IMF:金融セクター除く世界の債務残高、1京5640兆円に拡大

  • 世界のGDPの225%と過去最大に膨らんだと警告-財政モニター
  • 低成長が債務圧縮を妨げ、過剰債務が景気減速を悪化させる悪循環も

金融危機から8年後の現在、金融セクターを除く世界の債務残高はかつてない規模に膨らんでいる。

  国際通貨基金(IMF)は5日、半年に1度の財政モニター報告を公表し、政府や非金融会社、家計が抱える2015年の総債務残高が名目ベースで152兆ドル(約1京5640兆円)と今世紀初めの2倍余りに達し、まだ増え続けていると指摘した。

  これは、世界の国内総生産(GDP)の225%に相当する過去最大の水準で、約3分の2が民間部門の債務。残りは公的債務で世界のGDPの85%と、同70%未満だった今世紀初めから増加した。

  世界的な低成長で借金の返済が困難になり、「成長鈍化が債務圧縮を妨げ、過剰債務が景気減速を悪化させるという悪循環につながる」とIMFは分析している。

  IMFの財政問題担当トップ、ビトル・ガスパール氏は「民間の過剰債務は世界経済の回復への主な逆風であり、金融の安定性へのリスクだ」とした上で、「過去を振り返ると、好況時には民間債務に関連したリスクはいとも簡単に過小評価されることが分かる」とコメントした。

頭痛の種

  中央銀行による景気てこいれ策の効力が弱まり、財政政策を使って成長を押し上げるよう求められている各国・地域の政策当局者にとって、多額の債務残高は事態を複雑にするものだ。

  民間債務は先進国、および世界の金融システムにとって重要と考えられている中国、ブラジルなど幾つかの新興大国で高水準にある。

  IMFによれば、どの程度の債務・GDP比率が警戒水準と考えられるのか、見解の一致はない。ただ先進国、新興市場国のいずれも金融危機と民間の過剰債務との関連性は高い傾向にある。さらに、危機が回避されたとしても、多額の債務残高と成長鈍化が関連していることを示す研究結果もある。

  民間企業が債務返済を遅らせれば、「ショックに非常に敏感となり、急激な債務圧縮のプロセスのリスクが高まる」とする一方で、銀行システムが脆弱(ぜいじゃく)で景気が落ち込んでいる国・地域は財政政策の拙速な引き締めを避けるべきだ、とIMFは論じている。

  IMFは債務圧縮が特に重要とされる国・地域としてユーロ圏と中国を挙げた。

原題:A Record $152 Trillion in Global Debt Unnerves IMF Officials(抜粋)

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE