【インサイト】モルガンSよおまえもか-クロスセルが銀行の地雷原に

  • クロスセルは大手銀行が長く頼ってきた戦略
  • ウェルズ・ファーゴに続きモルガン・スタンレーもつまずく

金融危機後の低金利とリスクテーク抑制による低収益環境でウォール街が頼ったのが「クロスセル」だった。

  しかしこの手法は先月、大打撃を被った。顧客に無断で口座を開設したとされる米銀ウェルズ・ファーゴのスキャンダルで、リテール顧客にさまざまな商品をクロスセル、つまり抱き合わせ販売しようという銀行の作戦が主因とされたからだ。

  問題はモルガン・スタンレーに飛び火した。マサチューセッツ州のガルビン州務長官はモルガン・スタンレー・スミスバーニーが「証券部門の顧客への銀行商品の抱き合わせ販売について非倫理的な競争」をさせていたとし、処分に向けた手続きを開始した。

マサチューセッツ州のガルビン州務長官

Photographer: Chris Kleponis/Bloomberg News.

  こうした展開の結果、「クロスセル」という言葉がバンカーの辞書から消えたのは驚くに当たらない。

  クロスセルをポジティブに捉えていたシティグループのマイク・コルバット最高経営責任者(CEO)の4月の株主総会でのスピーチや、バンク・オブ・アメリカのブルース・トンプソン最高財務責任者(CFO、当時)による昨年の発言から、状況は一変した。

  ウェルズ・ファーゴに続いてモルガン・スタンレーの問題が指摘されたことで、クロスセル慣行への監視はますます強まるに違いない。銀行がしていることが実際、言われるほどに悪辣(あくらつ)なのかどうかはともかくとして、銀行にとって既存顧客からできるかぎりの利益をしぼり出そうとすることの危険性が増したことは確かだ。
(マイケル・P・リーガン)

(このコラムは必ずしもブルームバーグ・エル・ピーおよびそのオーナーの意見を反映するものではありません)

原題:Wall Street’s New Dirty Words, ‘Cross’ and ‘Selling’: Gadfly(抜粋)

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