ドル・円は103円台半ば、年内米利上げ観測が支え-米雇用統計見極め

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  • 原油高でリスクオン、米指標改善しFRB高官タカ派発言も-大和証
  • 米雇用統計発表を控えて利上げが可能なのか見極めたい-SBI証

6日の東京外国為替市場では、ドル・円相場が1ドル=103円台半ばで底堅く推移。経済指標の改善を受けた米国の年内利上げ観測が相場を支えた。

  午後3時53分現在のドル・円相場は前日終値比0.1%高の103円55銭前後。午後に入って一時103円65銭まで円安・ドル高が進む場面があった。前日のニューヨーク市場では一時103円67銭と9月6日以来のドル高値を付けた。

  SBI証券市場金融部の相馬勉部長は、ドル・円の上昇基調に関して、「米利上げをめぐる発言が1番大きい。また日銀が10年債利回りの目標をゼロ%近辺にして金利が固まり、為替相場は動きやすくなった。原油価格も上昇している。今のところは米利上げ観測でリスクオンという感じ」と説明した。もっとも「一方向に上がっていくわけでもない。あすの米雇用統計発表を控えて利上げが可能なのかを見極めたい」とも語った。

  米労働統計局は7日、9月の雇用統計を発表する。ブルームバーグが実施した事前調査によると、非農業部門雇用者数は前月比17万2000人増加が見込まれている。8月は15万1000人増加だった。

  三井住友銀行市場営業部NYトレーディンググループのグループ長の柳谷政人氏は、米雇用統計について、「ADPの数字をベースにすると、ちょっと不安」としながらも、「失業保険統計などをみると強めだったので、それをベースにすると良さそうだ」と分析した。

  米給与明細書作成代行会社のADPリサーチ・インスティテュートが5日発表した給与名簿に基づく集計調査によると、9月の米民間部門の雇用者数は15万4000人増加となった。市場予想中央値は16万5000人増加だった。

  一方、米供給管理協会(ISM)が同日発表した9月の非製造業総合景況指数は57.1と市場予想の53を上回り、昨年10月以来の高水準となった。 国勢調査局による8月の製造業受注と耐久財受注も市場予想を上回って増加した。ドル・円はこうした経済指標の発表を受けて7営業日続伸となった。

  大和証券の亀岡裕次チーフ為替アナリストは、相場の動きについて、ドル高と円安の両方の要因があると指摘。「石油輸出国機構(OPEC)減産合意で原油価格が上昇しリスクオンの円安。クロス・円も全般的に強い。円ロングも減っていると思う。また米金利上昇によるドル高もある。米経済指標が改善し、連邦準備制度理事会(FRB)当局者からのタカ派的な発言が目立つ」と語った。

  主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は5日、9月21日以来の水準となる1193.30まで上昇した。

ドル紙幣と円紙幣

Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

  米利上げをめぐっては、FRB高官からも強気の発言が相次いだ。リッチモンド連銀のラッカー総裁は5日のウェストバージニア州での講演後の質疑応答で、「インフレ目標に近づきつつあり利上げが正当化される」と発言。またフィッシャーFRB副議長は同日講演し、超低金利は必ずしも続かないと指摘した。

  

  ただ、市場関係者からは、ドル・円の一段の上昇に慎重な声も上がっていた。上田ハーロー外貨保証金事業部の小野直人氏は、「ドル・円の上昇が短期ショート勢の踏み上げが中心で、上値をどこまで広げられるかは不透明。7連騰中で、相場の流れに変化が起こりやすいとされる9日目がちょうど米雇用統計と重なるため、週末にかけての警戒は怠れない」とリポートで指摘した。

欧州通貨

  ポンド・ドル相場は同時刻現在1ポンド=1.2716ドル前後。前日は英国の欧州連合(EU)離脱懸念の再燃を背景に一時1.2686ドルまで下落し、1985年6月以来のポンド安値を更新した。

  SBI証の相馬氏は、プラザ合意のあった85年以来の安値を記録したポンドについて、「サポート水準を割った達成感からいったんは戻るだろうが、ポンドを売りたい人は多いだろう。来年3月までの英国のEU離脱通告に加えて、米利上げで金利が上がるのであれば、ドルが上昇するので、ポンド売りという方向感が出てきている」と語った。

  ユーロ・ドル相場は同時刻現在、1ユーロ=1.1195ドル前後で推移している。

  大和証の亀岡氏は、「ECBテーパリングの話などが出て、ドイツなど欧州金利の上昇につながっている。ただ、米金利も上昇しており、欧州と米国の金利差はあまり変わっていないので、大きくユーロ高に振れていない。ポンド安はユーロの圧迫要因だが、英国株は上昇している。ユーロ売りに波及する感じではない」と語った。

  ブルームバーグがユーロ圏の複数の中央銀行当局者の話を基に報じたところによると、ECBは量的緩和プログラムの終了が決まれば、資産買い入れのテーパリングが必要になるとの非公式のコンセンサスがこの1カ月に政策担当者の間で形成されたもよう。

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