米国債(14日):スティープ化進む、議長が「高圧経済」維持を示唆

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14日の米国債相市場では利回り曲線がスティープ化し、5年債と30年債の利回り差は3月以来の大幅な拡大となった。イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長が「高圧経済」をしばらく維持することによって「グレートリセッション」で打撃を受けた成長トレンドの一部を修復するというのは「説得力のある見解」だと述べたことが手掛かり。

  30年債利回りは6月以来の高水準を付けた。イエレン議長はボストン連銀主催の会議で講演し、強い総需要・労働市場のひっ迫を伴う「高圧経済」(high-pressure economy)が研究費の削減や労働参加率の低下といったグレートリセッションによるダメージの一部を回復させるのかどうかについて考察した。国債市場のインフレ期待を示す通常国債とインフレ連動国債の利回り差は5月以降で最大。

  利上げを正当化できるほど米経済が強いかどうか経済指標に注目が集まっている。12日に公表された連邦公開市場委員会(FOMC、9月20-21日開催)議事録によると、金利据え置きを主張した当局者の幾人かは決定が「ぎりぎりの判断だった」と述べた。

  TDセキュリティーズの世界金利戦略責任者プリヤ・ミスラ氏は「議長は景気を一時的に過熱状態にさせることのメリットに言及した。それはハト派的な材料だ。FOMCは失業率のアンダーシュートについて議論しているようだが、イエレン議長はアンダーシュート派に属しているようだ。それは利回り曲線のスティープ化とインフレ・リスク・プレミアムの上昇を支持するものだ」と述べた。

  ブルームバーグ・ボンド・トレーダーのデータによると、ニューヨーク時間午後5時現在、10年債利回りは前日比6ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の1.8%と、終値ベースでは6月2日以来の高水準。30年債利回りは8bp上昇の2.56%。これも6月2日以来の高水準だった。

  5年債と30年債の利回り差は約1.27ポイントと、過去1カ月で最大。

  イエレン議長は「企業の売上高拡大がさらなる設備投資を促し、経済の生産能力を引き上げることはほぼ間違いない」と述べ、「ひっ迫した労働市場は、そうでない場合には職探しをあきらめていた潜在的労働者を雇用へとつなげていく可能性がある」と続けた。
  
  朝方発表された9月の米小売売上高は前月比でプラスに転じた。一方、10月の米消費者マインド指数は1年ぶりの低水準となった。

  BMOキャピタル・マーケッツのアーロン・コーリ氏は「議長の発言の大部分は過去のコメントに沿う内容だ。ハト派的なことは間違いないが、議長はこれまでもハト派だ。スティープ化は確実に根付き始めており、われわれはそれが続くとみている。どっちつかずの経済指標が背景にある」と語った。

  通常の10年債とインフレ連動国債10年物の利回り差は約1.68ポイントに拡大した。

  フェデラルファンド(FF)金利先物市場の動向によると、12月までの利上げ確率は約69%。9月27日の時点では50%だった。この算出は利上げ後の実効FF金利が0.625%になるとの仮定に基づく。
  
原題:U.S. Yield Curve Steepens as Yellen Hints Economy May Run Hot(抜粋)

(第4段落以降を追加し、更新します.)
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