10月11日の海外株式・債券・為替・商品市場

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欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は 次の通り。

◎NY外為:ポンド下落、フラッシュクラッシュ時の安値に迫る

  11日のニューヨーク外国為替市場で英ポンドが下げ足を速めている。

  ニューヨーク時間午後5時現在、ポンドは対ドルで1.9%下げて1ポンド=1.2123ドル。ポンドが急落した先週末のフラッシュクラッシュ時に付けた安値に迫っている。主要通貨の中でポンドは年初来で最もパフォーマンスが悪い。急激な値下がりでストラテジストは長期的なポンド見通しを引き下げている。ドルは対円で0.1%安の1ドル=103円51銭。ユーロは対ドルで0.8%安の1ユーロ=1.1054ドル。

  先週行われた保守党大会以降、ポンドは一段と下げている。欧州連合(EU)離脱交渉をめぐり懸念が高まってきた。INGグループとJPモルガン・チェース、ジュリアス・ベア・グループはいずれも、フラッシュクラッシュの後、年末の相場予想を引き下げた。

  トロント・ドミニオン銀行のシニア為替ストラテジスト、メイゼン・アイサ氏は「投資家は不意打ちを食らった」と述べ、「当社の見方では下落リスクは依然としてかなり高い」と続けた。  

  ブルームバーグがまとめたデータによれば、この日のポンドは一時1.2090ドルと、7日につけた31年ぶりの安値1.1841ドルに迫った。

  INGバンクの為替ストラテジスト、ペテル・カルパタ氏(ロンドン在勤)は「かなり重大なリスクイベントがある」と述べ、「ポンド予想を立てるのは格段に難しくなっている」と述べた。さらにポンドは根本的に「非常に割安」だが、政治の不透明感から一段と売られる恐れがあると指摘した。INGのポンド予想は年末までに対ドルで1.22ドルと、従来の1.25ドルから引き下げられた。

  JPモルガンの予想では年末までのポンドは1.21ドル、従来予想は1.32ドルだった。ジュリアス・ベアは同1.24ドルと、従来の1.29ドルから下方修正した。

  ポンドは年初来、対ドルで18%下げており、主要16通貨の中で最悪となっている。
原題:Pound Selloff Accelerates as Flash Crash Lows Loom Ever Nearer(抜粋)


◎米国株:反落、ほぼ4週間ぶり安値-業績不安と利上げ観測で

  11日の米国株式市場でS&P500種株価指数は反落し、ほぼ4週間ぶり安値。決算シーズンが始まり、利益回復への期待を裏切る決算が複数発表された。一方で年内の米利上げ観測が広がり、リスク資産の需要に響いている。

  株式相場は1カ月ぶりの大幅安となった。利益が予想に届かなかったアルコアは、7年ぶりの大幅下落。業種別ではヘルスケアが特に下げ、売上高が見通しに届かなかったイルミナは25%急落。ドル指数が2カ月ぶり高水準に向かうにつれ、商品関連株は下落。半導体関連は4週間ぶりの大幅な下げとなった。

  S&P500種は前日比1.2%下げて2136.73。午後の取引で100日間移動平均を割り込んだ後、下げが加速した。ダウ工業株30種平均は200.38ドル(1.1%)安の18128.66ドル。ナスダック100種指数は1.5%下落した。シカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティ指数(VIX)は15%急伸し、3週間ぶりの高水準。

  リッジワース・インベストメンツ(アトランタ)のシニアストラテジスト、アラン・ゲイル氏は「今の市場には複数の圧迫要因がある」と指摘。「企業利益と政治、米金融政策、そして原油の強い上昇が一服していることだ。企業決算は通常、自社予想を上回るが、今シーズンが始まったばかりのところを見る限り、そうではなさそうだ。複数の情報源に基づく材料を受けて神経質なムードが強まっており、それで売りが大量に出ている」と説明した。

  エバーバンク・ワールド・マーケッツ(セントルイス)のプクリス・ギャフニー社長は「アルコアは常に一番乗りで決算を発表し、鉱工業の需要を推し量る指標銘柄とみなされている」と指摘。「強い業績発表が必要だ。特に金利が上昇し始めるとの観測が広がっているため、なおさら求められる。企業環境はこれまでほど優しくなくなる。今の市場、この先の市場を左右するのは企業決算だ」と述べた。

  イルミナの下げは過去5年で最大となった。第3四半期売上高が自社の従来予想を下回った。医療機器関連の株価指数は6月の英国民投票以来で最大の下げ。アボット・ラボラトリーズは5.4%下げ、4月以来の大幅安。

