Fリテイリ:20年度目標3兆円に減額、現実路線に修正-株は上昇

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  • 今期は37.5%営業増益見込み、「株価にポジティブ」-BNPパリバ
  • GUブランドの売上高、今後10年で1兆円に

衣料ブランド「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングは13日、達成が難しくなっていた2021年8月期の売上高5兆円の目標を先延ばしし、3兆円に引き下げた。現実的な目標に修正し、達成を目指す。

  13日の発表資料によると、21年8月期の営業利益率は15%としている。営業利益で4500億円を目指す計算となる。従来は同期に売上高5兆円、営業利益1兆円を掲げていた。今期(2017年8月期)の売上高は前期比3.6%増の1兆8500億円、営業利益で同37.5%増の1750億円を見込んでおり、売上高5兆円の達成には3倍近い成長が必要になっていた。

柳井会長兼社長(13日会見)

Photographer: Akio Kon/Bloomberg

  柳井正会長兼社長は、従来は売上高5兆円の達成時期として「20年を目安にしていたが、現状からすると3兆円が妥当」だと13日の会見で話した。アパレル製造小売業で「世界ナンバーワンになるためには売り上げ5兆円が必要」だとした上で、「多少遅れるかもしれないが、近い将来に達成したい」と述べた。

  安倍晋三政権がデフレ脱却を掲げる一方で消費者の節約指向は強まっており、小売りや流通各社は対応を迫られている。Fリテイリではユニクロで従来型の店舗に加え、ネット通販を拡大させるほか、成長の軸足としてきた海外ユニクロでも引き続き積極的な出店を進める。

「株価にはポジティブ」

  今期の営業利益見通しは、ブルームバーグが集計したアナリスト14人の予想平均1749億円とほぼ同水準。ただ、BNPパリバ証券の大和樹彦アナリストは前期比37.5%増という「高い営業増益率だけみればガイダンスは株価にはポジティブ」だと13日付のリポートで指摘。「改善基調にある国内外ユニクロ事業」などを材料に挙げ、達成は可能だとした。

  株価は14日午前の取引で一時、前日終値比4.8%高まで買われた。9月5日以来の日中上昇率。午前の取引を終えて、同4.3%高の3万4590円となっている。

  国内ユニクロはネット通販が増収を引っ張る。資料によると、顧客が望む商品の素材調達から販売まで一貫した「情報製造小売業」を目指すという。東京有明で立ち上げた「次世代物流センター」の最上階5000坪のオフィスに一部の主要機能を移転。店舗とEコマースを融合させ、顧客ニーズに合わせた情報提供や商品の当日・翌日配送のエリア拡大などを実現する。

  Fリテイリは14年と15年に円安による原材料コスト高などを理由に値上げに踏み切ったが、客離れを起こし、前期(16年8月期)の既存店客数は前の期比4.6%減だった。4月の記者会見で柳井会長は価格リーダーシップを取り戻すと宣言、以降同社の国内既存店売り上げは回復基調にある。

海外にも次世代物流センター

  今期は国内ユニクロのEコマースで約4割の増収を見込み、既存店と合わせての売上高は前期比2%増を目指す。次世代物流センターは国内10カ所および中国、欧州、北米などの海外拠点でも稼働させる計画だ。

  柳井会長は「システム、物流面で順調にいっている。リアルとデジタルの融合も、かなりな部分ができている」と話す。ネット通販を「グローバルに全部変えて、配送も変えて、それもできるだけ費用が掛からないように」すると述べた。

  低価格とトレンドファッションを掲げるジーユー(GU)の拡大も進める。同ブランドは9月末現在、国内で341店、台湾で7店、上海で4店を展開。今後は国内では年間40-50店の出店を継続する。海外事業は3年後に約50店を目指し、売り上げ構成比を10%に高める。GU事業は前期の売上高が前の期比32.7%増の1878億円で、今後10年で1兆円にする目標を示した。

  ゴールドマン・サックス証券の河野祥アナリストらは14日付のリポートで、GUの国内外成長が見通せるかを「次の投資機会」として捉えている。同ブランドは現状女性向けの比率が高く、男性や子供向けの商品の拡大が必要だと指摘した。12カ月の目標株価は3万500円から3万2500円へ引き上げ、投資判断は「中立」を継続した。

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