7&iHD株、3カ月ぶり下落率-百貨店譲渡など構造改革も評価割れ

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  • 営業利益の目標は20年2月期に4500億円、今期見通し3530億円
  • ゴールドマンは投資推奨を「中立」へ引き下げ、野村「買い」維持

セブン&アイ・ホールディングスは関西圏の百貨店3店舗の譲渡などの構造改革を含む中期3カ年計画を6日、発表した。井阪隆一社長が率いる新たな経営体制の下、中長期的な企業価値向上と持続的な成長の実現を目指す。7日の株価は一時3カ月ぶりの下落率を付けた。

  井阪社長は6日の会見で「経営体制が変わるのは25年ぶり、セブン-イレブン・ジャパンでは43年ぶりのこと。その中で変えてはいけないことはしっかり守る。一方で、変えなくていけないことは100日間掛けて計画を練り上げた」と話した。

井阪社長(6日の決算会見)

Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

  発表によると、関西で百貨店を経営するエイチ・ツー・オーリテイリングの発行済み株式総数の3%相当額(5日終値を基にすると約57億円)の株式を相互に持ち合うことで、両社は協議する。そごう神戸店、西武高槻店、そごう西神店はH2Oリテが受け継ぐ。

選択と集中

  発表文書によると、百貨店事業では「地域一番店を持つこと」に意味があるとして、「エリア・業態の『選択と集中』を進め、百貨店の経営資源を基幹店などに集中」させるとしている。

  ゴールドマン・サックス証券の河野祥アナリストらは7日付リポートで、計画に総合スーパー事業のさらなる店舗閉鎖や早期退職募集などが含まれず、改善を見込むのは「時期尚早」などとして投資推奨を「買い」から「中立」へと引き下げた。一方、「買い」推奨を維持した野村証券の正田雅史アナリストは「意外に早い他社協業を評価」と6日付リポートで述べた。

  7&iHD株は7日午前の取引で一時、前日終値比3.6%安となり、6月24日以来の日中下落率となった。午前9時55分現在、同2.9%安の4688円で取引されている。TOPIX株価指数は同0.2%安。H2Oリテは一時、2月25日以来の日中上昇率となる同5.2%高を付けた後、4.7%高で取引されている。

北米でコンビニ買収も

  オムニチャネル戦略は見直し、コンビニ事業では北米で買収も検討する。営業利益の目標は2020年2月期に4500億円(17年2月期目標は3530億円)、同期に株主資本に対するリターンを示す自己資本利益率(ROE)10%達成を目指す。

  7&iHDは前期(16年2月期)の売上高で総合スーパー事業がコンビニに次ぐ34%を占める一方、営業利益では2%にとどまる。事業の多角化を目的に進出し、売上高の15%を占める百貨店は営業利益への貢献度はわずか1%。営業利益の8割超をたたき出すコンビニ事業への依存度が高く、収益性が低い事業や赤字事業の立て直しが課題となっている。

  いつでもどこでも買い物ができる環境を提供するオムニチャネル戦略は、従来のネット通販サイト中心から顧客視点の仕組みに見直す。グループ各社共通のポイントプログラムを新たに稼働させるほか、スマホ用にグループ各社のアプリケーションを開発し、パーソナル・マーケティングの手法を取り入れる。

不動産再生計画

  低採算のスーパーストア事業ではイトーヨーカ堂を20年までに40店舗閉鎖する計画だが、一方で首都圏で駅から近い店舗を多く構えるなどの立地優位性を生かし、不動産再生計画を始め、収益率の向上を目指す。

  井阪社長は会見で、総合スーパーとしての「再生が難しくても、お年寄り用の住居やほかの商業施設として価値がある可能性もある。外部デベロッパーの知恵も借りていく」と述べた。今期中に不動産再開発の新会社を設立する考えを明らかにした。

  JPモルガン証券の村田大郎アナリストは電話取材で、スーパーの不動産活用について「前向き」だと評価した。また、不動産を資産として売却することも可能だと指摘した。

  今期(17年2月期)6-8月期決算も発表。営業利益は前年同期比10%増の1000億円だった。アナリスト3人による予想平均は953億円だった。連結業績予想は9月30日に純利益を当初の半分以下の800億円に下方修正しており、6日は据え置いた。

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