【債券週間展望】長期金利低下か、日銀買いオペが支え-ECBに注目

  • 投資家の押し目買いや日銀オペに支えられ底堅さ目立つ展開-岡三証
  • ECBで限界論が強まればスティープ化圧力-マスミューチュアル

来週の債券相場は長期金利の低下が予想されている。日本銀行による3回の長期国債買い入れオペが見込まれ、相場の支えになるとの観測が背景にある。一方、金融政策の不透明感から欧米金利の上昇は警戒されており、欧州中央銀行(ECB)理事会に注目が集まっている。

  今週の新発10年物国債344回債利回りはマイナス0.05%と9月23日以来の水準まで上昇したが、30年債入札順調や長期国債買い入れオペで好需給が確認されるとマイナス0.065%まで低下した。新発20年物158回債利回りは一時0.405%、新発30年物52回債利回りは0.525%まで上昇したが、その後は買いも入った。

  マスミューチュアル生命保険運用戦略部の嶋村哲金利統括グループ長は、「国内的な材料に乏しく、来週も日銀による金利コントロール下で静かな相場が見込まれる」とする一方、「グローバルなイールドカーブのスティープニング圧力が強まるかが焦点。一つの注目はECB理事会だ」と指摘する。

  ECBは20日に定例理事会を開き、ドラギ総裁が記者会見する。ブルームバーグ・ニュースはユーロ圏の複数の中央銀行当局者の話として、ECBは量的緩和の期間終了前に段階的に資産買い入れを減らしていく可能性があると報じた。嶋村氏は、「金融政策の限界論的な見方が強まった場合、グローバルなイールドカーブのスティープニング圧力が円債にも効いてきそうだ」と言う。

ドラギECB総裁とメルケル独首相

Photo by Sean Gallup/Getty Images

  岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジストは、「ECB理事会への注目度が高い上、米利上げ観測が続くことで上値追いには慎重」としながらも、「世界経済の先行き不透明感が残る中で投資家からの国債売りは見込みづらい」と指摘。「投資家の押し目買い姿勢が続くことや、日銀の国債買いオペに支えられ、底堅さが目立つ展開になるだろう」と予想する。

  みずほ証券金融市場調査部によると、来週の国債買い入れオペは、17日に短中期ゾーン、19日に長期・超長期ゾーン、21日に中長期ゾーンの実施があると予想している。

  一方、財務省は18日に残存15.5年超39年未満の国債を対象にした流動性供給入札を実施する。発行予定額は4000億円程度。20日には残存5年超15.5年以下の国債を対象にした流動性供給入札が予定されている。発行予定額は5000億円程度。

市場関係者の見方
*T
◎マスミューチュアル生命保険運用戦略部の嶋村哲金利統括グループ長
*週末にかけて20年債入札に向けた調整が早めに入り始めることも
*ドル高や人民元安が進んだ場合、市場がリスクオフで反応する可能性
*長期金利の予想レンジはマイナス0.10%~マイナス0.02%

◎パインブリッジ・インベストメンツ債券運用部の松川忠部長
*イールドカーブ全体で大きなトレンドを形成するには至らずこう着状態
*米国は利上げが本当に必要か確認していく展開。原油価格動向は内外金利に影響
*長期金利の予想レンジはマイナス0.08%~マイナス0.02%

◎岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジスト
*海外市場の動向をにらみながらの動き
*日銀オペによる良好な需給環境に支えられる
*長期金利の予想レンジはマイナス0.09%~マイナス0.03%

◎JPモルガン・アセット・マネジメントの塚谷厳治債券運用部長
*原油高を背景に米期待インフレ率が上昇する流れの中、米金融引き締め期待に注目
*スティープ化圧力かかりやすいが、8月から9月半ばにかけて立ってしまったので大きなインパクトあるとはみていない
*長期金利の予想レンジはマイナス0.10%~マイナス0.04%
*T

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