10月14日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は 次の通り。

◎NY外為:ドル上昇、米小売売上高の伸びで利上げ観測

  14日のニューヨーク外国為替市場はドルが上昇。朝方発表された米小売売上高が過去3カ月で最大の増加となったことを受けて、年内の利上げ観測が高まった。

  イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長が「高圧経済」をしばらく維持することによって「グレートリセッション」で打撃を受けた成長トレンドの一部を修復するというのは「説得力のある見解」だと述べると、ドルは上げ幅を縮小した。ボストン連銀のローゼングレン総裁はこれより先、現在予想しているより速いペースでの利上げが必要になる可能性はあると発言。先物市場動向によると、年末までの利上げは確率69%として織り込まれている。1カ月前は60%だった。

  INGグループの通貨戦略責任者クリス・ターナー氏は「穏やかなドル強気トレンドになっている」と述べ、「米金融政策当局が利上げを実行すれば、ドルはさらに1ー2%上昇する可能性がある」と続けた。

  ニューヨーク時間午後5時現在、主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は0.4%上昇。ドルは対円で0.5%上昇して1ドル=104円18銭。

  イエレン議長はボストン連銀主催の会議で「企業の売上高拡大がさらなる設備投資を促し、経済の生産能力を引き上げることはほぼ間違いない」と述べた。

  シリコン・バレー・バンク(カリフォルニア州サンタクララ)の上級為替トレーダー、ミン・トラン氏は「議長の発言はまさに緩やかなペースの利上げと一致する。つまり今以上のドル上昇の可能性が抑制されるだろう」と述べた。

  ローゼングレン総裁はCNBCのインタビューで、市場の12月利上げの織り込み具合はほぼ適切だと述べた。さらに失業率の低下が行き過ぎ、政策を速く引き締めざるを得なくなり、その結果として拡大期を短縮してしまうことを懸念していると述べた。
原題:Dollar Advances as Retail Sales Strengthen Case for Rate Hike(抜粋)

◎米国株:S&P500ほぼ変わらず、終盤失速し上げ幅消す

  14日の米国株式相場はほぼ変わらずで終了。経済指標は利上げの論拠を強める内容だった一方、イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長は利上げについて引き続き慎重に検討すると示唆した。

  株価は取引終盤に勢いを失い、上昇をほぼ消した。イエレン議長は「高圧経済」をしばらく維持することによって「グレートリセッション」で打撃を受けた成長トレンドの一部を修復するというのは「説得力のある見解」だと発言した。

  S&P500種株価指数は0.1%未満上げて2132.98。一時は0.8%近く上昇する場面もあった。週間ベースでは8月以来で初の2週連続安。ダウ工業株30種平均は前日比39.44ドル(0.2%)高の18138.38ドル。ゴールドマン・サックス・グループが上昇の半分超に寄与した。ナスダック総合指数は0.1%未満の上昇。

  ミスクラー・ファイナンシャル・グループ(ボストン)の国際株式担当マネジングディレクター、ラリー・ペルッツィ氏は「イエレン議長の発言はハト派勢に歓迎された」と指摘。「しかし、12日に発表された連邦公開市場委員会(FOMC)議事録は、利上げがどのくらい近いのかを明るみにした。要するに、劇的に大きなイベントが起こらないと仮定すると、12月の利上げはほぼ確実のようだ」と述べた。

  JPモルガン・チェースとシティグループの決算が予想を上回ったものの、銀行株は午前に上げた後は苦しい展開となった。半導体銘柄は過去2カ月で最長の連続安に歯止めがかかり、テクノロジー株を押し上げた。保険や証券株を中心に金融株は上昇。ゴールドマンは1.9%高。同行はリビアのファンドをめぐる訴訟で勝訴した。原油相場が上げを消すのに伴い、エネルギー株は売られた。バイオテクノロジー銘柄は3カ月ぶり安値となり、ヘルスケア株を圧迫した。

  12月利上げの確率は67%と、9月27日時点での確率五分五分から上昇。11月利上げの確率は15%となっている。

  9月の米小売売上高は前月比でプラスに転じ、3カ月ぶりの大幅な伸びとなった。9月の米生産者物価指数は前月比で市場の予想以上に上昇した。一方、10月の米消費者マインド指数は予想外に低下し、1年ぶりの低水準となった。

