買い入れオペが週内に3回見込まれており、相場全体の支えになるとの観測が背景にある。一方、金融政策の不透明感から欧米金利の上昇は警戒されており、欧州中央銀行(ECB)理事会に市場参加者の関心が向けられている。

  ブルームバーグが前週末に市場参加者5人から聞いた新発10年物国債利回りの予想レンジは全体でマイナス0.10~マイナス0.02%。前週は一時マイナス0.05%と約2週間ぶりの水準まで上昇したが、30年債入札を順調に消化するとマイナス0.065%まで低下した。

日銀本店

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  みずほ証券金融市場調査部によると、今週の長期国債買い入れオペについて、17日に短中期ゾーン、19日に長期・超長期ゾーン、21日に中長期ゾーンが実施される見込み。一方、週内に流動性供給入札が2回行われるが、10年債など通常の利付国債入札はない。

  ECBは20日に定例理事会を開き、ドラギ総裁が記者会見する。ブルームバーグ・ニュースはユーロ圏の複数の中央銀行当局者の話として、ECBは量的緩和の期間終了前に段階的に資産買い入れを減らしていく可能性があると報じた。

予想レンジと相場見通し

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◎JPモルガン・アセット・マネジメントの塚谷厳治債券運用部長
先物12月物=151円60銭-152円20銭
10年物国債利回り=マイナス0.10%~マイナス0.04%
  「日銀の新しい枠組みは、国債先物のボラティリティにみられるように、基本的に市場安定性につながると認識している。10年以内の金利が落ち着く以上、超長期ゾーンも金利上昇の程度としては限界がある。今週は原油高を背景に米国の期待インフレ率が上昇する流れの中、米金融引き締め期待が注目される。円債も多少スティープ化圧力かかりやすい状況。ただ、8月から9月半ばにかけてそれなりにイールドカーブが立ってしまったので、そんなに大きなインパクトがあるとはみていない」

◎パインブリッジ・インベストメンツ債券運用部の松川忠部長
先物12月物=151円45銭-152円00銭
新発10年物国債利回り=マイナス0.08%~マイナス0.02%
  「今週は米消費者物価指数などの経済指標で、米利上げが本当に必要かどうかを確認していく展開になるとみている。国内債市場ではイールドカーブの全体にわたって一つの大きなトレンドを形成するには至っておらず、ちょっとしたこう着状態に入っている。19日には中国の主要指標、20日にはECBの定例理事会がある。また、原油価格の動向は内外金利に影響するので注目している」

◎岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジスト
先物12月物=151円60銭-152円20銭
新発10年物国債利回り=マイナス0.09%~マイナス0.03%
  「今週は注目される指標発表はなく、新発国債入札も予定されておらず、海外市場動向にらみ。7ー9月期中国の実質国内総生産(GDP)やECB定例理事会への注目度が高い。米利上げ観測が続くことで上値追いには慎重な姿勢が目立とうが、世界経済の先行き不透明感も残る中、投資家からの売りは見込みづらい。投資家の押し目買いに加えて、日銀の国債買い入れオペによる良好な需給環境に支えられて、底堅さが目立つ展開となろう」

◎マスミューチュアル生命保険運用戦略部の嶋村哲金利統括グループ長
先物12月物=151円45銭-152円20銭
新発10年物国債利回り=マイナス0.10%~マイナス0.02%
  「国内的な材料に乏しく、グローバルなイールドカーブのスティープニング圧力がどれくらい強まるかが焦点になりそうだ。注目はECB理事会。テーパリング思惑が浮上した中、金融政策の限界論的な見方が強まった場合、グローバルなイールドカーブのスティープニング圧力が円債にも効いてきそうだ。タイミング的にも手掛かりがない中で、25日の20年債入札に向けた調整も早めに入り始める可能性があり、週末にかけて金利が上がっていく可能性があるだろう」

◎アムンディ・ジャパンの浜崎優市場経済調査部長
先物12月物=151円50銭-152円25銭
新発10年物国債利回り=マイナス0.10%~マイナス0.02%
  「米国が年末利上げが確実にできるのかどうかを指標などを見ながら確認していく展開になりそうだ。米国は夏場までは個人消費をはじめ湿りがちだったが、大丈夫ではないか。個人的には年末の25bpの利上げを十分吸収できるとみており、米長期金利も底堅くなる。国内債市場では、日銀による新たな金融政策の枠組み導入後、いったんは長期金利の下限を試す動きとなったが、マイナス0.10%は付けずにやや水準を切り上げている。中長期ではゼロ%に徐々に近づくとみている」
*T

今週の主なイベント

18日流動性供給入札残存15.5年超39年未満発行額4000億円
20日流動性供給入札残存5年超15.5年以下発行額5000億円
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