8月経常収支は2兆8億円の黒字、貿易収支が黒字に-予想上回る

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モノやサービスを含む海外との総合的な取引を示す経常収支は、8月速報で26カ月連続の黒字となった。原油安を背景に貿易収支が前年同月比で黒字転化し、市場予想を上回った。

  財務省が11日発表した国際収支統計によると、経常収支は2兆8億円の黒字。前年同月比で23.1%増加した。前月は1兆9382億円。ブルームバーグの調査による予想中央値は1兆5027億円の黒字だった。

  輸出額は9.6 %減の5兆3019億円、輸入額は18.3%減の5兆587億円で、貿易収支は2432億円の黒字となった。貿易黒字は7カ月連続。また、海外配当金や債券利子などの第一次所得収支は2.8%減の1兆9853億円と6カ月連続で減少した。

金融収支の対外直接投資は大幅減

  同時に公表した8月の金融収支は対外直接投資が1兆4072億円の資産減(回収超)となった。同省は「日本企業による海外子会社から株式資本の回収などがみられ、回収超となった」と説明している。対外直接投資の資産減は2006年2月(952億円の回収超)以来。

  SMBC日興証券の宮前耕也シニアエコノミストは6日付のリポートで8月に大手通信会社が大型買収に備えて海外子会社から2兆円を超える配当金を受け取った影響が経常収支に出る可能性を指摘していたが、結果的には金融収支への計上となった。宮前氏は発表後のリポ-トで、今回の例は「 資本の回収が起きたと判断された」とみている。

   ソフトバンクグループは8月、英半導体設計アーム・ホールディングスの買収資金として海外の完全子会社、SBチャイナから配当を約2.3兆円受け取っていた。

(第4段落以降に金融収支の対外直接投資の説明を追加します.)
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