ドル・円が一時103円台乗せ、年内の米利上げ観測で-ポンド安値更新

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  • 欧州時間にかけ一時103円01銭と9月14日以来の高値更新
  • 米シカゴ連銀総裁発言、11月の利上げに若干プラス-外為どっとコム

5日の東京外国為替市場では、ドル・円相場が一時9月14日以来となる1ドル=103円台に乗せる場面があった。年内の米利上げ観測を背景にドル買い圧力が掛かった前日の海外市場の流れが継続した。

  午後4時10分現在のドル・円相場は前日終値比0.1%安の102円79銭。午前に102円67銭まで下げた後は値を戻し、欧州時間にかけて一時103円01銭と9月14日以来のドル高値を更新した。

  米シカゴ連銀のエバンス総裁は5日の講演で、米金融当局が年内に利上げすると予想し、その後の行動に必要な条件に関してより明確な意思伝達が望ましいとの見解を示した。

  外為どっとコム総合研究所の石川久美子研究員は、「エバンス総裁はもともとハト派だが、11月の利上げに若干プラスの発言と捉えられ目を引いた」と説明。ただ、「今年は投票権がないので弱い」と語った。

  ユーロ圏の複数の中央銀行当局者によると、欧州中央銀行(ECB)は量的緩和プログラムの終了が決まれば、資産買い入れのテーパリング(段階的な縮小)が必要になるとの非公式のコンセンサスがこの1カ月に政策担当者の間で形成されたという。

ドル紙幣とユーロ通貨

Photographer: Chris Ratcliffe/Bloomberg

  野村証券の池田雄之輔チーフ為替ストラテジストは、海外市場でのドル・円の上昇について「米連銀総裁発言やECBテーパリング報道などが材料になったと言われている。ラッカー総裁発言に反応しているとは思えないが、ECBテーパリング報道は不意打ちで海外の金利上昇につながった」と説明。次のドル・円の上値めどは103円25銭~103円50銭程度になるとし、「このレンジでもみ合って上抜ければ一気に105円が見えてくると思う」と語った。

  リッチモンド連銀のラッカー総裁は4日の講演で、インフレ加速の可能性を阻止するために利上げを強く求めた。インフレが加速すると、後になって大幅な利上げを余儀なくされるだろうと指摘した。

  ユーロ・ドル相場は同時刻現在、前日比0.2%高の1ユーロ=1.1223ドル前後。前日には一時1.1138ドルまでユーロ安・ドル高が進んだが、その後ECB関連の報道を受けて反発し、1.1239ドルまで値を戻す場面もあった。

  外為どっとコム総研の石川氏は、同報道について「2017年3月が期限の量的緩和が延長されないのならテーパリングという話で、延長の可能性も指摘されている。ユーロ売りが優勢だったのでいったんポジション調整の材料にはなったが、継続性に欠ける材料。すぐにテーパリングになるとは思わない」と語った。

  米大統領選挙の民主、共和両党の副大統領候補によるテレビ討論会が4日夜(日本時間5日午前)、バージニア州で行われたが、為替相場への影響は限定的だった。

  米国では9月の供給管理協会(ISM)非製造業景況指数、ADP雇用統計の発表が予定されている。ブルームバーグがまとめた市場予想では、ISM非製造業景況指数は53.0と8月の51.4から上昇する見通し。前月17.7万人増だった民間雇用者数は16.5万人増が見込まれている。

  野村証の池田氏は、ISM非製造業指数について「前回悪かったので、9月分も悪いと12月利上げできないとの見方になってくるので影響が出るだろう。これまで大統領候補のトランプリスクで身動きが取れなかったが、トランプリスクが後退し、経済指標に反応しやすくなっている」と語った。

  ポンド・ドル相場は英国の欧州連合(EU)離脱懸念の再燃を背景に、1985年6月以来のポンド安値を更新。一時1ポンド=1.2686ドルまで下落し、同時刻現在は前日比0.2%安の1.2704ドル。

  ニュージーランド・ドルは対米ドルで下落。一時1NZドル=0.7168米ドルと8月15日以来の安値を付けた。外為どっとコム総研の石川氏は「ニュージーランド・ドルは、昨日の世界乳製品取引入札で価格指数がマイナスとなって売られたが、景気連動通貨で米株と連動して売られやすかった面もある」と指摘した。

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