日銀短観の企業物価見通し、1年後「0.6%上昇」-5四半期連続低下

  • 前回調査の0.7%上昇から鈍化-全規模・全産業の平均
  • 3年後、5年後は1.0%上昇-ともに前回から伸び率低下

日本銀行が集計した企業短期経済観測調査(短観)の「企業の物価見通し」は、1年後の平均値が0.6%上昇と6月の前回調査(0.7%上昇)から伸び率が低下した。昨年9月調査以来5四半期連続で前回調査を下回った。

  調査対象の1万社以上のうち、1年後は0%程度と回答した企業が43%と最も多かった。3年後、5年後の平均値は1.0%上昇といずれも前回の1.1%上昇から伸びが鈍化した。企業に自社の販売価格の見通しを聞いた質問では、1年後が0.2%上昇、3年後が0.8%上昇、5年後が1.1%上昇と、いずれも前回と同じだった。

  黒田東彦総裁は9月26日の講演で、「デフレからの脱却には想定以上に時間がかかっている」と指摘。「日本経済のために必要であると判断すれば、ちゅうちょなく調整を行う」として、その際は「マイナス金利の深掘りと長期金利操作目標の引き下げが中心的な手段になる」と述べた。日銀は10月31日、11月1日に次回金融政策決定会合を開く。

  バークレイズ証券の森田京平チーフエコノミストは9月15日付のリポートで、「企業の物価見通しが下振れると、来年の春闘での賃上げペースが鈍化するリスクが高まる」と指摘。賃上げペースが鈍化すれば、「安定したCPI前年比2%の実現は遠ざかる」という。日銀が追加緩和をするなら春闘に間に合わせなければならないため、「タイミングはおのずと次回会合に絞られるだろう」としている。

  日銀は9月21日の金融政策決定会合で、長短金利の操作を行う「イールドカーブ・コントロール」と、消費者物価(CPI)上昇率の実績値が安定的に2%の物価目標を超えるまでマネタリーベースの拡大方針を継続する「オーバーシュート型コミットメント」を柱とする「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」を導入した。
 

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