ドイツ銀、モンテ・パスキ以外の37件融資で会計調整-検査が示す

更新日時
  • 独連邦金融監督庁が委託した検査で会計上の調整が明らかになった
  • ドイツ銀は13年に簿外融資をデリバティブに変える調整を行った

ドイツ最大の銀行であるドイツ銀行は、イタリアの銀行モンテ・デイ・パスキ・ディ・シエナの損失隠しのために共謀した刑事責任を問われイタリアで起訴されたが、同行以外の取引についても会計の調整が行われていたことが、ドイツ連邦金融監督庁(BaFin)が委託した検査で明らかになった。

  ブルームバーグが検査結果を文書で確認したところでは、ドイツ銀の幹部らは、モンテ・パスキのケースに類似する103件の契約(総額105億ユーロ=約1兆2170億円相当)を30の顧客との間で締結。ドイツ銀はこのうちの37件について、モンテ・パスキとの契約と同じように2013年に簿外融資をデリバティブ(金融派生商品)に変える会計上の調整を行った。

モンテ・パスキ銀行

Photographer: Alberto Bernasconi/Bloomberg

  検査結果によれば、「粉飾会計」のために利用されたのは、モンテ・パスキのケースだけだが、ドイツ銀は08年から10年にかけてイタリアやインドネシアの銀行と締結した類似の契約で正しい会計報告を怠った。ドイツ銀の上級幹部らは「サントリーニ」と呼ばれるモンテ・パスキとの仕組み取引の承認を適切に行わず、米連邦準備制度から12年に情報提供を命じられた後も十分な見直しを実施しなかったという。

  ドイツ銀の広報担当エイドリアン・コックス氏は「幾つかのいわゆるエンハンスト・レポ取引について13年9月の段階で当行は会計報告手法の再分類を行ったが、ドイツ銀がこれまでに公表した利益に影響はない。これらの取引がエンハンスト・レポであるという事実は、モンテ・パスキの特定の事例との関連を推測することを正当化しない」と電子メールでコメントした。

  ドイツ銀本体と同行の金利グローバル責任者を当時務めていたミケーレ・ファイソーラ氏や、グローバル資本市場の共同責任者だったアイバー・ダンバー氏を含む現職および元幹部6人が、2008年のモンテ・パスキとの取引をめぐり1日にミラノの裁判所で起訴された。アンシュー・ジェイン前共同最高経営責任者(CEO)の側近だった2人はいずれも退職している。ブルームバーグの取材に対し、ファイソーラ氏はコメントを控えており、ダンバー氏に電話でメッセージを残したがこれまでのところ返答はない。

  ケプラー・シュブルーのアナリスト、ジャックアンリ・ゴラール氏(ロンドン在勤)は9月29日の顧客向けリポートで、ドイツ銀の最も複雑な取引の一部について、「いつ事故が起きてもおかしくない」という観測が投資家を動揺させていると指摘。ドイツ銀は評価が最も難しい「レベル3」資産を約290億ユーロ相当保有しているが、現在の株式時価総額は約160億ユーロとこれを下回っている。

原題:Deutsche Bank Mismarked 37 Loans Like Monte Paschi’s, Audit Says(抜粋)

(ドイツ銀広報のコメントなどを追加して更新します.)
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