  ロバート・W・バードで米株担当ディレクターを務めるロ ス・ヤロー氏(ロンドン在勤)は「これから決算発表が本格化する。かなり低い期待を上回ることがあれば、過去数カ月にわたって横ばいで推移してきた市場の支えになるだろう」と述べた。
原題:U.S. Stocks Fluctuate Amid Data, Bank Earnings, Yellen Remarks(抜粋)

◎米国債:スティープ化進む、議長が「高圧経済」維持を示唆

  14日の米国債相市場では利回り曲線がスティープ化し、5年債と30年債の利回り差は3月以来の大幅な拡大となった。イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長が「高圧経済」をしばらく維持することによって「グレートリセッション」で打撃を受けた成長トレンドの一部を修復するというのは「説得力のある見解」だと述べたことが手掛かり。

  30年債利回りは6月以来の高水準を付けた。イエレン議長はボストン連銀主催の会議で講演し、強い総需要・労働市場のひっ迫を伴う「高圧経済」(high-pressure economy)が研究費の削減や労働参加率の低下といったグレートリセッションによるダメージの一部を回復させるのかどうかについて考察した。国債市場のインフレ期待を示す通常国債とインフレ連動国債の利回り差は5月以降で最大。

  利上げを正当化できるほど米経済が強いかどうか経済指標に注目が集まっている。12日に公表された連邦公開市場委員会(FOMC、9月20-21日開催)議事録によると、金利据え置きを主張した当局者の幾人かは決定が「ぎりぎりの判断だった」と述べた。

  TDセキュリティーズの世界金利戦略責任者プリヤ・ミスラ氏は「議長は景気を一時的に過熱状態にさせることのメリットに言及した。それはハト派的な材料だ。FOMCは失業率のアンダーシュートについて議論しているようだが、イエレン議長はアンダーシュート派に属しているようだ。それは利回り曲線のスティープ化とインフレ・リスク・プレミアムの上昇を支持するものだ」と述べた。

  ブルームバーグ・ボンド・トレーダーのデータによると、ニューヨーク時間午後5時現在、10年債利回りは前日比6ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の1.8%と、終値ベースでは6月2日以来の高水準。30年債利回りは8bp上昇の2.56%。これも6月2日以来の高水準だった。

  5年債と30年債の利回り差は約1.27ポイントと、過去1カ月で最大。

  イエレン議長は「企業の売上高拡大がさらなる設備投資を促し、経済の生産能力を引き上げることはほぼ間違いない」と述べ、「ひっ迫した労働市場は、そうでない場合には職探しをあきらめていた潜在的労働者を雇用へとつなげていく可能性がある」と続けた。
  
  朝方発表された9月の米小売売上高は前月比でプラスに転じた。一方、10月の米消費者マインド指数は1年ぶりの低水準となった。

  BMOキャピタル・マーケッツのアーロン・コーリ氏は「議長の発言の大部分は過去のコメントに沿う内容だ。ハト派的なことは間違いないが、議長はこれまでもハト派だ。スティープ化は確実に根付き始めており、われわれはそれが続くとみている。どっちつかずの経済指標が背景にある」と語った。

  通常の10年債とインフレ連動国債10年物の利回り差は約1.68ポイントに拡大した。

  フェデラルファンド(FF)金利先物市場の動向によると、12月までの利上げ確率は約69%。9月27日の時点では50%だった。この算出は利上げ後の実効FF金利が0.625%になるとの仮定に基づく。
原題:U.S. Yield Curve Steepens as Yellen Hints Economy May Run Hot(抜粋)

◎NY金:反落、米経済への見方割れる-消費者マインド低下で

  14日のニューヨーク金先物相場は反落。米消費者マインド指数が予想外に低下したことを受け、利上げの可能性の高さを見直そうとする動きが広がった。今週では3日目の下げ。

  TDセキュリティーズのシニア商品ストラテジスト、マイク・ドラゴシツ氏(トロント在勤)は電話インタビューで、「12月に利上げがあるのかどうか投資家は確信できない。そういう意味で不透明感がある」と指摘。「強弱まちまち、あるいは下振れのデータが増えるほど、12月利上げの見方に疑問を持つ投資家も増える。金はそれに振り回されている」と述べた。

  ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物12月限は前日比0.2%安の1オンス=1255.50ドルで終了。一時は0.2%値上がりする場面もあった。金スポット相場はほぼ変わらず。

  銀先物12月限は0.1%下落の17.441ドル。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のプラチナとパラジウムは上昇した。
原題:Gold Slips as Investors Weigh Conflicting Views of U.S. Economy(抜粋)

