山口公明代表:マイナス金利は一般国民や金融機関に戸惑い

  • 新枠組みで日銀の政策手段に幅、活用してほしい-山口氏
  • 日本の批准で再交渉の余地を断つ-TPPで山口氏

公明党の山口那津男代表は、日本銀行が1月に導入を発表したマイナス金利政策は一般国民や民間金融機関に戸惑いをもたらしたとの認識を示した。

  山口氏は3日のインタビューで、マイナス金利政策について「当初はそれなりの効果が出た」としながらも、「現実に預金に依存する生活者の方々は打撃を被っているし、債券の運用中心に金融機関なども相当苦労している点はある」と指摘した。

山口那津男公表代表

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  日銀は9月の金融政策決定会合で、長短金利操作を行う「イールドカーブ・コントロール」と、物価上昇率が安定的に2%を超えるまでマネタリーベース拡大方針を継続する「オーバーシュート型コミットメント」を柱とする枠組みを導入した。

  山口氏は同決定について「マイナス金利のさまざまな影響を考えた上での対応」と分析。今後の緩和手段としてのマイナス金利の深掘りについては「日銀当局の判断を見守りたい」としながらも、9月の決定で「政策手段の幅を持ったことを生かしてもらいたい」と述べた。

  2%の物価安定目標が当初掲げた2年が経過しても達成できていないのは原油価格の下落が大きな要因と語り、食料(酒類を除く)とエネルギーを除く総合、いわゆるコアコアCPIは上昇していることを挙げ、黒田東彦総裁の下で進めてきた異次元緩和は一定の効果を挙げているとの認識を示した。

TPP

  9月26日に召集された臨時国会では環太平洋連携協定(TPP)承認案と関連法案が最大の焦点となっている。11月8日の米大統領選の有力候補である民主党のクリントン、共和党のトランプ両氏はいずれも反対する姿勢を示している。

  山口氏は政府・与党が今国会での成立を目指している理由について「日本が批准することによって再交渉の余地を断って効力の発生する条件を整える」ためと説明。それにより、「米国に責任を果たしてもらおうということだ」と語った。TPPの米での扱いは「米国の国家としての威信や信用も問われる」と指摘した。

  カジノを含む統合型リゾート(IR)推進法案に関して公明党内では「推進する人もいるが、慎重な意見も多い。その状況は変わっていない」と語った。今国会の審議については「日程にのぼっていない」と述べた。

日中与党交流

  山口氏は1952年7月生まれの64歳。党政調会長などを経て2009年から党代表。9月の党大会で無投票で5選を果たした。

  今後の政策課題としてアベノミクスを一層加速し、「成長と分配の好循環」を進めていくことが重要と指摘、具体策として無年金者対策などに取り組む考えを示した。外交面でも安倍晋三政権と協力しながら、与党として対話や交流を進め、特に中国とは11月を目標に東京で与党交流を開催する方向で調整中という。

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