ドイツ銀「ベイルイン」適用除外も-メルケル氏感染リスク懸念か

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  • 民間投資家に損失の負担を強いれば感染を招く恐れ
  • ベイルインのルールに従わないことを指導者らが決断する可能性も

ドイツ最大の銀行であるドイツ銀行への政府支援の臆測についていえば、メルケル首相にうまい答えはない。

  納税者負担を伴わずに銀行危機を食い止める欧州連合(EU)の新たなルールづくりを何年も主導してきたメルケル首相が、ドイツ銀への国庫補助の可能性を排除すると受け止められるかもしれない。しかし、それが総選挙を来年に控えた政治的方便だとしても、首相は可能性を否定していない。

メルケル独首相

Photographer: Krisztian Bocsi/Bloomberg

  銀行の苦境と向き合うメルケル首相やEUの他の指導者らは、ジレンマに直面している。ドイツ銀のような巨大金融機関は感染のリスクが存在するため、民間投資家に損失負担を強いるベイルインという最大の武器をメルケル氏は活用しない考えのようだ。「大き過ぎてつぶせない銀行」をめぐるEU全体の解決策について、主に同じ理由から政策担当者の迷いが深まっている。

  マニュライフ・アセット・マネジメントのチーフエコノミスト、ミーガン・グリーン氏は「ドイツ銀が万が一破綻した場合、一連のベイルインが実施される可能性が十分あるが、ドイツの経済と金融システムだけでなく欧州全体の金融システムにも影響が及ぶだろう。ベイルインのルールに従わないことを指導者らが最終的に決断することもあり得るだろう」と指摘した。

  この問題で沈黙を守る多くの正当な理由がメルケル首相にあることは言うまでもない。ドイツ銀の支援を約束しても、政治的に得るものは何もない。首相の盟友であるハンス・ミッヘルバッハ氏がはっきり言っているように、救済は「世論の激しい反発を招く」だろう。

  メルケル氏はこれまで、大き過ぎてつぶせない銀行の救済費用の負担から納税者を守るためにEUが導入した銀行破綻処理に関する「銀行再建・破綻処理指令(BRRD)」を擁護する立場を貫いてきた。イタリアのレンツィ首相が銀行を支える手段を今夏探っていた時も、メルケル氏はルールを守るべきだと主張し、「1年おきに全てを最初からやり直すことはできない」と述べた。だが今や立場は逆転している。

原題:Deutsche Bank Brings Too-Big-to-Fail Conundrum Home to Merkel(抜粋)

(メルケル首相のジレンマについて背景を追加して更新します.)
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