  アルコアの下げは素材株の指数を3カ月ぶり低水準に押し下げた。フリーポート・マクモランは3.1%安、インターナショナル・ペーパーは2.3%下げた。

  インテルは2%下げ、半導体関連全般が売られた。マイクロン・テクノロジーとアプライド・マテリアルズも大幅安。

  国債利回りが上昇し、銀行の業績見通しには明るい材料となるはずだが、S&P500種採用の銀行株指数は0.9%下落。シティグループとバンク・オブ・アメリカはいずれも1.1%以上の値下がり。
原題:U.S. Stocks Fall Amid Earnings Concerns as Fed Rate Bets Rise(抜粋)

◎米国債:下落、30年債は6月以来の高利回り-インフレ期待の高まりで

  11日の米国債相場は下落。30年債利回りは6月以来の高水準に達した。インフレ率が米金融当局の目標である2%に向かって加速するとの見通しが強まり、売りが出た。

  サウジアラビアとロシアが生産制限で協調する可能性を表明したことを受け、原油価格が1年3カ月ぶり高値近辺にとどまっていることから、長期債を中心に売られた。債券市場のインフレ期待を示す通常10年債とインフレ連動国債(TIPS)10年物の利回り差は拡大し、一時は5月以来の最大となった。

  労働市場の伸びやサービス業活動の拡大を示す米経済指標を背景にインフレ加速期待が広がり、10月に入ってからの国債相場は下落。米経済は年内の利上げに耐え得るほど強いと当局が判断するとの見方が強まっている。

  ソシエテ・ジェネラルのグローバル・ストラテジスト、キット・ジャックス氏は「原油高がこの日のテーマだとすると、もっと大きなテーマは国債利回りの反転だ。それはインフレ期待の高まりを意味し、投資家全般に広がる国債敬遠が緩やかな利回り上昇につながっている」と語った。

  ブルームバーグ・ボンド・トレーダーのデータによると、午後5時現在、30年債利回りは前営業日比5ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の2.50%。一時は6月24日以来の高水準を付けた。10年債利回りは5bp上げて1.76%。10日は米祝日のため休場だった。

  10年債と10年物TIPSの利回り差は一時1.69ポイントと、5月3日以降で最大となった。

  フェデラルファンド(FF)金利先物が示す12月までの利上げ確率は67%と、7日の64%から上昇した。

  ブルームバーグと欧州証券アナリスト協会連合会(EFFAS)がモニターする144の政府債市場の中で、期間10年以上の米国債は10日までの3カ月間にマイナス5.8%と最悪のリターンだった。
原題:Treasuries Decline as Traders Boost Wagers on Faster Inflation(抜粋)
Unprecedented Slate of U.S. Bill Auctions Shows Resilient Demand(抜粋)

◎NY金:反落、米金融政策が「近く変更される」との見方広がる

  11日のニューヨーク金先物相場は反落。シドニーでのシカゴ連銀総裁発言を受けて利上げが近いとの観測が強まり、ドルが上昇。利息を生まない金を保有する魅力は低下した。金の強気ポジションが先週減少した後、金の未決済建玉 (オープン・インタレスト)は4カ月ぶり低水準に近い。

  RJOフューチャーズ(シカゴ)のシニア・マーケット・ストラテジスト、ボブ・ヘイバーコーン氏は「オープン・インタレストが減少したのは、金が先週大きく下げたことでロングポジションが解消されたためだ。資金は市場に戻ってきていない」と電子メールで指摘。「金が安値で推移している要因の大部分は、昨夜のエバンス総裁のように、先週以降に米金融当局者から12月利上げに関するコメントが相次いでいることだ」と述べた。

  ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物12月限は前日比0.4%安の1オンス=1255.90ドルで終了。過去8営業日で7日目の下げとなった。

  銀先物も下落。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のプラチナとパラジウムも値下がりした。
原題:Gold Bulls on Defensive as U.S. Fed Policy Seen ‘Changing Soon’(抜粋)

◎NY原油:反落、プーチン大統領の発言受けた楽観が後退

  11日のニューヨーク原油先物市場ではウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物が反落。ロシア最大の石油会社、ロスネフチが減産の意向を否定したとのロイター報道を受け、前日のプーチン大統領の発言を受けた楽観が後退。ロシアは石油輸出国機構(OPEC)の減産合意に参加しないのではないかとの見方が広がった。

