SOMPO:エンデュランスを約6400億円で買収、米に本格進出

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  • 買収プレミアムは40%、「決して割高ではない」と櫻田CEO
  • SOMPOとしては最大の買収、海外の先進国市場を統括する考えも

SOMPOホールディングスは、米国で事業展開する損害保険会社エンデュランス・スペシャルティ・ホールディングスを約63億ドル(約6394億円)で買収することで、合意したと正式発表した。国内市場で人口減少が進む中、世界最大の保険市場である米国に本格進出するのが狙い。

  発表によると、買収条件は1株当たり93ドル(約9404円)で、株価純資産倍率(PBR)は1.36倍。買収プレミアムは約40.3%。SOMPOとしては過去最大規模の買収となり、手元資金を充てる。

  SOMPOは2014年に英キャノピアスを買収するなど海外事業の強化を進め、中期経営計画(16-20年度)でグローバルプレイヤーに伍していけるポジションの確立を進めている。櫻田謙悟グループCEOは5日の記者会見で、エンデュランス買収の狙いについて「これからも伸びる米国での元受け事業基盤を手に入れたい」と述べるとともに、「先進国市場で活動するため、チャーマン氏が率いる優秀な経営陣をグループに迎え入れ、事業の変革を図りたい」と強調した。

  エンデュランスのジョン・チャーマンCEOは、「現経営陣とともに今後5年間にわたって、その発展に向けて指揮を執るつもりだ」と語った。櫻田CEOは、海外の先進国市場を統括する会社を作る考えを明らかにした上で、「そこには極めて少ない意志決定者を置いて、CEOはチャーマン氏にやってもらいたい」との考えを示した。

買収価格

  買収価格について、櫻田氏は、M&Aでの株価プレミアムは最近の3-4割を参考にせざるを得ないとし、「買収目的の重要な1つである現経営陣にそのまま来てもらうため、コントロールプレミアムを考えると41-42%は決して割高ではない」と述べた。PBRも2を超える最近の例を考えると「合理的」とした。

  三菱UFJモルガン・スタンレー証券の石井祐貴アナリストは5日のリポートで、今回の買収について、のれんの償却額が利益額に対して大きな金額にはならない可能性が高いと分析し、「悪くない印象」と評価した。

  一方、ブルームバーグ・インテリジェンスのスティーブン・ラムアナリストは、株価プレミアムは平均レンジの高い方で決定しており、「日本の保険会社は値引き交渉がうまいとは思えない」との見方を示した。

海外比率27%に

  これまでの海外企業買収は英国のほかトルコ、マレーシア、ブラジルなどが対象となっており、今回の買収で国際分散が一段と進む。海外保険事業からの純利益は204億円(15年度)から519億円に拡大、グループ全体に占める海外比率も12%から27%に上昇し、海外展開が進んでいる東京海上ホールディングスへの追い上げを図る。

  櫻田氏は、英キャノピアスとエンデュアランスの市場重複について「キャノピアスはロイズ市場を通じ米国のリスクを引き受けているのに対し、エンデュアランスは直接そこに拠点を持っている」と指摘。「サービスの中身にも違いがあり、完全に重複はないとは言わないが、単純なオーバーラップはない」との認識を示した。

  エンデュランスは米同時多発テロ後の2001年12月に設立、米国、欧州、アジアで事業展開している。従業員は1154人。昨年はバミューダ籍の再保険会社モンペリエ・リ・ホールディングスを買収するなど、M&Aにより事業拡大してきた。農業保険の分野では全米5位で、元受事業や再保険事業を展開するスペシャルティ保険グループ。

  SOMPO株は5日の取引で、一時前日比3.4%高となり、前日比2.7%高の3052円で取引を終了した。

(記者会見の詳細を加えて、更新しました.)
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