【債券週間展望】長期金利上昇か、30年債入札や米雇用統計に警戒感

  • 米利上げ観測が上値を抑える半面、積極的な売り手もない-岡三証
  • 30年債入札に注目、利回り0.6%程度がめど-三井住友アセット

来週の債券市場で長期金利は上昇が予想されている。利回り曲線にスティープ(傾斜)化圧力が掛かる中で行われる30年債入札に不安があることや、日本時間今夜に発表される米国雇用統計を受けた米長期金利の上昇に対する警戒感が背景にある。

  長期金利の指標となる新発10年物国債利回りは4日、一時マイナス0.055%と1週間ぶりの水準に上昇した。同日実施の10年債入札が予想を上回ると買いが優勢となり、マイナス0.075%まで下げた。その後はマイナス0.06%付近でもみ合いとなった。超長期債は軟調推移が続いて新発20年債利回りは0.395%、新発30年債利回りは0.505%と、ともに9月下旬の水準まで上昇した。

  三井住友アセットマネジメントの深代潤債券運用グループ理事兼副ヘッドは、「来週はそんなに大きく動くイメージではない」としながらも、「今晩発表の米雇用統計次第。結果を受けて米利上げの確度が多少は上がってくる可能性がある」と述べた。

  9月の米雇用統計について、ブルームバーグの調査では非農業部門雇用者数は17万2000人増となる見通し。8月は15万1000人増だが、過去3カ月平均は23万2000人の増加。2016年に入ってからは平均18万人超の増加となる。米10年物国債利回りは早期利上げ観測を警戒して、1.7%台半ばと約1カ月ぶりの水準まで売られている。

  SMBCフレンド証券の岩下真理チーフマーケットエコノミストは、「8月の弱さからのリバイスと合わせて3カ月平均で15万人超であれば十分。全員一致で利上げを決めたいならインフレ指標の改善が必要。賃金の上昇が確認できれば、米10年債利回り上昇、ドル高基調は続く」と予想する。

30年債入札

  30年債入札は、利回り水準が0.5%程度に上昇しているものの、スティープ化基調が続く中、投資家需要を確認する試金石となる。今回は52回債のリオープン発行となり、表面利率は0.5%に据え置きとなる見込み。

財務省

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg
12日30年利付国債の価格競争入札発行予定額は8000億円程度
14日5年利付国債の価格競争入札発行予定額は2兆4000億円程度

  
  岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジストは、30年債入札について、「無難な結果を予想している。0.5%から札が流れても押し目買いに支えられるだろう」と予想する。「日銀の新たな金融政策は国債買い入れが縮小方向に向いているのかもしれないが、目先は大幅な量の縮小もない。取り立てて需給が悪化してイールドカーブが立つようなことは想定していない」と述べた。

市場関係者の見方

*T
◎メリルリンチ日本証券の大崎秀一チーフ金利ストラテジスト
*30年債入札が注目。利回りが9月の会合当時の0.5%程度。投資家需要出てくるか見極め
*米雇用統計を受けて米利上げ観測が盛り上がると、金利は内外で上昇しやすくなる。国内金利が上昇した場合、日銀がつぶすのかどうか焦点
*長期金利の予想レンジはマイナス0.10%~マイナス0.04%

◎岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジスト
*今晩の雇用統計次第。大きな流れは変わらないとみる
*米利上げ観測が上値を抑える半面、積極的な売り手もない
*長期金利の予想レンジはマイナス0.10%~マイナス0.03%

◎三井住友アセットマネジメントの深代潤債券運用グループ理事兼副ヘッド
*世界的にスティープ化が意識される中、日銀姿勢を反映した均衡イールドカーブを探る
*30年入札は超長期の水準をどういう風に意識していくのかというところ。利回り0.6%めど
*長期金利の予想レンジはマイナス0.10%~マイナス0.02%
*T

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