ドル・円が続伸、米利上げ観測やリスク選好で一時104円台乗せ

更新日時
  • 午後に一時104円07銭と3営業日ぶり高値
  • 9月2日に付けた高値104円32銭を意識した動き-ソシエテ

11日の東京外国為替市場では、ドル・円相場が続伸。米国の年内利上げ観測や原油高・株高を受けたリスク選好の流れを背景にドル買い・円売りが優勢で、一時1ドル=104円台を回復した。

  午後3時55分現在のドル・円は前日比0.3%高の103円92銭。早朝に付けた日中安値103円58銭から103円99銭まで上昇した後、しばらくもみ合っていたが、午後には一時104円07銭と3営業日ぶり高値を付けた。

  ソシエテ・ジェネラル銀行東京支店の鈴木恭輔為替資金営業部長は、原油価格が上昇し、金価格が下落する中で、これまでの逃避的な円買いの巻き戻しが主導し、ドル・円は9月2日に付けた高値104円32銭を意識した動きになっていると説明。同高値を超えれば「心理的節目の105円トライも視野に入る」とし、「きっかけは難しいが、今週のFOMC(米連邦公開市場委員会)議事要旨や米小売売上高、週末のイエレン議長の講演などを見極めながら上値余地を探ることになりそう」と語った。

  朝方発表された日本の8月の国際収支で経常収支は2兆8億円の黒字と市場予想を上回る黒字となったが、円相場への影響は限定的だった。8月の貿易収支は2432億円の黒字(予想1165億円の黒字)だった。

  11日の東京株式相場は反発し、日経平均株価は1カ月ぶりに1万7000円を回復した。米国の雇用統計や大統領選討論会を通過し、米景気は堅調との見方が広がった。10日にはニューヨーク原油先物相場が約1年ぶり高値へ急反発し、エネルギー株主導で米国株も反発していた。

  シカゴ連銀のエバンス総裁は11日、12月に金利を動かしても問題はないかもしれないと述べ、12月会合での利上げに「賛成することになっても驚きではない」と語った。

  今週は12日に9月のFOMC議事要旨が公表されるほか、14日に米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長の講演、9月の米小売売上高の発表が予定されている。

  7日発表の9月の米雇用統計では雇用の伸びが市場予想を下回った。市場では11月の米利上げ観測が後退した一方、12月の米利上げ観測は維持されている。金利先物市場動向に基づくブルームバーグの算出では、12月の米利上げ予想確率は68%と、雇用統計が発表される前日の6日時点の64%から小幅上昇。11月の確率は24%から17%に低下した。

  上田ハーロー外貨保証金事業部の小野直人氏は、米雇用統計は悲観する内容でもなく、市場は12月の米利上げを「たんたんと織り込もうとしている」と解説。ドル売り材料が限られる中で、ドル・円は103円台で底堅く推移する可能性が高いと指摘した。

  9日夜の米大統領候補による第2回テレビ討論会後にCNN・ORCが実施した世論調査によれば、クリントン氏が勝利したと視聴者の57%が回答、共和党のトランプ氏勝利の回答は34%だった。ライアン米下院議長は10日の共和党下院幹部会でトランプ氏を擁護しないと発言した。トランプ氏劣勢との見方や原油価格の上昇を背景にメキシコ・ペソは10日に対ドルで2%上昇し、約1カ月ぶり高値を付けた。

トランプ候補とクリントン候補

Photographer: Daniel Acker/Bloomberg

 
  三菱UFJモルガン・スタンレー証券の植野大作チーフ為替ストラテジストは、ドル・円はいったん買い戻しの流れにはまっている感があり、105円台もあり得るが、クリントン氏の勝利が確定したわけではなく、「米大統領選絡みのもやもや感」がある中で「目立って上値が軽くなるという雰囲気でも今のところはない」と指摘。テクニカル的にも長期トレンドがまだ下向きで一方的に買い進まれるような状況でなく、需給的にも105円を超えてくると売り遅れていた輸出企業のドル売りが上値を抑えるだろうと語った。

  ブルームバーグのドルスポット指数は前日比0.3%上昇。ユーロ・ドル相場は一時1ユーロ=1.1118ドルと2営業日ぶりの水準までユーロ売り・ドル買いが進んだ。

  一方、オーストラリア・ドルは8月の豪住宅ローンの下振れを受け、対ドルで9月21日以来の水準に下落。ニュージーランド・ドルはNZ準備銀行のマクダーモット総裁補佐が追加緩和の必要性を示唆したことを受け、一時1.1%下げて7月27日以来の安値を付けた。

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