米オクラホマ州に住むケンドール・グルエルさんは6週間前、欲しかった車を手に入れた。燃費が良く往復100マイル(約161キロメートル)の通勤で節約できるが、一つだけ気に食わない点があるという。「車をたまにちらっと見ると、ちょっと格好悪いと思う」。

  IT(情報技術)関連の職に就くグルエルさん(31)はトヨタ自動車のハイブリッド車「プリウス」最新モデルの長所と短所の両方を理解している。ガソリンの値下がりやピックアップトラックへのシフトに伴い米顧客のプリウス離れが進む中で、トヨタは評価が極端に分かれるデザイン変更を断行。日本ではヒットとなったが、15年12月に新モデルが投入された米国では販売低迷に歯止めをかけられないでいる。

プリウス最新モデル
プリウス最新モデル
Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

  米自動車業界コンサルティング会社、カーラブを率いるエリック・ノーブル氏はインタビューで、「このプリウスのデザインはゴテゴテして凝り過ぎている」と指摘。史上最悪のデザイン一つとしてしばしば取り上げられるスポーツ型多目的車(SUV)「ポンティアック・アズテック」に匹敵すると述べた。

  プリウスの今年1-8月期の米販売台数は9万3083台と、前年同期から26%減少。このペースで行けば今年はここ5年で最も少ない販売台数にとどまる見込み。

  「トヨタ」ブランドの米国セールス責任者ビル・フェイ氏はインタビューに応じ、同社がこのデザインを選んだのは環境保護論者だけでなく、一般の顧客にアピールするためだとした上で、多くの人に好まれていると述べた。

  日本では新型プリウスは人気を博しており、新車乗用車販売でトップに返り咲いた。このように日米でデザインの受け止め方が異なるのは文化の違いを反映している可能性がある。

  アートセンター・カレッジ・オブ・デザイン(カリフォルニア州)の大学院長、ジェフ・ウォードル氏は「トヨタは米国より日本の市場にアピールする『エンターテインメント』ないし『アニメ』デザインを選んだ」と指摘した。

原題:Toyota U.S. Buyers Shun Prius With Look Only Anime Fans Can Love(抜粋)

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