  オースピス・キャピタル・アドバイザーズ(カルガリー)を創業したティム・ピカリング最高投資責任者(CIO)は、「数々の発言が報じられ市場を支えているが、こうした発言はかなり割り引いて受け止める必要がある。誰も新しい約束をしていないからだ。OPECもロシアも行動するとは思わない」と述べた。

  ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)原油先物11月限は56セント(1.09%)安い1バレル=50.79ドルで終了。ロンドンICEのブレント12月限は73セント(1.4%)下げて52.41ドル。
原題:Oil Falls From 15-Month High Amid Questions on Russian Stance(抜粋)

◎欧州株:反落で下げ再開、米当局が年内に利上げとの観測で

  11日の欧州株式相場は下落。指標のストックス欧州600指数はここ5営業日で4回目の値下がりとなった。米当局者が年内に利上げするとの観測が高まっている。

   ストックス600指数は前日比0.5%安の340.17で終了。鉱業株とエネルギー銘柄が大きく下げた。米株式市場の寄り付き後に下げ幅を広げた。四半期利益が予想を下回ったアルコアの決算を皮切りに、米国で決算シーズンが本格化した。欧州でもストックス600指数を構成する150社余りが今月、決算を発表する。

  ランプ・アセット・マネジメント(デュッセルドルフ)のシニア株式マネジャー、ミヒャエル・ボイシュネック氏は「自らが投資する個別銘柄と決算シーズンについて極めて楽観しているが、中央銀行が何をするか分からない」とし、「米当局に関しては、何でも起こり得る。欧州中央銀行(ECB)が国債購入プログラムを来年3月以降延長しないことを強く示唆した場合、市場を脱線させる可能性がある」と語った。

  トレーダーらは米当局が12月に利上げする確率をおよそ68%と見込んでいる。来月の確率は約17%。ECBが緩和策のテーパリング(段階的な縮小)を協議したとの先週の報道を受けて、同行が緩和的姿勢を弱めるとの懸念が広がった。

  西欧市場の主要株価指数の中で、イタリアのFTSE MIBが1%安と、最もきつい下げとなった。英FTSE100指数は0.4%下落。一時は0.5%上昇し7129.83と、日中取引の最高値を更新した。

  個別銘柄では、英銀HSBCホールディングスが1%安。スウェーデンのノルデア銀行は2.6%下げた。英金融サービスのオールド・ミューチュアルが5.5%下落した。
原題:European Stocks Resume Losses as Traders Speculate on Fed Hike(抜粋)

◎欧州債:ドイツ国債の長短金利差が拡大-ECB措置に限度か

  11日の欧州債市場ではドイツ国債の長短金利差が拡大している。UBSグループのアナリストらによれば、欧州中央銀行(ECB)は量的緩和プログラムを延長するかどうかの問題に取り組む必要がある。

  ECBが量的緩和(QE)を縮小するとの見方が弱まった一方、必要な規模のドイツ国債を購入するに当たり同国債の希少性に直面するとの観測が強まった。これが長期債への重しとなり、イールドカーブのスティープ化につながると、UBSの債券ストラテジスト、ニシャイ・パテル氏は指摘。30年物と2年物の利回り格差(スプレッド)は10日の終値ベースで5月以降の最大となっていた。

  パテル氏は、「金利市場は現在、ECBの金融政策とユーロ圏の需給状態について極めてハト派的との見通しを織り込みつつあり、ECBが織り込み済みの水準よりさらにハト派的な状況を作り出そうとしてもハードルが高くなっている」とし、「当社が想定するECBのQEプログラム調整は、イールドカーブのスティープ化を指向している」と語った。

  ロンドン時間午後4時25分現在、ドイツ30年債利回りは前日比4ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の0.66%。前日は0.70%まで上昇し、6月24日以来の高水準を付けた。同国債(表面利率2.5%、2046年8月償還)価格はこの日、1.449上げ149.821。

  ドイツ2年債利回りはほぼ変わらずのマイナス0.67%で、30年債とのスプレッドは132bp。10日の終値ベースでは136bpと、5月31日以降最大となっていた。

  パテル氏はECBが12月会合で2017年3月が期限となっている資産購入プログラムを6カ月延長すると予想。ドイツ10年債利回りは年末までに0.15%に達すると見込んでいる。この日は0.03%前後だった。
原題:German Yield Curve to Steepen Further on ECB QE Limits, UBS Says(抜粋)

(NY外為を更新します.)
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