【日本株週間展望】小幅続伸、米経済好調と円安でリスク志向強まる

  • 輸出関連株が上昇けん引、日経平均は1カ月ぶり1万7000円台回復へ
  • アルコア皮切りに米企業決算シーズン、日本も小売企業が相次ぐ

10月2週(11ー14日)の日本株は続伸する見込み。米国の経済堅調を背景に米長期金利が上昇、ドル・円相場の先高観が強まり、企業業績に対する過度な不安は後退した。投資家のリスク許容度改善で輸出や素材など海外景気敏感株が買われるほか、金利上昇で銀行など金融セクターにも見直し買いが続く見通し。

東証

Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

  米経済の先行き楽観論が広がり、9月最終週に1ドル=100円近辺だったドル・円相場は、6日の海外市場で一時104円台まで上昇した。大和証券の鈴木政博シニアクオンツアナリストによると、アナリストの業績予想を指数化したリビジョンインデックスはマイナス10.4%と前週のマイナス18.3%から大きく改善した。輸送用機器や電気機器を含む加工組立セクターで上方修正が優位なことが寄与しており、「円安方向、国際原油市況の上昇、米長期金利上昇などがサポート要因」という。

bloomberg

  日本株相場は堅調なものの、上値は重そうだ。明治安田アセットマネジメントの杉山修司チーフストラテジストは、安倍政権の現状の政策は企業が余剰人員を解雇しやすくする労働市場改革を期待する海外勢と温度差があるため「海外勢による上値追いは望みにくい」と指摘した。第1週のTOPIXは週間で2.1%高と反発、6日には1360.20と4カ月ぶり高値を付けた。日経平均は前週比2.5%高。
 
  第2週は米で11日のアルコアを皮切りに企業の四半期決算の発表が本格化する。国内では12日に8月の機械受注、11日に9月の景気ウオッチャー調査が発表される。景気ウオッチャーについては現状判断DIが45.8%、先行き判断DIが48.0%と、前回の45.6%と47.4%から小幅な改善が見込まれている。小売企業の四半期決算の発表は終盤戦。11日にユニー・ファミリーマートホールディングス、12日にローソン、13日にファーストリテイリングが予定されている。13日にはソニーが仮想現実端末「プレイステーションVR」を発売、クリスマス商戦が始まる。

ソニーの「プレイステーションVR」のニュースはこちらをご覧下さい

≪市場関係者の見方≫

ニッセイアセットマネジメントの久保功株式ストラテジスト
  「基本的にはリスクオンの流れになっており、日本株は高値圏にある米国株に追いつく動きを強めそう。ただ、欧州のテーパリング、米利上げ期待の急激な高まりなどへの警戒感は残るため、上値は重い。日経平均が4月高値(1万7613円)を目指すような力強い展開にはならないとみている」

明治安田アセットマネジメントの杉山修司チーフストラテジスト
  「ドル・円は今週レジスタンスラインを上抜け、1月以降の円高局面が終了した。米大統領選に向け新たな円安局面になるとみられる。高値圏にある米ダウ工業株30種平均などと比べ日本株に出遅れ感があり、輸出関連株中心に買われそう。労働市場改革をめぐり海外勢の期待と実際の政策に距離があるため上値追いは期待薄。日経平均の上昇めどは5月の高値1万7251円」

SBIアセットマネジメントの関谷明広運用部長
  「米景気は弱くないが、生産性の改善が進まない状況で回復は緩やか。マーケットは米景気のポジティブな側面を捉えようとしており、ドル高の動きは日本株にプラスだ。日本企業の7-9月業績は良くないものの、1ドル=100円までの円高はいったん織り込んだ。さらにネガティブサプライズが出てくるとは予想しづらい」

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