超長期債が安い、ECB緩和縮小めぐる観測で欧米債安-スティープ化

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  • 新発20年債利回り一時0.385%、新発30年債利回り0.495%に上昇
  • ECB観測、拡大一辺倒より後退という雰囲気-メリルリンチ日本証

債券市場では超長期債相場を中心に下落。欧州中央銀行(ECB)が量的緩和縮小を検討するとの観測を背景に、前日の欧州や米国債相場が下落した流れを引き継ぎ売りが優勢となった。来週の30年債入札に向けた売りも出て、利回り曲線はスティープ(傾斜)化圧力が掛かった。

  5日の現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の344回債利回りは、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値より1ベーシスポイント(bp)高いマイナス0.065%で開始し、いったんマイナス0.07%を付けた後、再びマイナス0.065%で推移した。新発20年物の158回債利回りは一時3.5bp高い0.385%と9月23日以来の水準に上昇した。新発30年物の52回債利回りは4bp高い0.495%、新発40年物の9回債利回りは4.5bp高い0.57%と、いずれも9月28日以来の高水準を付けた。

  メリルリンチ日本証券の大崎秀一チーフ金利ストラテストは、「海外で追加緩和期待が残っていた日銀が限界を連想させる枠組み修正に動いたことで、ECBも緩和持続のためにルールの変更必要との見方出やすい」とし、「今までの拡大一辺倒よりは後退という雰囲気になり、債券が売られやすい面ある」と指摘。その上で、「10年債は何となくレンジが分かったような感じだが、超長期はどこまで下がったら買い入れが減らされるかが分からない」と言い、「超長期債の買いにくさになっている」と説明した。

  長期国債先物市場で中心限月12月物は、前日比7銭安の152円03銭で取引を開始。いったん152円02銭まで下げた後は底堅く推移し、午後に入ると152円15銭まで水準を切り上げた。再び売られ、結局は4銭安の152円06銭で引けた。

黒田日銀総裁

Photographer: Buddhika Weerasinghe/Bloomberg

  日銀が実施した今月2回目となる長期国債買い入れオペの結果によると、残存期間「1年超3年以下」の応札倍率が前回から低下した。一方、「3年超5年以下」、「5年超10年超」、物価連動債は上昇した。超長期ゾーンは今回のオペの対象とならなかった。

  4日の米国債相場は下落。米10年債利回りは前日比6bp上昇の1.69%程度となった。ECBが量的緩和の期間終了前に段階的に買い入れを減らすとの報道が手掛かり。欧州債の指標とされるドイツ10年債利回りが約1カ月ぶりの大幅上昇となり、米国債も連れて安くなった。

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  みずほ証券の辻宏樹マーケットアナリストは、超長期ゾーンについて「海外金利の上昇と来週の30年入札に向けた調整圧力が相まって上値の重い展開が続く可能性がある。日銀会合日の前後の利回り水準も下回っている。イールドカーブはスティープ化しやすい」と話した。

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