◎NY原油:小反落、在庫増とドル堅調を嫌気

  14日のニューヨーク原油先物市場ではウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物が小反落。今週発表された統計で米在庫が8月以降で初めて増加した上、ドル指数が7カ月ぶり高水準に迫ったことで売りが優勢になった。

  みずほセキュリティーズUSA(ニューヨーク)の先物部門ディレクター、ボブ・ヨーガー氏は「ドルが7カ月ぶり高値に接近し、原油を圧迫している」と指摘。「先週の米原油在庫は増加した。石油製品やクッシングの状況を考慮しても、基本的に弱気な統計だ」と述べた。

  ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物11月限は前日比9セント(0.18%)安い1バレル=50.35ドルで終了。週間では1.1%の値上がり。ロンドンICEの北海ブレント原油12月限は8セント下げて51.95ドル。
原題:Oil Declines on Dollar Strength, Rising U.S. Crude Stockpiles(抜粋)

◎欧州株:4日ぶり上昇、銀行株高い-中国統計で景気懸念和らぐ

   14日の欧州株式市場では、指標のストックス欧州600指数が4日ぶりに上昇した。この日発表された中国統計で生産者物価指数(PPI)と消費者物価指数(CPI)がいずれも予想を上回ったことを受け、世界景気ならびに中国経済の健全性に対する懸念が和らいだ。

  業種別指数の中で銀行株指数の上昇率が首位となった。イタリアのバンコ・ポポラーレとポポラーレ・ディ・ミラノ銀行(BPM)が大きく上げた。両行の合併案を株主が承認するとの楽観が買いにつながった。鉱業株では英蘭系リオ・ティントとBHPビリオンが高い。英アングロ・アメリカンは1.6%値上がり。

  ストックス600指数は前日比1.3%高の339.95で引けた。これは先月22日以来の大幅上昇。前週末比では0.1%上げ、3週ぶりにプラスとなった。シティグループとJPモルガン・チェースの7-9月決算が予想を上回る内容となり、米企業業績の強さをめぐる懸念が和らいだことも相場上昇への支援材料となった。

  スタンダード・ライフ・インベストメンツのグローバル・テマティックストラテジスト、フランシス・ハドソン氏(エディンバラ在勤)は「前日の相場下落は少し行き過ぎだったため、反発した」とし、「生産者物価のデータに続き、鉱業株のパフォーマンスが力強かった。現行の相場水準から見ると、欧州業績に関して楽観的なムードが広がっているようだ」と語った。
  
  個別銘柄では、上場ヘッジファンド会社の英マン・グループが14%高と、2014年2月以来の大きな上げを演じた。7-9月期の運用資産が6%増えたほか、自社株購入計画とアールト・インベスト・ホールディングを買収すると発表した。一方、スイスの農薬・種子メーカー、シンジェンタは2.1%下落。同社買収で合意している中国化工集団(ケムチャイナ)が中化集団(シノケムグループ)と合併する計画が伝えられ、これが買収に影響を及ぼす可能性があるとの懸念が広がった。
原題:European Stocks Rebound as China Data Ease Global Growth Worries(抜粋)

◎欧州債:ドイツ国債下落-売り浴びせ限界に達したとの見方も

  14日の欧州債市場ではドイツ国債が下落。欧州中央銀行(ECB)が資産購入プログラムを縮小するとの観測が欧州債を圧迫した。ドイツ債は週間で2週続落となり、10年債利回りは1カ月ぶり高水準に達した。

  一方、緩和策のテーパリング(段階的な縮小)協議に懐疑的な見方もあり、量的緩和策で購入可能な国債が不足している状況や緩和策延長の能力と意思への注目も再び浮上している。

  ロンドン在勤のモヒト・クマール氏率いるクレディ・アグリコルのアナリストらは顧客向けリポートで、ドイツ国債の方向性は米国債に左右されるだろうとし、「現行水準から売り浴びを受ける余地は限られている」と指摘。欧州ならびに世界的に「国債市場は過去数週間で売り込まれ、投資妙味が現れた」と説明。ECBが量的緩和を調整しない限り、現行水準からドイツ国債に売りを浴びせるのは難しいだろうと付け加えた。

  ロンドン時間午後3時3分現在、ドイツ10年債利回りは前日比2ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の0.053%。月初来では17bp上げており、12日には先月14日以来の高水準に達していた。同国債(ゼロクーポン、2026年8月償還)価格はこの日、0.143下げ99.48。
原題:Selloff in European Bonds Reaching Limits, Credit Agricole Says(抜粋)

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