タイの次期国王にワチラロンコン皇太子-生まれながらの王位継承者

  • 皇太子、タイ・チャクリー朝の第10代国王就任へ
  • プミポン国王唯一の息子、ここ数年で注目高まる

プミポン・アドゥンヤデート国王(ラマ9世)の死去を受け、ワチラロンコン皇太子(64)が次期タイ国王に選定された。皇太子はチャクリー王朝第10代の国王になるとともに、数百億ドルに上るとされる財産の管理も引き継ぐ見通しとなった。

Thai Crown Prince Maha Vajiralongkorn.

Photographer: Udo Weitz/Bloomberg

  軍人としての経歴を貫いてきたワチラロンコン皇太子だが、子供は7人、3回の結婚歴がある。その私生活は不法ウェブサイトや、リークされた外交文書でも話題にされている。ここ数年はプミポン国王の健康が悪化するにつれ、注目は皇太子本人やその治世がどうなるかに移っていた。

  ウィキリークスによって暴露された、2009年7月に当時のクリントン国務長官に宛てられた極秘の米外交文書は「ワチラロンコン皇太子は父が勝ち得たような敬愛を集められず、カリスマも持ち合わせていない」と表現した。

  タイ王室庁は政治問題にはコメントしない。

  ワチラロンコン皇太子は王室の主要メンバーを脅迫したり侮辱したりした場合に最大15年の刑を科すことができる不敬罪によって守られている。タイ憲法で国王は「崇拝される地位にある」とされ、タイ社会の中で国王の役割について議論が行われることを制限している。

  プミポン国王とシリキット王妃の第2子として誕生したワチラロンコン皇太子は、バンコク王宮内の学校で学んだ後、13歳で英国に留学。さらにオーストラリアでの留学を経てタイ国軍に入隊した。パイロットの資格も持ち、ヘリコプター、戦闘機、自家用ジェットとしているボーイング「737」の操縦もできる。

  1977年には旧王族で親戚に当たるソムサワリー妃と結婚。78年には国営放送の儀式で短期間ながら仏教僧にもなった。同年には長女も誕生した。

  だが79年に女優だったユワティダー氏との間に初の男子をもうけた。同氏とはさらに4人の子供ができ、ソムサワリー妃と離婚した翌年の94年に再婚した。

  ところがこの関係も長続きせず、結婚から数年後にユワティダー氏とその子供たちは国外に退去した。この事情は説明されていない。末娘のシリワンナワリーナリーラット王女は最終的に帰国し、王室の行事に参加しているものの、それ以外の子供は外国にとどまり、ほとんど言及されることがない。

  ワチラロンコン皇太子は2001年に再び結婚した。今度の相手はシーラット妃として知られる平民のシーラット氏で、05年に男児も生まれた。だが14年に皇太子は同妃の一族に王室が与えた姓を突然はく奪し、妃の両親を含む数人を不敬罪で逮捕した。

  この逮捕は、タイ王室の威光を借り賭博など違法ビジネスで利益を得ていたタイ警察の汚職捜査が進む中で起きた。シーラット妃は自ら王室を離脱し、数年にわたり公の場に姿を見せていない。

  シーラット氏は人目を避ける生活を送っているものの、リークされた米外交文書はまだある。07年の極秘文書によると、王室の愛犬で空軍大将の称号を与えられたプードルが、仕立てられた軍服姿を着てイベントに登場した。この犬は主賓席に飛び乗り、来賓客のグラスに入った水を飲んでしまったこともあったという。

原題:Thai Prince Awaits Crown, Groomed Since Birth for Throne(抜粋)

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