ドル・円が103円台後半、米雇用統計控え上昇一服-ポンド急落

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  • 時間給含め強い結果なら、105円台回復もあるだろう-上田ハーロー
  • ポンド・ドルは1985年3月以来の安値

7日の東京外国為替市場ではドル・円相場が前日に付けた1カ月ぶり高値から小幅反落。米雇用統計の発表を控えて、年内の米利上げ観測を背景としたドルの上昇が一服した。一方、英国の欧州連合(EU)離脱の影響に対する懸念が強まる中、朝方にはポンドが急落する場面があった。

  午後3時21分現在のドル・円相場は前日比0.1%安の103円87銭前後。前日の海外市場では米債利回りの上昇を背景に一時104円16銭と9月2日以来の水準までドル高・円安が進行。東京市場に入ってからは徐々にドル売り・円買いが優勢となり、一時は103円54銭まで値を下げた。

  みずほ証券投資情報部の鈴木健吾チーフFXストラテジストは、ドル・円は直近安値を付けてから8連騰しているため、「米雇用統計を前に調整が少し入っている感じ」と説明。「日本株も安いし、Brexit(英国のEU離脱)が多少意識されてきている」と言い、リスク回避の面もあると語った。

  上田ハーロー外貨保証金事業部の小野直人氏は、米雇用統計は米経済や年内利上げに対する期待感を持たせる予想になっており、足元の新規失業保険申請件数のすう勢から判断すれば、「よほどのサプライズでもない限り悪い結果にはなりづらいだろう」と予想。時間給も含めて強い結果なら、「ドル・円は105円台回復もあるだろう」と指摘する。

  ブルームバーグがまとめたエコノミスト調査によれば、9月の米雇用統計で非農業部門雇用者数は前月比17万2000人の増加が見込まれている。8月は15万1000人増だった。失業率は前月と同じ4.9%の見通し。平均時給は前月比0.3%増と8月の0.1%増から伸びが加速すると予想されている。

  ドル・円は先月27日に1カ月ぶり安値の100円09銭を付けて以来、今月6日まで8営業日連続の上昇を記録。ドイツ銀行の法的費用をめぐる懸念の後退や産油国による減産合意を受けた原油相場の上昇で投資家のリスクセンチメントが改善したところに、米供給管理協会(ISM)が発表した製造業と非製造業の景況指数が予想を上回ったのを受けて、米国の年内利上げ観測が高まった。

  金利先物市場動向に基づくブルームバーグの算出では、年内の米利上げ予想確率は64%と先週初めの51%から上昇。11月の確率も17%から24%に上昇している。

  外為どっとコム総合研究所の石川久美子研究員は、米雇用統計については「予想を下回ったからといって10万人を割り込むような事態でなければ、それほど失望のドル・円急落で例えば100円を割るような流れにはならない」と予想。一方で、今の時点で米大統領選の行く末を判断できない以上、「20万人を超えたからといって、なかなか11月利上げという話にはならないので、105円を超えて新たなドル高・円安トレンドを作っていくのは難しい」と指摘した。

  米国ではこの日、米連邦準備制度理事会(FRB)のフィッシャー副議長とブレイナード理事、クリーブランドとカンザスシティーの各連銀総裁が講演する。9日には米大統領選で第2回討論会が行われる。

  ノムラ・インターナショナルの後藤祐二郎シニアFXストラテジスト(ロンドン在勤)は「トランプ氏の可能性は低下傾向にあるので、そんなに大きく下がるとは思わないが、利食いインセンティブは若干あるのではないか」と言い、討論会を前にドル・円に多少の調整が入ることはあり得ると話していた。

  浅川財務官が記者団に語ったところによると、主要20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議では為替の話は出なかった。ワシントンではG20会議に続き、国際通貨基金(IMF)・世界銀行の年次総会が9日まで行われる。

  ブルームバーグのデータによると、ポンドは朝方に一時6.1%安の1ポンド=1.1841ドルと1985年3月以来の水準まで急落。市場では、オランド仏大統領が英国との離脱交渉に強硬姿勢で臨むよう呼び掛けたとの英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)の報道がポンド急落のきっかけになったとの指摘が聞かれた。

英国紙幣

Photographer: Simon Dawson/Bloomberg

  三菱UFJ信託銀行ファンド営業課課長の酒井聡彦氏は、「FTのオランドの話を言う人もいるが、急に出てきた話でもないと思う。ドル・円やユーロ・ドルが動いておらず、ユーロ・ポンドやポンド・ドルだけが動いているところをみると、恐らくそうした形のペアのミスヒット、あるいはストップ、オプション絡みのフローではないか」と語った。

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